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【映画】クリード2/炎の宿敵 [映画評]

スポコンドラマの王道を踏みながらも、愛をテーマにした良作だと思います。


クリード 炎の宿敵 [Blu-ray]

クリード 炎の宿敵 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2019/11/06
  • メディア: Blu-ray



前作であと一歩でチャンピオンになれなかったクリードですが、その後、連勝を重ねてついにヘビー級王座を獲得します。
恋人とも結婚し、順風満帆な人生を送るクリードに、かつてアポロをリング上で殺した男、ドラゴの息子が挑戦者に名乗りを上げます。
対戦に難色を示すロッキー。クリードはロッキーのもとを去り、父アポロのジムから対戦を承諾しますが、辛うじて反則勝ちを収めるものの、ろっ骨を骨折するなど試合内容は一方的でした。
傷心のクリードを訪ねるロッキーですが、クリードはロッキーに心無い言葉を浴びせてしまいます。
しかし、クリードは恋人から諭されて、ロッキーがクリードのことを愛していることを伝えられます。
クリードは勝てなくても、負けても、ロッキーから愛され続けていることを知ります。
そして、再起に向けてロッキーとともに激しいトレーニングにあけくれます。
ドラゴの息子ですが、父がロッキーに敗れたことで政府から見放され、母も離れていくという不遇の人生を送ってきました。
父を二人三脚でトレーニングを続けています。勝つことでしか愛が得られないと思っています。
両者はロシアで再戦します。
最後までクリードを励ますロッキーに比べて、ドラゴの母は敗勢になったところで立ち去ります。
最後は愛に包まれたクリードが勝利しますが、ドラゴも父から抱擁されて、父からの愛を確信します。
クリードはロッキーから「お前の時代だ」と声をかけられて、父の名声を振り切ったことを確認します。
戦いの後で、ドラゴは父の墓前を訪れます。ロッキーは疎遠だった息子の元を訪れます。
という感じのストーリーです。
テーマは前作に続いて愛です。ロッキーは大物プロモーターのように弟子をビックマッチに導く能力がありません。
それだけに、成長した弟子との軋轢が生じますが、軋轢も飲み込み、弟子を愛し続けるロッキーの姿が印象的です。
クリードと妻、ロッキーと息子、ドラゴと父も、それぞれの別の愛の形になっており、ラストでそれぞれの愛の形が奇麗にまとまります。
もちろんスポコンドラマとしても王道を踏みながらも、よく考えられた良作だと思います。
ロッキー的な表現がかなり抑えられて、ロッキーの続編ではなく独立したシリーズに近くなっています。
製作費5000万ドルに対して興行収入2億1400万ドルと前作を上回っているので、成功作だと思います。

師弟愛の溢れるドラマを見たい人のために!
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【映画】クリード/チャンプを継ぐ男 [映画評]

ロッキーとクリードとの師弟愛がしんみりさせます。


クリード チャンプを継ぐ男 [Blu-ray]

クリード チャンプを継ぐ男 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2016/10/19
  • メディア: Blu-ray



主人公はボクサー志望の若者アドニスです。
アドニスはロッキーと死闘を繰り広げたアポロの子供ですが、父は生まれる前に亡くなり、母親もアポロの愛人でサ産後すぐに亡くなっています。
そのため孤児院で生活していましたが、アポロの妻がアドニスを引き取ります。
アドニスは一般企業に勤めて出世しますが、ボクサーを夢見て何不自由ない生活を投げすてます。
もちろんアポロの妻はボクシングに反対しているので、その後の連絡も不要だと冷たく言われます。
まず父がいたジムを訪れますが、有望株にスパークリングの賭けで負けて高級車を奪い取られ、追い返されます。
住んでいる世界が違うことを思い知らされますが、戻ることもできません。
仕方なくロッキーの元を尋ねて、何度も熱心に通い、アポロの息子であることを明かすことで師弟関係を結ぶことになります。
だが、アポロの息子だと明かしたのはロッキーだけです。彼も父の名前を背負い、苦しむ若者です。
初めての試合は、同じジムの有望株です。
そこで勝利しますが、アポロの息子だと世間にバレで、父の名前に苦しめれます。
父の名前のおかげでタイトル挑戦のチャンスが舞い込みますが、ロッキーは癌を宣告されます。
治療を勧めるアドニスですが、治療を拒否するロッキーから「家族ではない」と言われて自暴自棄になります。
恋人のライブで喧嘩騒動までおかして、収監され、恋人とも距離を取られます。
アドニスはロッキーと向き合うことで、自分が父の名前ではなくひとりの人間として大切にされていること、父の名前に振り回されてはいけないことに気が付きます。またロッキーも癌と戦うことを決意します。
そして、激しいトレーニングの末に、タイトル戦へと向かいます。恋人とも和解し、母親になってくれたアポロの妻からも、プレゼントが届くことで和解します。
そして、壮絶な試合の結果は……というストーリーです。
本作のロッキーですが、妻のエイドリアンだけでだんくポーリーも故人になっています。
スピンオフというかリブートのため、ロッキーファイナルの恋人とその息子の存在はなかったことになっています。
小料理店を経営するひとりの老人です。
ロッキーはアポロの名前で再びボクシングへの情熱をよみがえらせますが、ロッキー5とは異なり、自分の意見を押し付けず、あくまで本人の意思を尊重します。
最初の試合も、タイトル戦も、どちらかというとロッキーは否定的でしたが、本人の意思を尊重して試合に向かわせます。
フィラデルフィア美術館でのシーンなど、シリーズの伝統を保ちながら、あくまで主人公はアドニスであり、バランスの取れた佳作だと思います。
テーマはやっぱり、愛ですね。愛に飢えていた主人公は、一旦愛を手放してしまったかと思われましたが、最後に愛を取り戻します。じんわりとくる、よくできた話です。
製作費3500万ドルに対して興行収入1億7000万ドルですからスマッシュヒットだと思います。

師弟愛にあふれるボクシング映画を楽しみたいひとのために!
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【映画】ロッキー・ザ・ファイナル [映画評]

初老を迎えたロッキーが、新たなチャレンジに立ち向かう熱い映画です。


ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: Blu-ray



さてストーリーです、
50歳代になったロッキーは小料理店を経営し、それなりの生活を送っています。
息子も社会人となり独立し、愛する妻は故人になっています。
ロッキーは小料理店でお客の求めに応じて、昔話を語り、写真撮影で喜ばれます。
ロッキーの心は過去にあります。
昔お世話になったジムにいき、エイドリアンと初めてデートしたスケートリンクも訪れますが、いずれも廃墟となっています。
逆に後悔ばかりの人生を送ってきたポーリーに、前を向けと言われます。
かつての不良少女だったマリーと再会したことで、新たな恋に前向きとなり、マリーの息子とも交流を深めていきます。
ある日、コンピューター上でロッキーと現役ヘビー級王座のディクソンのシミレーションがテレビで放映されているのを見て、前向きな人生に向かいつつあったロッキーに、現役復帰の気持ちが高まっていきます。
その一方で、有名すぎる父を持った息子は、ロッキーとの関係が疎遠になっています。
ヘビー級王者のディクソンですが、あまりに瞬殺ばかりなので、人気の低迷に苦しんでいました。
ロッキーが現役復帰をすることを知ったプロモーターが、ロッキーとのチャリティー・エキシビションマッチを提案します。
普通に考えれば無謀だし、老醜をさらすだけです。
しかし、ロッキーは誰に何を言われようと自分がしたいことをすると決意し、試合を承諾します。
偉大な父の陰に苦しめられている息子は反対しますが、逆に自分の弱さを見つめて困難に立ち向かうことの重要性を説き、息子を励まします。
父と息子は和解します。
そして、ロッキーは人生最後の試合に向かいます。
というストーリーです。
いや、これは非常によくできた映画です。
序盤のしみじみとするような過去に浸るロッキーがいて、そこから小さい出来事を重ねることで、徐々にロッキーが前に進む描写が見事です。
ひとつひとつは他愛のないエピソードかもしれませんが、描き方が上手いのでしょう。ロッキーの気持ちに共感できます。
ラストの試合も、王者に拳を負傷させることで、自然な形で熱戦になるよう工夫されています。
試合が終わると、ロッキーは判定結果を聞く前にリングを去ります。この辺りは、立場は違えど、ロッキー1と通じる演出です。
試合後の表情で、いくつになっても全力を出すことの大切さを、ロッキーは伝えくれます。
製作費2400万ドルで興行収入が1億5500万ドルですから成功作品だと思います。

最後のロッキーを目に焼き付きたいひとのために!
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【映画】ロッキー5 [映画評]

引退後のロッキーが切ない映画です。


ロッキー5 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: Blu-ray



ドラゴとの激闘でロッキーは脳に障害を持ち、ついに引退を決意します。
しかし、悪徳会計士に騙されて無一文となり、スラム街に戻ります。
そこで出会うのが若き才能トミーです。
ロッキーはトミーに夢を託して二人三脚でサクセスストーリーを駆け上がろうとします。
ロッキーはトミーに首ったけになる一方で、息子とは疎遠になっていきます。
トミーはタイトル戦を望みますが、ロッキーは許しません。そのため、ロッキーを現役復帰させて一儲けしようとしていた大物プロモーターのデュークがトミーに接近し、ロッキーからトミーを奪います。
ロッキーは本当に大事なのは息子だと気が付き、関係を回復します。
トミーはタイトルを獲得しますが、八百長だと記者から責められ、ロッキーのコピーだと言われて、ロッキーの影から抜け出すためにデュークにあおられてロッキーに対決を申しこみます。
ロッキーはトミーとリングではなく路上で戦い、そして勝利します。
とまあ、こんなストーリーです。
最初の印象は、観客が見たいロッキーはこれじゃない、ということです。
観客が求めるのはサクセスストーリーです。
落ちぶれたロッキーは、最後にスラム街の喝さいを浴びますが、落ちぶれたままで終わります。
ロッキーはスラム街のヒーローであり、それれは最初から最後まで変わりません。
脚本はいろいろ考えられていると思います。
息子との葛藤、過去の栄光をトミーに投影するロッキーの心理、トミーとロッキーの関係の変化。
しかし、ありがちな話が延々と続き、正直かなり退屈しました。
しかも、ロッキーは最初から最後までトミーを応援していたのですが、それをストリートファイトで解決(解決していませんが)するのはどうなんでしょう。
第11回ゴールデンラズベリー賞10部門中の7部門(最低作品賞、最低監督賞、最低主演男優賞、最低主演女優賞、最低助演男優賞、最低脚本賞、最低主題歌賞)にノミネートされるのもやむを得ないかもしれません。
興行成績も急落して約1.2億ドルと前作の半分以下です。
そういえばロッキーの息子を演じたのはシルベスタースターローンの実子ですが、36歳の若さで急逝しています。
とても残念です。

人気シリーズの続きを見たい人のために!
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【映画】ドラえもん のび太と空の理想郷 [映画評]

「欠点があっても自分らしさがいい」というテーマが明確な佳作だと思います。

〔公式サイト〕
https://doraeiga.com/2023/


映画ドラえもんの42作目です。
物語は、出木杉君がトマスモアのユートピアについて説明するところ始まります。
よく「映画になると出木杉君は隠される」とネタにされますが、しっかりと冒頭で登場します。
しかし、そのあとはやっぱり隠されます。キャラバランス的にやむを得ないです。出木杉君残念。
いつものメンバーでユートピア目撃談の真偽を確かめに様々な時代に飛びますが、ユートピアは現れません。
やっぱり見まちがいじゃん、と思ったところで、ユートピアが登場します。
そこではパーフェクトネコ型ロボットがいて、パーフェクト小学生がいて、誰もが心優しいパーフェクトな人間になれる世界でした。
ところがのび太は、のび太らしく、まったくパーフェクトになれません。
そこに謎に侵入者が登場し……
というストーリーです。
大人なら察しがつくように、ジョージオールウェル『1984』がベースのストーリーです。
本作の影響は本当に大きいです。
冒頭に大きな事件が起こるわけではないので前半がややまったりしていますが、テーマが明確になってからは敵と味方が入れ替わったり、脱出直前で捕まったり、きっちりと脚本が書かれています。
解決したと思った後でも、次から次へと危機が訪れるところも、手慣れた脚本家という感じがします。
ミッドポイントは、のび太とドラえもんがユートピアを脱出しようと決意するシーンです。この瞬間、世界観がひっくり返ります。
そこからはどんどん前半の伏線が回収されていきます。
露骨な伏線もありますが、中には別の目的と思わせておいて実は伏線だったと後で気が付くシーンもあり、なかなかうまいです。
エンタメでもあり、鑑賞した子供たちが元気づけられる、佳作だと思います。

映画ドラえもんを楽しみたいひとのために!
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【映画】ロッキー4 [映画評]

音楽満載のエンタメロッキーです。


ロッキー4 [Blu-ray]

ロッキー4 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: Blu-ray



今回の対戦相手はソ連が産んだボクシングマシーン、ドラゴです。
ドラゴが来米して対戦相手を求めますが、その相手にロッキーの親友かつライバルだったアポロが名乗りを上げます。
アポロはまだできるということを証明したがっています。
ロッキーは年齢と引退から5年も経っていることを理由に不安視しますが、アポロはリングに上がり、ドラゴに滅多打ちにされます。
ロッキーはタオルを握りしめますが、アポロからタオル投入を止められていたため躊躇し、結果としてアポロは死んでしまいます。
ロッキーは友の敵討ちのため、ソ連に飛びます。
ドラゴは国家の応援を得て、ドーピングも含めた徹底的に科学的なトレーニングが行われます。
対するロッキーは昔ながらの方法でトレーニングを続けます。
そして二人は対戦し、激闘の末にロッキーが勝利して終わります。

本作は第6回ゴールデンラズベリー賞10部門中8部門にノミネートされ、5部門を受賞するという不名誉な記録を残すなど、評論家から酷評されています。
アポロの対戦前にジェームスブラウンが延々と歌うなど、ミュージックビデオのような必然性のない演出が何か所もあり、間延びしている感が否めません。
アポロが負けたからといってロッキーが敵討ちをする必然性もなく、そもそもアポロに死ぬまで戦わせる必要性もなかったと思います。
ラストシーンも、当時の世相を反映していると思いますが、政治的メッセージが強すぎます。
いちおう「変わることができる」がテーマのようですが、ロッキーはそれほど変わっていないので、若干ズレているような。

本作でもポーリーは文句を言う役回りですが、これはロッキーの立場を際立たせるための道化師といったところでしょうか。
ロッキー1~2では人間ドラマ的な役割もあったのですが、3さからは道化師役に徹している感じがします。
主題歌のひとつであるサバイバー『Burning Heart』が印象的です。
散々な言われようでしたが、興行収入は3億ドルを超えるシリーズ最大のヒット作です。

ロッキーの音楽を楽しみたいひとのために!
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【映画】ロッキー3 [映画評]

スポコンドラマの名作です。


ロッキー3 [DVD]

ロッキー3 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2012/10/12
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ストーリーは単純です。
前作で世界チャンピオンになったロッキーは10度の防衛を果たし、ボクサーとしての人気を不動のものとします。
豪邸と高級車を手に入れ、子供もでき、何不自由のない生活を送ります。
プロレスラー(ハルクホーガン!)とのチャリティーマッチにも出場し、自らの銅像が建てられてところで引退を宣言します。
しかし、ここで新進気鋭の若手ボクサー、グラバーの挑発を受けて、ロッキーは対決を受けてしまいます。
ミッキーは負けるからと反対し、ロッキーに「10度も防衛できたのは勝てる相手を選んできたからかだ」と正直に伝えます。
このグラバーは貧しく、荒々しい言動もありますが、ボクシングに対してはストイックな人物として描かれています。
ミッキーを説得して対決に向けてロッキーはトレーニングを再開しますが、ファンにちやほやされながらのトレーニングで、なかなか成果が上がりません。
最後は身が入りますが、しかし試合直線にミッキーが心臓発作で倒れ、さらにロッキーも2ラウンドでKО負けをします。
ここでライバル、アポロが登場し、トレーナーを買ってでます。
ロッキーはアポロのホームタウンである貧民街にあるボクシングジムで、ギラギラした若手たちに囲まれながらトレ―ニングを再開します。
アポロの狙いは、かつてロッキーにあった虎の目を取り戻すことでした。
しかしロッキーの体はきびしいトレーニングについていけず、心が折れてしまいます。
ここで妻がロッキーに「このままで納得できるの」と叱責したことで、虎の目を取り戻し、トレーニングの末にグラーバーを倒します。
そしてチャンピオンに返り咲いたロッキーは、誰もないジムで、アポロと向き合います。
アポロの目的は、かつて負けたロッキーに雪辱することでした。
そして2人だけのリングで、ロッキーとアポロが拳を交えるところで映画は終わります。

いやあ、ベタな展開で分かりっている話でありながら、ツボを押さえた映画だと思います。
負けた相手に雪辱するのはスポコンの鉄則です。
負けた原因を見つめなおし、支援者によってその原因を克服するのも鉄則です。
王道スポコンですが、スポーツマンシップがテーマにあると思います。
序盤でチャリティーマッチで、ハルクホーガンが暴走します。ロッキーもムキになって反撃しますが、試合が終わると一緒に写真を撮ります。
ロッキーがハルクになぜ暴走したのか聞くと「チャリティーだから」と答えます。
つまり、観客を喜ばせるために全力を尽くした、という意味だと思います。
ラストシーンもとてもいいです。
かつてアポロはロッキーと再試合をするために暴言を吐いたこともありますが、最良のライバルとしてロッキーを支援し、最期は笑顔で拳を交えます。
主役のシルベスタースターローンですが、後半で明らかにボクシング技術が向上しています。
かなりのトレーニングを感じさせる作品だと思います。
製作費16百万ドルに対して、興行収入は前作を上回まわる2億7千万ドルです。
テーマソングもとても印象的です。

王道スポコン映画を楽しみたいひとのために!
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【映画】ロッキー2 [映画評]

ロッキーの自己オマージュシーンが多数です。


ロッキー2 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
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テーマとしては再生です。
アポロとの激闘によってロッキーは人気者となり、大金を手にします。
ロッキーの生活は一変し、高級店で服を買い、新車を購入し、新居も購入とエイドリアンの心配をよそに、次々とお金を使います。
目の故障もありボクサーから引退して、オファーがきたCМ撮影に挑みますが、ことごとく失敗します。
学歴がないため希望するデスクワークの職は探せず、かろうじて精肉屋で職を見つけますが、不況によりレイオフになります。
妊娠中のエイドリアンも仕事に出て、ロッキーはミッキーのジムで下働きをすることになります。
あっというまの落ちぶれです。
しかし、ここでアポロが再戦を求めてきます。
アポロが前作の試合がふがいなかったことから、誹謗中傷の手紙が押し寄せるようになり、雪辱の機会を求めていました。
ロッキーは再戦を引き受けますが、エイドリアンが反対するため練習に身が入りません。
過労からエイドリアンが倒れ、早産となり、エイドリアンも昏睡状態に陥ります。
エイドリアンは目覚め、苦しむロッキーを見て、エイドリアンは「勝って」と告げます。
紆余曲折ありましたが、ロッキーにはボクシングしかないと、ここで目覚めたのです。
このひとことで、ロッキーは必死に練習に取り組み(ここでフィラデルフィア博物館のシーンがでてくる)、アポロとの再戦に向かいます。
そして、戦いのあとで「エイドリア~ン」の叫びがでてきます。
とまあ、こんな感じのストーリーです。

一夜にしてヒーローになったロッキーと、そのとまどい。
普通の生活を求めるエイドリアンとの葛藤という人間ドラマが中心で、よくできた脚本だと思います。
行って帰るというストーリーは古来より使われているパターンですが、それだけ人間の根源に訴えるテーマなのかもしれません。
本作でも、戻るべきところに戻るロッキーの姿を、きっちりと、描き切っていると思います。
当時のシルベスタースターローンは急に人気者になったことで、マスコミに私生活をいろいろ否定的に書かれていたそうで、そうしたことも背景にあったのかもしれません。
前作でも思いましたが、なによりアポロ役のカール・ウェザースの演技が鉄板です。
ボクシングのステップが華麗で、素人には見えません。
元プロアメリカンフットボール選手というスポーツ経験が生かされているのかもしれません。
前作から続いて興行収入2億ドルを超えるヒット作です。


エイドリアーンを聞きたいひとのために!
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【映画】ロッキー [映画評]

あまりに有名なテーマソングとともに、映画史に残る傑作です。


ロッキー [Blu-ray]

ロッキー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
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主演・脚本を務めたシルベスタースターローンの出世作であり、100万ドルの低予算ながら2億ドルを超えるヒット作となりました。
ストーリーとしては、回復の話です。
主人公は30歳を迎えたうだつの上がらないボクサーです。
低いファイトマネーで試合をして、終われば2流金貸の手先となって、資金回収のため債務者を脅しつけます。
低所得にあえぎ、住まいはボロボロで、着ているシャツにも穴が開いています。
彼には恋焦がれている相手がいました。ペットショップに努めるエイドリアンでした。彼女は内気で、ロッキーが話しかけるも無視を決め込んでいます。
しかし、エイドリアンの兄はロッキーの友人ということもあり、兄の協力も得て、ロッキーとエイドリアンは親密になります。
ある日、世界チャンピオンが予定していた対戦相手が負傷し、急遽代役を探すこととなります。
そこで目をつけられのが、「イタリアの種馬」というユニークなニックネームを持つロッキーでした。
最初はロッキーは断ろうとしますが、相手のプロモーターに強引に説得されて、承諾します。
世界戦が決まると、友人は手伝いをするといいだすし、いままで冷たくしていたジムのトレーナーもマネージャーを申し出ます。
ロッキーはすべて断り、自分一人でトレーニングを進めようとします。恋人の兄とは何度も言い争いになります。
しかし、徐々に周囲の応援を受け入れるようになり、エイドリアンの愛情もあって、過酷なトレーニングを経て試合当日を迎えます。
試合は壮絶な打ち合いの末、判定で敗れますが、ロッキーは判定結果を聞く前にリング上でエイドリアンは抱きしめて映画は終わります。
基本線は非常に分かりやすいです。
ダメ人間でゴロツキにすぎないロッキーが、世界戦というチャンスを得て、新しい人生を取り戻す話です。
その象徴が、有名なフィラデルフィア博物館でガッツポーズをするシーンであり、試合後のリン上で何を質問されても「エイドリアーン」と恋人を呼び続けるロッキーです。
これは試合結果より大事なものを獲得したことを表しており、ロッキーザファイナルでも同様の演出が見られます。
本作は第49回アカデミー賞の作品賞・監督賞・編集賞ならびに第34回ゴールデングローブ賞ドラマ作品賞を受賞しています。
低予算だっため、有名なフィラデルフィア博物館のシーンは撮影許可が下りず、早朝のゲリラ撮影だったとか(おかげで、素晴らしいシーンとなりました)、沿道からオレンジを投げられるシーンは、撮影ではなく本当のトレーニング中だと勘違いした市民からのリアルプレゼントだったりとか、いろいろな逸話があります。

いいボクシング映画を見たいひとのために!
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【映画】ランボー/ラスト ブラッド [映画評]

老人となったランボーが弓を引くシーンに感動です。


ランボー ラスト・ブラッド Blu-ray (特典なし)

ランボー ラスト・ブラッド Blu-ray (特典なし)

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2020/12/02
  • メディア: Blu-ray



ランボー5作目にして、完結作です。
ストーリーは単純です。
家族同然に愛してた友人の孫娘がマフィアの手に落ち、シャブ漬けにされたあげく娼婦にされます。
ランボーは救出にいき、一度目は失敗しますが二度目に成功します。
しかし、娘は瀕死の状態で、故郷に帰る途中で命を落とします。
ランボーは復讐を決意します。
まず敵のアジトに侵入して、特殊部隊仕込みのナイフ術で幹部の首を切り落とします。
当然にマフィアはランボーの自宅まで押しかけますが、事前に仕掛けておいた罠を活用して敵を全滅させて映画は終わります。
実に分かりやすい話で、ひねりもなにもなりませんが、ランボーらしくていいと思います。
若いころは何でもありのランボーでしたが、老人となり、動きが悪くなったこともあり、コーナーを利用した出会いがしらの攻撃か、道具を活用することになります。
しかしながら、ランボーの代名詞ともいえる、弓で攻撃するシーンもしっかりとあるのがたまりません。
ランボ1は大量の警官相手に大手立ち回りを演じ、2~3は戦場のど真ん中で戦ってきたので、スケールは大幅ダウンですが、年齢もあるのでそこはやむを得ない部分かなと。
製作費5千万ドル、興行収入9千万ドルですから、興行的には失敗です。
ですが、映画的にはランボーぽく、何も考えずに楽しめる良い意味でのB級作品だと思います。
ただ、スプラッターな表現が多い部分は注意です。

ランボーファンのために!
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