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【書評】池上正太『図解中世の生活』 [書評]

図解シリーズの54番目です。


図解 中世の生活 (F-Files No.054)

図解 中世の生活 (F-Files No.054)

  • 出版社/メーカー: 新紀元社
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 単行本



中世ヨーロッパの生活を、中世とは何から始まり、農村と森林、都市とギルド、さらに教会か王宮まで幅広くです。
当時の農民は土地としばりつけられ、領主の所有物とみなされていたことを初めて知りました。
こうした背景が分かると、様々な制度の意味が分かってきます。
キリスト教についてもかなりのページが裂かれており、煉獄の「発明」が民衆の支持を集めるのに大きな影響があったのだなと思いました。

中世ヨーロッパ世界の基礎知識を身に着けたいひとのために!
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【書評】渡辺照宏『法華経物語』 [書評]

大乗仏教の代表的経典である法華経の入門書です。


法華経物語 (岩波現代文庫)

法華経物語 (岩波現代文庫)

  • 作者: 渡辺 照宏
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/07/16
  • メディア: 文庫



仏教の経典というと、難しい抽象的な表現が並んでいるのかとばかり思っていました。
しかし、この法華経は物語です。そういう意味では、キリストの事績が記されている聖書に近いのかもしれません。
とはいえ、神話や聖書とは違い、この法華経の物語は、いかにこの経典がありがたいかの繰り返しです。
現代的な視点で見れば微妙な気がしますが、当時の社会状況を考えると「誰もが救われる」「信じれば良いことがある」というのは、非常に魅力的に映ったのだろうなと思います。

法華経について知りたいひとのために!
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【書評】渡辺照宏・宮坂宥勝『沙門空海』 [書評]

空海の生涯を再現します。


沙門空海 (ちくま学芸文庫)

沙門空海 (ちくま学芸文庫)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1993/05/01
  • メディア: 文庫



弘法大師空海ほど、多くの伝説・俗信が伝えられている人はいないと思います。
奈良時代末に生まれ、遣唐使として唐で最新の密教を学び、日本に戻ってからは平安時代初期に真言宗を開きました。
この本によると、空海は仏教一筋ではなく、若いころは儒教や中国の古典など幅広い学問を修めたそうです。
その知識が生かされたのか、各地の土木工事にも監督員として動員され、まさにスーパーマンのような活躍をします。
同世代の最澄も密教の教義において空海が上回っていることを認めるなど、まさに日本一の仏教指導者でした。
ただ、弟子には恵まれなかったようで、後世の影響度という意味では最澄が上回っているようです。
著者は幅広い仏教知識を総動員して歴史的事実と伝説とをえり分けており、よい研究書だと思います。

空海の生涯をしりたいひとのために!
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【書評】フランソワ・グレゴワール『死後の世界』 [書評]

日本の仏教学者である渡辺照宏の翻訳です。


死後の世界 (文庫クセジュ)

死後の世界 (文庫クセジュ)

  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1992/08/01
  • メディア: 新書



白水社の「文庫クセジュ」シリーズの1冊ですが、なかなか難解です。
前半は各宗教における死後の世界についての考え方が並べられ、後半は本題ともいいえる哲学者たちの登場です。
正直、内容は理解できないのですが、だれもが、頭の隅では「死後の世界はない」と理解しながらも「生の永遠を願う」気持ちは同じだなあと思いました。

死後の世界を哲学的に考えたいひとのために!
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【書評】髙橋洋一『韓国、ウソの代償~沈みゆく隣人と日本の選択~』 [書評]

文政権になってからの韓国分析と日韓関係です。


韓国、ウソの代償 沈みゆく隣人と日本の選択 (扶桑社新書)

韓国、ウソの代償 沈みゆく隣人と日本の選択 (扶桑社新書)

  • 作者: 髙橋 洋一
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2019/09/01
  • メディア: 新書



まず最初に徴用工問題から始まります。
著者の結論はゲームの理論と同じで、いわるゆしっぺ返しです。
では制裁として何が良いのかと言うと、日本に害がなく韓国に被害を与えるもの、つまり金融制裁です。
後半は経済専門家らしく、日韓の経済政策についてです。
基本的にはマクロ経済を理解していない文政権の政策を批判していますが、返す刀で日本の民主党も被弾しているのに、少し同情したり。

現代の日韓関係について分析したいひとのために!
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【書評】新井素子『イン・ザ・ヘブン』 [書評]

新井素子33年ぶりの短編集です。


イン・ザ・ヘブン(新潮文庫)

イン・ザ・ヘブン(新潮文庫)

  • 作者: 新井 素子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: Kindle版



印象に残ったのは、表題作である『イン・ザ・ヘブン』です。
死にゆく老婆と天国について話をするのですが、実はいまいる場所こそ……という話です。
ストーリーと設定はまったく異なりますが『ここをでたら』も同系統のアイデアといえるかもです。
『あけみちゃん』や『ゲーム』は著者のユーモア感覚がよく出ていると感じます。
独特の砕けた文体で、ただそこは、好き嫌いが分かれるかもしれません。

多くの受賞歴のある著者の短編集を読みたいひとのために!
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【書評】有澤玲『秘密結社の事典~暗殺教団からフリーメイソンまで~』 [書評]

秘密結社の事典とありますが、実質的にはフリーメイソン事典です。


秘密結社の事典―暗殺教団からフリーメイソンまで

秘密結社の事典―暗殺教団からフリーメイソンまで

  • 作者: 有沢 玲
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2020/10/21
  • メディア: 単行本



事典とあるだけあって、フリーメイソンに関する用語や人物がアイウエオ順に並んでいます。
非常な労作ではありますが、内容は事実関係だけでなく著者の意見も多く含まれているため、注意を要します。
それにしても様々な分派ができて、多くの儀式が生まれたんだなと思います。
伝説の記述と一致する傷を持つミイラが発掘されたことには驚きです。
(もっとも、それが伝説が事実であったことの証明にはなりませんが)

フリーメイソン用語をしりたい人のために!
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【書評】高橋真理子『重力波 発見~新しい天文学の扉を開く~』 [書評]

著者は朝日新聞社のベテラン記者です。


重力波 発見!: 新しい天文学の扉を開く黄金のカギ (新潮選書)

重力波 発見!: 新しい天文学の扉を開く黄金のカギ (新潮選書)

  • 作者: 真理子, 高橋
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/09/22
  • メディア: 単行本



本書の内容は、類似本を同じように重力波について説明するだけでなく、その基礎知識となるニュートン力学、相対性理論にもページを割いています。
メインは重力波発見までの奮闘ですが、日本のKAGURAについても触れられています。
ベテラン記者らしく、現場を取材してきた様子が伺われます。
また、科学者たちのマメエピソードがちりばめられているのも、読み物として興味深かったです。

重力波について楽しく知りたいひとのために!
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【書評】ジャンナ・レヴィン『重力波は歌う~アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち~』 [書評]

2016年、LIGOが重力波を検出するまでの科学者たちの人間模様です。


重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち (ハヤカワ文庫 NF)

重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち (ハヤカワ文庫 NF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/09/21
  • メディア: 文庫



いかにもアメリカ的な本です。
著者は科学者であり、かつ作家でもあるのですが、重力波より、LIGOをめぐる科学者たちの人間模様が中心となっています。
当初は3人の協力体制から始まり、いろいろな軋轢が生じ、ついにドレーバーが追い出されます。
重力波検出の歴史を見ると、やはりウェーバーの影響は大きいと思います。
彼の作成した検出器は失敗で、データの恣意的解釈によって非難を浴びました。
ですが、不可能と思われていた重力波を検出しようと思い立ち、しかも実際に実験器具を作成して、困難に立ち向かった勇気は称賛されるべきだと思ます。
ウェーバーの挑戦が、LIGOに繋がったのかなと思います。

重力波検出をめぐる科学者たちの人間模様を知りたいひとのために!
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【書評】鬼頭和孝『グッドウィルで380憶円を稼いだ男!?』 [書評]

グッドウィルがクリスタルを買収する際の仲介で380憶を稼いだ男の手記です。


グッドウィルで380億円を稼いだ男!?

グッドウィルで380億円を稼いだ男!?

  • 作者: 鬼頭 和孝
  • 出版社/メーカー: リーダーズノート
  • 発売日: 2011/03/31
  • メディア: 単行本



平成18年ごろの話です。
人材派遣業で業界トップを走っていたクリスタル社の創業者であるオーナーは、自身の健康問題もあり、事業を売りたがっていました。
その仲介を依頼された筆者の上司が、業界トップに躍り出たがっていた業界2位のグッドウィルグループに株を投資会社を経由するこよで売却することに成功し、莫大な差金を得ることに成功します。
手法はやや倫理にもとるところはあるにしても、クリスタルのオーナーは納得した価格で無事に事業の売却ができ、グッドウィルは試算額より安く事業を手に入れているわけですから、だれも損をしていません。
いやはや、魔法の錬金術のような感じで、驚きです。
後半は記事への反論と、資料として裁判関係の書面が掲載されています。
興味のあるひとはぜひ。

魔法のような錬金術を知りたいひとのために!
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