SSブログ

第73期NHK杯将棋トーナメント決勝(藤井聡太八冠VS佐々木勇気八段) [将棋]

佐々木八段が初優勝を目指します。

〔中継サイト〕
https://www.nhk.or.jp/goshogi/shogi/index.html

テレビ棋戦では、放映日まで対局結果は秘密にすることが求められます。
例外は○百勝とか表彰がからむ場合で、その場合は発表されていない謎の1勝が増えていたら、未放送のテレビ棋戦の結果が推測することが可能です。
あと、たまに日本将棋連盟の中継サイトで、うっかり未放送のテレビ棋戦まで通算成績に含めてしまい、バレることもがあります。
マニアになると、棋士のスケジュールから逆算することもあります。
ですが、今回の決勝は師匠のYoutubeチャンネルでほぼネタバレという状態になり話題となりました。
直接的な言及はないものの、師匠の表情等でほぼ推測できるというもので、これはアップ前にチェックして、該当部分を削除したりUP日時を変更するなどいろいろな対策があったと思います。
せめて対局前に収録するなど、ネタバレを防ぐ工夫はあったのかなと思います。
今後の改善を望みたいと思います。

〔棋譜〕※後日中継サイトで公開

ということで、将棋です。
佐々木八段の先手で角換わりとなりました。
途中まではよくありそうな展開から、激しい攻め合いになります。お互いに桂馬を銀でもぎ取り、桂馬で攻める。
最初にペースをつかんだのは佐々木八段です。後手玉を端まで追い詰めて、2二歩桂馬を削りにいます。
しかし、これが悪手で、藤井八冠の桂馬のただすてがさく裂して、またたくまに後手優勢から勝勢までもっていきます。
あとは着地だけかと思っていたら、120手目の5五角成が自然に見えて悪手でした。
ここで佐々木八段の2四飛車がさく裂します。同歩ととると銀を討たれて詰みますし、かつ詰めろなので何か受けないといけません。
藤井八冠も先手玉に王手をかけながら自玉の詰めろを解除しますが、最後は佐々木八段が豊富な持ち駒を活かして169手まで後手玉を即詰みに打ち取ります。
この1勝は藤井八冠の年度最高勝率の記録達成を打ち砕く1勝となり、佐々木八段にとって、30連勝を阻止したのと同じく記録阻止の1勝となろました。
記録にも記憶にものこり1勝だと思います。

佐々木八段NHK杯優勝おめでとうございます!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第49期棋王戦第4局(藤井聡太棋王VS伊藤匠七段) [将棋]

藤井棋王の2勝1持で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

藤井棋王は純粋居飛車党ですが、プロ入りして1回だけ振り飛車を指したことがあります。
とはいっても公式戦ではなく、サントリーオールスターでの東西リレー将棋でのひとこまです。
初手から5手を受け持った豊島将之九段が、オールラウンダーらしく飛車を振り、その局面も引き継いだ藤井棋王も選択の余地なく振り飛車を指すことになりました。
これは豊島九段が考えたファンサービスかと思います。
慣れない振り飛車が響いたのか、対局は藤井棋王が所属する西軍が負けました。
真剣勝負の世界ですが、準公式戦では、こうしたファンサービス、遊び心は大事かと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/49/kiou202403170101.html

ということで、将棋です。
藤井棋王というと先後を問わず角換わりの採用率が高いです。
先手の伊藤七段が角換わりに誘導したのに、後手藤井棋王は角換わりを拒否して、なんと村田システムを採用します。
王座戦本線トーナメントで、藤井棋王を苦しめた作戦を、ここで藤井棋王が採用してきました。
伊藤七段は銀交換に成功しますが、その銀を2四と2六に打ち合う格好になると、やや不満です。
形勢が思わしくないとみた伊藤七段は7筋の歩を取らせて7筋に歩を合わせるという角の効きを最大限に生かす攻めを見せますが、藤井棋王に5五歩と冷静に止められると攻めが細くなってしまいました。
歩で攻められた桂馬を幸便に撥ねて攻めかかり、玉形も大差で後手がかなり勝ちやすい局面になります。
そのまま藤井棋王が114手まで押しきり、3勝1持と一度も負けずに棋王防衛を果たしました。

藤井棋王おめでとうございます!
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

【映画】バイオハザード [映画評]

同名ゲームの映画化で、ミラ・ジョヴォヴィッチを一躍スターにのし上げました。


バイオハザード [DVD]

バイオハザード [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2003/01/24
  • メディア: DVD



製作は2002年です。
ある民間会社の研究所から、危険なウィルスが漏洩します。
外部への拡散を防ぐため、防御システムのAIは研究所を閉鎖し、従業員全員を殺します。
そこに暴走したAIを止めるべく、その民間会社が雇っている特殊部隊員が乗り込みます。
このウィルスの正体は、人間をゾンビ化するものです。
主人公のアリスは、記憶喪失の状態で目覚め、特殊部隊員に「報告は」と詰め寄られます。
さらに警官を名乗る謎の男性。
さらに研究所へとむかう地下通路で出会った中年男性。
実はアリスの記憶喪失は、AIによる防御システムによるものでした。
アリスは特殊部隊員と行動をともにしながら、徐々に記憶を取り戻します。
警察官を名乗る謎の男性ですが、実は警察官でもなんでもなく、たんなる環境保護活動家でした。
民間会社の暴走を止めるために、ウィルスを外部に持ち出してマスコミ報道させる計画をもっていました。
そして、アリスは特殊部隊員の一員であり、かつ環境保護活動家の協力者で、ウィルスを持ち出す役目を持っていました。
謎の中年男性は、その計画を知り、ウィルスを軍事用として売却して大金をせしめようとしていました。
特殊部隊員とアリスたちに、ゾンビ化した犬、人間、怪物が次々と襲い掛かってきます。
そして、アリスたちは必死に出口を目指しますが……。
という感じの映画です。
エンタメ映画として、素直に面白いです。
ミラ・ジョヴォヴィッチの体当たりのアクションも良いですし、特殊部隊員が警備システムやゾンビによって、徐々に削られていく展開もハラハラして良いです。
タイムリミットも細かく設定されており、ゾンビが徐々に迫ってくる、怪物がドアをけ破る、時間になると出口が強制的に締まる、などなどと、こうした要素が物語を盛り上げ、観客を休ませません。
ただのアクションだけでなく、軽い謎解き要素もあり、サスペンス的な楽しみもあります。
ゾンビがとても人間っぽいというゾンビの描き方に不満はありますが、全体的なバランスがとてもよく、安心して楽しめる佳作だと思います。
三角とびでゾンビ化した犬を蹴り飛ばすシーンは有名になりました。
製作費33百万ドルで興行収入1億2百万ドルという成績は、次回作へとつなげるのに十分な数字だと思います。
テレビでもたびたび放映される人気作です。

ミラ・ジョヴォヴィッチのアクションを楽しみたいひとのために!
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

【書評】井上桂一『パゴダと河の戦場~一兵士のビルマ戦記~』 [書評]

ビルマ戦線から命からがら生還した兵士の記録です。


パゴダと河の戦場―一兵士のビルマ戦記

パゴダと河の戦場―一兵士のビルマ戦記

  • 作者: 桂一, 井上
  • 出版社/メーカー: 戦誌刊行会
  • 発売日: 1985/08/01
  • メディア: 単行本



著者が入営したのは昭和18年4月です。すでに太平洋戦争は下り坂でした。
工兵隊に配属になった著者は半年間の訓練を経て、ビルマ戦線に投入されます。
太平洋方面では死闘を繰り広げられていましたが、まだビルマ方面は平穏で、病気になって休養したり、爆撃を避けながらとはいえ電車に揺られたり、牛を飼ったりと、のんびりとした日々が続きます。
インパール作戦が発動したのは19年3月です。
著者は無線担当となりますが、全局の様子を知るわけもなく、敗残兵が増えてくるのを見て作戦の失敗を悟ります。
日本軍が壊滅的状態になってからは、悲惨きわまる撤退戦です。
住民が逃げ出した集落に入り込み、食料を奪います。集落がないときは、タケノコや野草を食べます。次々と飢えと病気で倒れていきます。
そうしてひたすら撤退している途中で、終戦を迎えます。
さんざん議論されていることですが、制空権、補給がないなかでの作戦は無謀であり、それらの無理はすべて末端の兵士の生命に直結します。
兵士たちは作戦内容をしらされず、地図も渡されません。こうした秘密主義も、敗走時に死者を増やした原因なのではないかと思います。
途中で「良くしてもらった」という木村法務少尉の話が気になります。キャンプで再会して著者はお礼を言うために声をかけたのですが、相手は困惑の表情を浮かべるだけだったといいます。
実は終戦時に”法務少尉”という階級はなく、法務中尉からです。
著者も推測しているように、おそらく肩書きを偽って行動していたのでしょう。
ちょっとしたミステリです。

リアルなビルマ戦線を知りたいひとのために!
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ: