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【映画】サスペリア [映画評]

1977年作のサスペンスホラーの古典です。


サスペリア [Blu-ray]

サスペリア [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: Blu-ray



主人公のスージーは、バレエ学校の生徒です。
入校のために大雨の中、学校を訪れますが、拒絶されてしまいます。
その途中で、学校から逃げる生徒を目撃し「秘密の」「アイリス」という言葉を耳にします。その生徒は殺されてしまします。
入校したスージーですが、その学校では次々と奇妙なことが起こります。
ウジ虫の大量発生、盲目のピアニストが盲導犬にかみ殺される、夜な夜な聞こえてくる奇妙な足音。
その足音の謎を解明しようとしたスージーの友人は、突如として行方不明になります(もちろん、彼女は殺される)。
これらの事件の背景に何かあると思ったスージーはいろいろ調べ始め、どうやらその背後に魔女の存在があることを嗅ぎつけます。
ある日、スージーは足音の記録を頼りに、謎を解き明かすために学校の深部に立ち入っていきます。
というストーリーです。

学校の全体的な色彩は赤が多用されており、これは血の色をイメージしているのかなと思います。
対する生徒たちは白が基調で、純白とともに赤をより際立たせているのかもしれません。
ポイントで青が配色されており、これは物語のキーとなる「アイリス」の色でしょうか。
そうした演出上の細かい配慮が感じられます。
盲目のピアニストが殺害されますが、これは彼が盲目であるがゆえに「耳がいい」からだと思われます。
足音が物語の謎を解くキーとなっているので、スージーの友人が足音の記録を残しているのを知り、「耳のいい」ピアニストの協力を疑い、殺す。
解釈が違うかもしれませんが、物語のキーである「音」を増幅する効果はあると思います。
なるほどね、と思いながら鑑賞しました。
魔女を殺したあとに学校が崩壊し、燃え始めるとシーンは様々な映画やゲームで使われており、それだけ影響力が大きい名作だと思います。
評論家の評価も非常に高いようです。

サスペンスホラーの古典的名作を堪能したいひとのために!
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【書評】武田弘『失われた原始惑星~太陽系形成期のドラマ~』 [書評]

隕石に対する情熱を感じます。


失われた原始惑星―太陽系形成期のドラマ (中公新書)

失われた原始惑星―太陽系形成期のドラマ (中公新書)

  • 作者: 武田 弘
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 2021/04/11
  • メディア: 新書



原始惑星とは、隕石の母体となる天体のことです。
太陽系を周回しているうちに、他の隕石を衝突し、バラバラになる。これが隕石の元です。
隕石となった原始惑星ですが、魚の群れのように集団で動いているので、隕石群の軌道と成分分析によって原始惑星の存在を推測できます。
本書の内容は隕石の研究がメインですが、そのなかでも興味深いのが「月の石」や「火星の石」が隕石として地球に落ちていることです。
月の石に至っては、月のどの部分から飛んできたのかも推測されています。
なぜ月の石や火星の石が地球まできたのかというと、大きな隕石が落下して地球まで弾き飛ばされたという推測がされていますが、いやはや信じられない話です。
隕石を分析すると、その石がどうやって生成されたのかが分かります。
そこから原始惑星の大きさや、石ができた年代なども分かることがあります。
専門用語が多く素人には読みにくいですが、隕石に対する知見が詰まっています。
なお、もっとも多く隕石が採取されたのは南極です。
雪に覆われているので、隕石が目立つというのが理由です。そこから考えると、隕石はそこら中に転がっているけど、他の石と見分けが付かずに気が付かないだけなんだろうなと思います。

隕石についていろいろと知りたいひとのために!
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