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【映画】フルメタル・ジャケット [映画評]

ベトナム戦争を舞台にしたスタンリーキューブリック監督の代表作のひとつです。


フルメタル・ジャケット [Blu-ray]

フルメタル・ジャケット [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray



物語は前半と後半に分かれています。
前半は海兵隊訓練生時代の話です。
ハートマン軍曹のしごきに耐える訓練生ですが、その中に太めで不器用な若者がいました。
彼は「ほほえみデブ」とあだ名をつけられて、ハートマン軍曹に目を付けられます。
その後、狙撃術で高い評価を受けるのですが、卒業目前の深夜に発狂し、ハートマン軍曹を撃ち殺し、自らも自殺します。
後半は訓練生たちがベトナム戦争の現場にいきます。
ジョーカーとあだ名された訓練生は、その知的な態度からか、報道官として勤務します。
上司に皮肉な態度を続けたことがあだになり激戦地に飛ばされ、そこでかつての訓練生と再会します。
ベトナム軍による度重なる攻撃。進軍中にぬいぐるみを使ったブービートラップで仲間を失い、さらには狙撃兵3名もの死者がでます。
最後は狙撃兵を追い詰めるのですが、その狙撃兵は少女で、ジョーカーは銃の故障で撃てません。拳銃を構えるが銃が手につきません。
そこに仲間の銃撃により助かります。
瀕死の少女に、ジョーカーはとどめを刺します。
五体満足で本国に帰還できることを喜び、ミッキーマウスの歌を歌いながら戦場を行軍するシーンで終わります。

さて、この映画はなんといっても前半、特にハートマン軍曹です。
市民を兵士に鍛え上げるために罵詈雑言で人格を破壊するのですが、次から次へと汚い言葉がでてきます。
しごきも半端ないです。
前半のラストで「ほほえみデブ」が発狂するシーンも有名です。
一転して後半はジョーカーの苦悩がテーマです。
ジョーカーは理性的なキャラですが、考えている「戦争」と現実の「戦争」にはかなりの落差があります。
報道官として少し離れてみた「戦争」から、現実の「戦争」に引き込まれます。
その結果、ジョーカーは自らの命の危機になにもできなかったのに、重傷を負って身動きの取れなくなった少女に対して、とどめを刺すことを主張し、自ら処刑するようになります。
理想と現実は異なる。
戦争における人間心理を淡々と描いた作品ではないかと思います。
製作費30百万ドルに対して、興行収入46百万ドルと興行的には苦戦していますが、映画の内容的にやむを得ないのかなと。

スタンリー・キューブリック監督の代表作のひとつを視聴したいひとのために!
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【書評】原ゆたか『かいけつゾロリの大かいぞく』 [書評]

シリーズ4作目なので初期の作品です。


かいけつゾロリの大かいぞく	(4) (かいけつゾロリシリーズ 	ポプラ社の新・小さな童話)

かいけつゾロリの大かいぞく (4) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 1989/05/01
  • メディア: 単行本




長寿作品にありがちなこととして、主人公の顔がだんだん変わっていくことがあります。
最近のゾロリと比べると描いている線が細く、目も丸に近く、鼻の形も違います。
さて、ストーリーは、前作で魔法の杖をもらったゾロリが、溺れている海賊を助けます。
その海賊は死んでしまいますが、黄金のオウムを息子に届けるよう託されます。
そして、息子と一緒に宝さがしにでかけるのですが、お宝を独り占めしようとたくらむ部下に邪魔されます。
そこから先はドタバタです。
ゾロリは大砲で飛ばされてしまいますが、魔法の杖でクジラを海賊船にして戻ってきます。
大事な魔法の杖を敵に奪われますが、敵は使い方を間違えて自爆します。
最期は無事にお宝に到達しますが……もちろんゾロリたちとイメージしてるものとは違います。
さて、本作は初期だけあって、かなり絵本よりの作りになっていると思います。
文字数も少なく、基本的に絵で説明する姿勢かなと感じます。
ゾロリの歴史を感じました。

ゾロリファンのために!
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