SSブログ

【映画】マッドマックス/サンダードーム [映画評]

マッドマックスの3作目です。


マッドマックス/サンダードーム [Blu-ray]

マッドマックス/サンダードーム [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2013/12/04
  • メディア: Blu-ray



航空機を操る謎の親子に荷物も奪われたマックスは、バータータウンにたどり着きます。
そこは豚の糞尿から抽出されるメタンガスで生活している町で(飼料が豊富なようで)、女王アウンティと豚飼育を管理している頭の小人と体の大男のコンビ、マスター・ブラスターの2人が支配しています。
バータータウンの完全支配をもくろむ女王に腕前を見込まれ、マスター・ブラスターとの対決を強いられます。
しかし、ブラスターの体が実は子供だったことを知り、ためらうことで対決の掟、相手を必ず殺すを破り、マックスは罰を受けることになります。
罰はルーレットで決められ、砂漠への放擲。
そこでオアシスに住む一族に助けられ、彼らに「トゥモローランドに連れて行ってくれる機長」と誤解されます。
そして現に何人かは旅立ってしまいます。
マックスは後を追いますが、バータータウンにたどり着き、そこから小人を救って脱出します。
激しい戦いの末に……という話です。
なんとなく、その場のエピソードをつなぎ合わせたような印象です。
オアシスに住む一族の一部が旅立ち、最終的にはトゥモローランドにたどり着きますが、そこは単なる廃墟となったビル群です。オアシスより環境が悪化しています。
ほとんど文明と隔絶していたはずなのに、普通に電車の操縦ができたり、この辺りの時代設定がよくわかりません。バータータウンに潜入するのも、そこから脱出するのも行き当たりばったりで、なんとなく、ノリで進んでいる感じです。
とりあえずマックス演じるメル・ギブソンの魅力を最大限に生かそうとする感じでしょうか。
女王を演じるのは、ロックンロールの女王こと、ティナ・ターナーです。映画でもパワフルな声を響かせます。
小人役ですが、wikiだと現地で著名なダウン症俳優とありますが、ダウン症とは顔つきが違うので、別の病気かもしれません。
製作費10百万ドルで、興行収入36百万ドルですから、まあまあ成功でしょうか。

メルギブソンのマッドマックスの最終作を楽しみたいひとのために!
nice!(5)  コメント(0) 

【書評】倉知淳『豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ事件』 [書評]

バラエティに富む短編集です。


豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件 (実業之日本社文庫)

豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 文庫



基本的にミステリですが、ミステリ外も混じっています。
『変奏曲・ABC殺人事件』は便乗殺人を狙っていた悪人が、予想外の展開に頭を抱える話。『社内偏愛』はAIに執着されたサラリーマンの喜劇。『夜を見る猫』は正統派ミステリですが、やや苦しいか。『猫丸先輩の出張』はさすがに途中で真相に気が付く。
とここまではいまひとつな感じ。
ですが、『薬味と甘味の殺人現場』は異色ミステリながらツボに入りました。
被害者はパティシエですが、なんと被害者の口に長ネギが突っ込まれている。さらに、遺体の周囲にはケーキが置かれている。
犯人はすぐに判明するのですが、この口に長ネギの謎が刑事たちを苦しめます。いわばバカミスの系統です。
表題作である『豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ事件』も同じくバカミスです。そもそも空間がひっくり返る装置とか、エネルギー源が自転車だとか、実験室に豆腐があることとか。なにはともあれ、ここまで奇想天外な推理も、たまには良いかも。

風変わりなミステリを楽しみたいひとのために!
nice!(2)  コメント(0)