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【書評】倉知淳『月下美人を待つ庭で~猫丸先輩の妄言~』 [書評]

猫丸先輩シリーズの第5作です。


月下美人を待つ庭で (猫丸先輩の妄言)

月下美人を待つ庭で (猫丸先輩の妄言)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2020/12/21
  • メディア: 単行本



神出鬼没の三十路アルバイター猫丸先輩シリーズです。
収録されているのは5作ですが、いずれも日常の謎系です。

『ねこちゃんパズル』……パスワードのようなアルファベットが書かれた紙がだれも気が付かないような場所に貼ってあり、しかもその紙を謎の外国人が回収します。その謎が気になって仕方がない主人公に、猫丸先輩が不思議なパズルの話をふっかけます。さすがに無理があるかな、というのが第一感。
『恐怖の一枚』……心霊現象を扱う編集部に、へんてつのない写真が送られてきます。その写真を見た猫丸先輩が、撮影されたシチュエーションを解き明かし、隠された恐怖をあぶりだします。
まあ、普通はこんな写真を出版社に送ることはないとは思いますが。
『ついているきみへ』……変人で有名な同級生が、「For luck man」のメッセージカードともとにペットボトルの蓋をプレゼントしてきます。
いかにも重要そうな小道具を出しながら、実は無意味でいたずらというのは、ややアンフェアなような気も。
『海の勇者へ』……台風が接近する荒海にむかうひとすじの足跡が残されている。この足跡の正体は、という話ですが、バカミスに近いかも。
『月下美人を待つ庭で』……変哲もない庭に、次から次へと不審者がやってきます。この不審者の正体は、という話だが、もうちょっと設定をうまく作れるような気が。

この猫丸先輩のキャラが面白くて、とても読みやすい短編ミステリだと思います。
猫丸シリーズファンのために!
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