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【映画】クライム オブ マネー/完全犯罪 [映画評]

大学生3人が金持ちの子供を誘拐するクライムサスペンスです。


クライム・オブ・マネー 完全犯罪 [レンタル落ち]

クライム・オブ・マネー 完全犯罪 [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: DVD



主人公は貧困家庭の大学生。
母は病気ですが薬も買えません。あげくに自宅は差し押さえ。
やむなく誘拐を計画します。
仲間は同じ大学生の2人で一人は少しエキセントリックな彼女。もうひとりはこれまたサイコ気質の友人です。
主人公は指示役で、のこり2人が実行役です。
金持ち3家族の父親と子供(大学生ぐらい)がバラバラに湖畔のコテージに集合する途中で、仲間2人がひとつの車に同乗していた子ども3人を誘拐し、監禁します。
監禁場所は、子供のうち1人の親の別荘です。
主人公が親に電話をして1人100万ドルの入金を要求しますが、親3人のうち1人が遅れてその場にいません。
それを知ったエキセントリックな彼女が、その親の子を殺してしまいます。
その彼女は口では反省しますが、今度は親たちの家を燃やす計画をバラしてしまい、しかも監禁が甘くて残り2人は逃げ出します。
そして、監禁場所が親の別荘であることを知ります。
主人公はひたすら入金を待ち、2人に人質を追いかけるよう指示します。
そうこうしているうちに、親3人は喧嘩を始めます。実は別荘を監禁場所にされた親は、事業に失敗して金がありません。
なので、子供が死んでいる親に身代金を払わせようとして、その親の子供が死んでいることを隠します。
そしてクライマックスへと向かいます。
とまあ、こんな感じです。
ネタバレしないように書くのが難しいのですが、十分に楽しめるクライムサスペンスだと思います。
主人公の正体は、親たちの身内ではありませんが、近い存在です。
ただ金持ちグループには入れません。
そうした立場です。
「完全犯罪」とありますが、主人公は少しミスを犯しており、監禁されたうちのひとりは正体を確信します。
親たちも、推理を組み合わせれば、おそらく真相にたどり着けるはずです。
ですが、映画はそこまで描かれずに、主人公が現場を立ち去るところで終わります。
前半の細かい描写が、後になって糸のように結ばれるところは、エルキュール・ポアロを連想させます。
親たち3人の人間関係というか、サブストーリーがしっかり作りこまれているところは評価が高いと思います。
ここまで考えている映画は少ないので。

意外な展開のクライムサスペンスを楽しみたいひとのために!
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【書評】井上靖『蒼き狼』 [書評]

チンギスハンの一生を圧縮した作品です。


蒼き狼 (新潮文庫)

蒼き狼 (新潮文庫)

  • 作者: 靖, 井上
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/03/27
  • メディア: 文庫



本書は井上靖の一連の西域小説のひとつで、モンゴルの英雄、チンギスハンの生涯を追います。
モンゴルは歴史を記録する風習が無かったため、史書が限られます。チンギスハンの生年も不明です。
そうした中で、井上靖は限られた史書から、ときおり直訳しながら書き進めているように感じました。
チンギスハンの母は拉致されたことがあります。
そのときに懐妊した可能性があるとして、チンギスハンの征服欲求は「狼の子孫である己の血筋を証明するため」という設定で物語を進めていきます。
正直に書くと、強引かな、というのが自分の感想です。
モンゴル人の戦い方は残虐で、反抗する敵は根絶やしにします。戦争に勝つと、略奪の限りを尽くし、男子は殺し、女子は持ち帰るという非生産的な侵略です。
戦いが強いのは分かりますが、なぜ、一代でここまでの大帝国を築くことができたのか、日本人的な感覚ではなかなか理解できません。
そのあたりについて、作者なりの解釈があれば良かったなと思ってしまったり。

チンギスハンの物語を読みたい人のために!
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第17期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦(北村桂香女流二段VS大島綾華女流初段) [将棋]

どちらが勝っても、タイトル初挑戦です。

〔中継サイト〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/thisseason/

大島女流初段は女流王位戦でも挑戦あと1歩に迫りました。
西山女流四冠(当時)相手に勝勢までいきながら、時間切迫と西山女流四冠の粘りの前に最後の最後で間違え、その隙を突かれて逆転負けを喫しました。
しかし、そのすぐ後に再びタイトル挑戦のチャンスが回ってくるのは、実力のある証拠です。
これから女流四強に食い込んできてもおかしくありません。
さあ勢いに乗る大島女流初段ですが、タイトル挑戦ができたでしょうか!

〔棋譜〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/result/17/mynavi202403040101.html

先手は北村女流二段で女流棋界では珍しい横歩取りの青野流となりました。
非常に激しい展開になる戦型で、後手の大島女流初段はさらに激しい相横歩取りを志向します。
棋界では後手不利が定説で、そうそう見ない形です。
北村女流二段は7七角と受けてから、角交換に金を立ちます。
基本的に先手有利の戦型のはずですが、この時点ですでに評価値は後手に振れています。
金が上ずり、先手まとめにくいです。
北村女流二段はアクロバティックな手で後手玉に迫ろうとしますが、大島女流初段から玉頭に嫌味を付けられ、桂馬を跳ねられ、5三歩を入れられてはもう粘れません。
74手までの完勝で、大島女流初段は嬉しいタイトル初挑戦を決めました。

マイナビ女子オープン戦は、4月9日(火)「元湯 陣屋」から始まります!
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