【書評】倉知淳『過ぎ行く風はみどり色』 [書評]
猫丸先輩シリーズの初長編です。
ストーリーはというと、金持ちで勇退した不動産会社の元経営者が離れで撲殺されます。
その犯人が分からないまま交霊会が行われ、今度は交霊会の最中に怪しげな霊媒師が殺害されます。
家族と霊媒師を否定する科学者たちがいるなかでの事件です。
そこから科学者が事件の真相を暴いている途中で、さらに科学者が毒殺されます。
さて、著書はあとがきで「これが最期の本になるかもしれないと思って、アイデアを全てつぎ込んだ」とあるように、アイデアのてんこ盛りです。
密室殺人、心霊現象、叙述トリック、手品に推理合戦と、サービス精神満点です。
かといって複雑なトリックがあるわけではなく、サブストーリーがこんがらがっているわけでもなく、物語は直線的で読みやすいです。
そうした直線的なストーリーラインに散りばめられた伏線が、ラストで一気につながり、解決する。
この開放感が本書の魅力です。
複雑なトリックを使わずに、プロットと構成でミステリを成立させる。
登場人物のさわやかさと言い、なかなかの傑作だと思います。
猫丸先輩シリーズファンのために!
ストーリーはというと、金持ちで勇退した不動産会社の元経営者が離れで撲殺されます。
その犯人が分からないまま交霊会が行われ、今度は交霊会の最中に怪しげな霊媒師が殺害されます。
家族と霊媒師を否定する科学者たちがいるなかでの事件です。
そこから科学者が事件の真相を暴いている途中で、さらに科学者が毒殺されます。
さて、著書はあとがきで「これが最期の本になるかもしれないと思って、アイデアを全てつぎ込んだ」とあるように、アイデアのてんこ盛りです。
密室殺人、心霊現象、叙述トリック、手品に推理合戦と、サービス精神満点です。
かといって複雑なトリックがあるわけではなく、サブストーリーがこんがらがっているわけでもなく、物語は直線的で読みやすいです。
そうした直線的なストーリーラインに散りばめられた伏線が、ラストで一気につながり、解決する。
この開放感が本書の魅力です。
複雑なトリックを使わずに、プロットと構成でミステリを成立させる。
登場人物のさわやかさと言い、なかなかの傑作だと思います。
猫丸先輩シリーズファンのために!
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