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【書評】早坂隆『新・世界の日本人ジョーク集』 [書評]

世界の日本人ジョーク集第3弾です。


新・世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

新・世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/12/06
  • メディア: 新書



日本は安倍総理、米国はトランプ大統領、中国は習金平、ロシアはプーチン、北朝鮮は金正恩の時代です。
それぞれキャラが立っているので、ジョークとして使われています。また、日本ではそれほど有名ではありませんが、ホットドック早食いチャンピオンの小林尊さんも登場です。
日本人のジョークではありませんが、『宿題』はなかなか面白かったです。孫が祖父の戦争体験を聞き、戦争で人を殺したかどうか尋ねます。
祖父はため息をつきながら、答えます。
「おそらく、何人か亡くなっているだろうな」
祖父の軍務は、炊事係だった、というオチです。
前書で採用されたジョークもちらほらと。

ジョークで世界を知りたいひとのために!
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【書評】早坂隆『続・世界の日本人ジョーク集』 [書評]

世界の日本人ジョーク集の第2弾です。


続・世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

続・世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 新書



ジョークはイメージで語られる部分が多いです。
日本と言うと、ハイテク、過労死、ハラキリ、スシというイメージが強いようで、繰り返しネタとして使われています。
ただ、イメージとして強烈までいかないので、オチに使われるのはアメリカ、中国、ロシアが多いです。
まるで中間管理職のようです。
基本コンセプトが同じで、登場人物を変えただけのジョークも多いです。
この辺りは、古今東西考えることが同じということで。

日本は世界からどのように見られているか知りたいひとのために!
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【書評】村上しいこ『給食室の日曜日』 [書評]

ほっこりくる児童文学です。


給食室の日曜日 (わくわくライブラリー)

給食室の日曜日 (わくわくライブラリー)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/01/27
  • メディア: 単行本



日曜日の給食室では、しゃもじばあさんや、おなべや、フライパンといった調理器具たちが楽しく遊んでいます。
その中で、「しんがたフードプロセッサー ほうちょうステ」というメモが見つかります。
ほうちょうが捨てられる。
このことを知った仲間たちは、ほうちょうにこの事実を隠すかどうするかモメつつ、定年退職を迎える調理員のせきさんのために、せきさんが大好きなオムライスを作ってあげようと練習を始めます。
ここまで書けば、オチはだいたい分かると思います。
それでも、ほうちょうに対する気遣いと、オムライス作りのための奮闘という二つのストーリー軸がよく絡まり、楽しく読むことができました。
内容は普通ですが、書こうとすれば難しい。難しいゴロを、難しく見せずに捌く名手のような、作者の技術を感じさせる作品だと思います。

ほっこりしたいひとのために!
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【書評】月原渉『犬神館の殺人』 [書評]

使用人探偵シズカシリーズの1冊です。


犬神館の殺人 (新潮文庫nex)

犬神館の殺人 (新潮文庫nex)

  • 作者: 渉, 月原
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: 文庫



舞台は人里離れた場所にある邸宅です。
そこで『犬の儀式』という奇妙な儀式が執り行われます。
儀式を邪魔されないために三重の扉に隔てられた密室を作り、扉の前には贄として生きた人間が棺桶に入れられ、扉が開けられるとギロチンで贄の首が切られます。
かなり常道を逸した設定です。
もちろん扉は開かれて贄が次々と命を落とすのですが、内側から開かれたことから密室内に犯人がいるはずなのに、見つかるの死体ばかり。
いるはずの犯人がいない。
この真相はどこにあるのか、というのが大まかなストーリーです。

こうした奇妙な風習系の作品は好きなのですが、シズカのキャラがあまり目立っていないのと、描写の流れが自分には読みにくくて、イメージするのが難しかったです。
好き嫌いが分かれる作品かもしれません。

奇妙な儀式を舞台とするミステリを読みたい人のために!
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【書評】早坂隆『日本の戦時下ジョーク集~太平洋戦争編~』 [書評]

苦しいときだからこそ、笑いなのかもしれません。


日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇 (中公新書ラクレ)

日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2021/07/26
  • メディア: 新書



本書に収められているのは、太平洋戦争開戦の昭和16年から敗戦となる昭和20年までのジョーク集です。
太平洋戦争といっても、昭和17年までとそれ以降では世相が異なってきます。
昭和17年前半までは日本軍の快進撃もあり、国内は平穏無事で、言論統制はあったものの比較的前向きなジョークが多かったようです。
ところが劣勢になるとともに言論統制は強くなり、笑いも検閲で様々に手を加えられます。
生活必需品も配給制となり、生活の不自由度は増していきます。
厭戦気分が高まり、時節を皮肉る落書きや替え歌が増えていきます。
それでも、不自由さを逆手にとって笑いに変えていきます。
これもまた、太平洋戦争史の一面だと思います。
昭和15年に隣組が制度化されましたが、このときに作られた歌のメロディが、ドリフの大爆笑のテーマ曲として使われたことに驚きです。
しかも作詞者が芸術家岡本太郎の父である岡本一平であることも二度驚きです。

太平洋戦争の一面を知りたい人のために!
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【書評】早坂隆『日本の戦時下ジョーク集~満州事変・日中戦争編~』 [書評]

戦時下でも日本にはジョークが溢れていました。


日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 (中公新書ラクレ)

日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2021/07/25
  • メディア: 新書



太平洋戦争というと、悲惨さをアピールするか、軍事的な側面を解説した本が多数です。
そうした中で、ジョークを取り上げた本書は異彩を放ちます。いつの時代も”笑い”は求められており、不自由な戦時下でも同じです。
いまよんでも、クスリと笑ってしまう小噺がたくさん収録されています。
本書は満州事変(昭和6年ころ)から始まります。
そのころは、まだ戦争は遠くの国の出来事であり、兵隊たちが戦っている感覚だったと思います。
エノケン、エンタツ・アチャコ、ミスワカナ・玉松一郎たちが人気を博し、秋田實が漫才の台本を書きまくっていました。
しかし、昭和15年ころになると台本に検閲が入るようになり、国策に反する演目はできなくなります。
そうした不自由さがあったものの漫才は続けられ、昭和15年には雑誌の出版部数がピークを迎え、まさに全盛期を迎えます。
こうして、太平洋戦争へと突入していきます。

戦時下のジョークを知りたいひのために!
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【書評】早坂隆『世界の日本人ジョーク集』 [書評]

お国柄をあらわしたエスニックジョーク集です。


世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

世界の日本人ジョーク集 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/01/01
  • メディア: 新書



出版されたのが2005年なので、日本はバブル崩壊後の不況に苦しんでいた時代です。
そのため、日本人のイメージとして、勤勉・真面目・高い技術とともに、エコノミックアニマル的なジョークもたくさん収録されています。
本書は日本人がでているジョークを集めたものなので、日本人がオチになっているとは限りません。
イギリス人の料理下手、ロシアの低い技術、アメリカ人の訴訟好き、フランス人の浮気は鉄板ネタのようです。形を変えて何度もでてきます。
いまはエスニックジョークを披露するのも難しい時代にはなっていると思いますが、あとがきの〆の文章、

>イギリスの哲学者フランシス・ベーコンの『学問の進歩』(岩波文庫)より、こんな言葉を。
>「冗談は、しばしば真実を伝える手段として役立つ」

には心から同意します。

飛び切りのエスニックジョークを楽しみたいひとのために!
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【書評】江坂遊『鍵穴ラビリンス』 [書評]

51のショートショート、4の超短編が収録です。


鍵穴ラビリンス (講談社ノベルス)

鍵穴ラビリンス (講談社ノベルス)

  • 作者: 江坂遊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: Kindle版



ショートショートを発表する媒体が少ないです。
そのため初出のほとんどが異形コレクションで、40%ぐらいが書き下ろしです。
1998年から2008年まで10年に渡り書き貯められてきたものです。
『ホクロスイッチ』『会員特典』は定番のアイデアですが、これはこれで上手いなあと思います。
『新薬のおかげ』は、いままでありそうで、なかったアイデアかと思います。一番印象に残りました。
4編の超短編は、不思議な詩のようであり、ショートショート集によいアクセントを加えています。まるで箸休めのようで、良いアイデアだと思います。
後書きにかえての『エッサカ、ホイ』が星新一氏への追悼となっています。
知っているひとなら分かりますが、最後の1行は星新一の作品タイトルです。

ショートショートが好きなひとのために!
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【書評】江坂遊・編『猫の扉~猫ショートショート傑作選』 [書評]

猫まみれの一冊です。


猫の扉 猫ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)

猫の扉 猫ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)

  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2020/02/02
  • メディア: 文庫



収録されているのは32編です。とにかく多彩なラインナップです。
星新一、小松左京、筒井康隆、アサーCクラークといったSF界の重鎮もいれば、カフカ、サキといった不条理系、さらにはショートショート界では有名な江坂遊、Fブラウン、Hスレッサー、深田亨の名前もあります。
さらには宮沢賢治、ヘミングウェイも採録です。
個人的にうれしかったのは、Hスレッサーです。
海外のショートショート言えばFブラウンですが、Hスレッサーもコミカルな短編を多く発表しています。
収録作品もHスレッサーらしいオチが用意されています。
こうして並べて読むと、やはり星新一はうまいですね。
単純なアイデアなのですが、これを分かりやすく、読みやすい作品に仕上げる技術は素晴らしいです。

猫好きとショートショート好きのひとのために!
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【書評】江坂遊『仕掛け花火』 [書評]

星新一が「後継者」と認めた奇才のショートショート集です。


仕掛け花火 綾辻・有栖川 復刊セレクション (講談社ノベルス)

仕掛け花火 綾辻・有栖川 復刊セレクション (講談社ノベルス)

  • 作者: 江坂 遊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: 新書



本編に収録されているのは39編です。
江坂遊の出世作である『花火』も掲載されています。
ショートショートには、落ちに向かっていく話と、落ちにたどり着く話があると思います。
星新一は落ちに向かっていく系統ですが、江坂游は落ちに向かっていく話もありますが、どちらかというと落ちにたどり着く話が多いと思います。
星新一も解説で「驚きの説明は容易ではない」「そこはかとないノスタルジーが漂っている」と書いていますが、これらは物語がどこかにたどり着く、という江坂遊の特色からにじみ出てくる感想かなと思います。
『花火』『夢ねんど』などは、作者の長所がよくでている作品だと思います。

ショートショートが好きなひとのために!
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