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【映画】マッドマックス2 [映画評]

世紀末のイメージを世界中に刻み込んだ記念碑的作品です。


マッドマックス2(4K ULTRA HD & ブルーレイセット)(2枚組) [4K ULTRA HD + Blu-ray]

マッドマックス2(4K ULTRA HD & ブルーレイセット)(2枚組) [4K ULTRA HD + Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2022/12/21
  • メディア: Blu-ray



低予算ながら大ヒットを飛ばした前作をうけて、製作費10倍にパワーアップした第2弾です。
前作はまだ文明の香りがしましたが、本作は完全なる世紀末です。
文明が崩壊し、モヒカン姿の男どもが荒野を走り回ります。
なぜモヒカン? とか、なぜ鉄仮面? とか、裸で日焼けしないのか? などど考えてはいけません。
これが世紀末なのです。
この映画のインパクトがあまりに強かったのか、『北斗の拳』など、この世界観が多くの作品と共有されることになります。
主人公は前作と同じくマックスですが、本作は完全に一匹狼です。
石油が貴重品であるため争いが絶えませんが、石油精錬所を持つあるグループのメンバーを助けたことで、ガソリンとの交換を依頼します。
この試練所は、敵であるヒューマンガスも狙っていました。
マックスはスパイと疑われ、助けた人間も死んだことで約束は反故になります。
この集団ですが、石油を運ぶためのトレーラーを探していました。トレーラーで石油を運び、安住の地へ移住しようというのです。
マックスはトレーラーを調達する約束をして、実行します。
安住の地へ向かうため、トレーラーは出発します。運転するのはマックス。そこにヒューマンガスの一味が襲ってきて……という映画です。
主演はもちろんメルギブソンです。2作目となり、精悍さが増しています。
前作よりかなり単純化されて、主人公はひたすらハードボイルドになり、メルギブソンンの格好良さを前面に押し出した映画になっています。
これはこれで、楽しめるからいいのですが。
脇役に、空を飛ぶヘリを操るやせた男がでてきます。最初はマックスのガソリンを盗もうとするのですが、反撃され、いつしか味方になっていきます。
なんとなく、いい味のでているキャラです。このキャラがいるおかげで、少しユーモアテイストといか、いささか作品に幅を出していると思います。
ラストもどんでん返しが仕掛けられています。
製作費はAUD4百万ドルですが、興行収入は23百万ドルと大幅にダウンです。それでも大幅黒字の作品であることは間違いないです。

世紀末のイメージを決定づけた記念碑的作品を楽しみたいひとのために!
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【書評】倉知淳『作家の人たち』 [書評]

作家あるあるともいえる短編小説集です。


作家の人たち (幻冬舎単行本)

作家の人たち (幻冬舎単行本)

  • 作者: 倉知淳
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/04/10
  • メディア: Kindle版



著者はあとがきで「ただの悪ふざけですので、平にご容赦を」と書いているように、悪ふざけ全開です。
最初の『押し売り作家』は人気作家の紹介をもらって、編集者にごり押しをしてくる売れない作家の悲哀と断る編集者の苦闘を描きます。
『夢の印税生活』は新人賞を受賞してデビューしたものの、新刊の売り上げは右肩下がりで、ついに5年目でバイト生活に突入してしまう新人作家の悲劇。
『持ち込み歓迎』では、勘違い君の大量発生を『らのべっ!』では本の内容よりイラストを優先して売れる本を作る優秀な編集者を『文学賞選考会』では植木賞というどこかで聞いたような有名賞で、芸人が書いた本しか売れなくなった未来の文学賞選考会を描きます。
『悪魔のささやき』は三部作で、作家が亡くなると作品が取り上げられる風潮を、もっともらしいけど中身のないいいかげんな書評を、作家の才能を絞りつくす編集者を、ジョークにしています。
一応フィクションですが、明らかにモデルが分かるものが多数含まれており、よく出版で来たなあとか思ってしまったり。
最後の『遺作』だけは、悪ふざけではなく、作家としての宿痾を描いた良作だと思います。

作家あるあるを楽しみたいひとのために!
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