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【公募情報】第10回縄文川柳全国大会(川柳・7/21〆) [公募情報]

縄文時代を詠う川柳大会ではないことに注意です。

〔主催者HP〕
https://www.city.tokamachi.lg.jp/material/files/group/33/10thjomonsenryuzenkokutaikaibosyutirashi.pdf

縄文土器と言えば、火焔が噴出すような見事な造形をした火焔型土器を連想するひとは多いと思います。
その土器が発掘されたのが新潟県十日町市笹山遺跡ですが、そこで行われているのが縄文川柳全国大会になります。
この縄文文化を広く知ってもらうため、という公募主旨ですが、今年のテーマは一般部門で「愛」です。
縄文時代にこだわる必要はなく、前回受賞作も縄文と関係するのは1句のみです。
前回の応募者は578句と少ないので、ねらい目かもしれません。
応募締切は令和5年7月21日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :愛(一般部門)
入  選:表彰
応募締切:令和5年7月21日
応募方法:郵送
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【公募情報】第8回和歌の浦短歌賞(短歌・6/30〆) [公募情報]

和歌の浦は万葉集の頃から詠われてきた景勝地です。

〔主催者HP〕
https://www.wakaura-tanka.com/

和歌の浦は和歌山県北部にあります。
万葉集の時代の玉津島は海上に浮かぶ小島で、潮の満ち引きで陸続きになったり離れたりしていたそうです。
現在は観光地化や開発が進み、天然海岸が人工海岸に変わるなど当時の面影からの変貌が著しいようですが、2017年に「絶景の宝庫 和歌の浦」として日本遺産に認定されました。
本公募は和歌の浦を顕彰する公募ですが、テーマは和歌の浦だけでなく自由句も可能です。
前回の応募が1220首とのことで、少なめなのでねらい目かもしれません。
応募締切は6月30日、投句料として1首200円が必要であることに注意してください!

<募集要項抜粋>
募集内容:短歌
テーマ :自由詠、和歌の浦
和歌の浦大賞:賞金10万円
応募締切:令和5年6月30日
応募方法:主催者HP、郵送
その他 :投句料として1首200円必要
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創作状況【6月第4週】 [ぼくの公募状況]

大谷選手の活躍はすごいです。リアルタイムで目撃できることに感謝です。

【第189回のメュー】
◆公募分析(第19回坊ちゃん文学賞の巻)
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第20回)
◆おまけのもう1作
◆さらにおまけのもう1作
◆もうひとつおまけの1作
◆公募情報数点
 坊っちゃん文学賞の分析に加えて、
 今回のテクニックは、「作品を圧縮するコツ」「少し変わった設定が必要な理由」などです。
 次回発行は7月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
https://www.arasuji.com/mailmagazine/saitomagazine/


【ショートショートガーデン】
これは「小説でもどうぞ」のテーマ「仕事」のボツネタです。まあ、なんといいますか。
〔納まらない男〕
https://short-short.garden/S-uCTuXf


【小説でもどうぞ】
今月の投稿作だが、第1案は苦しい。テーマズレが著しい。何か違うが、解決策が思い浮かばない。やや断念気味。結局、キャラ重視で最低限の修正をして投稿することにしました。あと2枚あれば、もっとしっかり書き込めるのですが。
第2案もテーマズレだが、推敲は比較的スムーズに進む。このアイデアなら、こんなまとめ方でしょうか。ということで投稿する。
来月のテーマは「偶然」ですか。偶然に見せかけた必然的な話がぱっと思いつくけど、こんなアイデアではダメなんだろうなあ。ここ何か月かテーマズレが著しいので、来月はしっかりとテーマを消化したい。
さてさて、アイデア作りからスタートです。はい。


【yomeba!】
受賞作が公開されたら、また考えます。はい。


【星新一賞】
第11回に向けて推敲をする。
今年は思いっきり自分の趣味で書いてみました。思いっきり将棋ネタで、ファンにしか分からない小ネタをかなりつぎ込んでいます。
読者をものすごく限定してしまうので公募向けとは思えませんが、いままでとは違った作風で出してみたいなあと思いまして。
そういえば主催者の日経新聞は王座戦を主催しています。そこで王座戦ネタを突っ込む……は強引かな。
まずは第1回の推敲なので、これかボチボチとやっていきます。はい。


【坊っちゃん文学賞】
締め切りは例年と同じく9月30日、制限文字数4000字も例年通り。
3つめの応募作を決める。メルマガ用に書き下ろした作品で、いまから10年近く前ですね。
読み返してみたところ悪くないのと、雰囲気が坊ちゃん文学賞に近いかななと思って、これを推敲して応募します。
本当は「言葉遊び系」のネタにすべきかもしれないけど、今年はその系統なしです。
自分の好きな作品を好きなように応募するスタイルというか。


【ひらづみ文学賞】
締切が7月31日。原稿用紙換算50枚~100枚程度です。
2シーンまで推敲する。なんか、文章が純文学風になっている。たぶん、これを書いたときに、純文学系の小説を読んでいたのでしょう。
ちょっとくどいかな。残りのシーンを推敲しながら、バランスを考えます。はい。
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-03-15-1


【ラストで君は「まさか!」と言う】
制限文字数4000字、締切は5月31日です。3作投稿しました。
1次選考は6月末発表予定なので、それまで待ちです。
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-03-11


【NIIKEI文学賞】
3作応募したので結果待ちです。
4部門の応募数が279作品で、発表は年末とのこと。
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-02-16-3


【その他モロモロ】
・エコカレンダー2024に応募しました。なかなか難しい。9月下旬発表です。
・おーいお茶新俳句はツバメ3句で応募しました。楽しかった。10月下旬発表。
・第9回朝礼川柳のTOP100の発表がありました。それぞれ面白い。
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【映画】ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 [映画評]

女の子たちがアクション連発のマンガのような映画です。


ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY [Blu-ray]

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: Blu-ray



スーサイドスクワットの主要キャラのひとりだったハーレイ・クインが主役の映画です。
ハーレイ・クインはバットマンシリーズの敵役で、ジョーカーの彼女です。
それがジョーカーと別れて独り立ちしたという設定です。
さて映画ですが、ハーレイ・クインはいままでの悪行が重なり、町中の人間から恨まれ、狙われています。
その中には顔に落書きといったものもあれば、弟をペットの餌にするというエグイものもあります。
そんなハーレイが恨まれたマフィアに捕まり、解放される条件として大金の隠し場所が書かれているダイヤを奪うことを命じられます。
ダイヤを持っているのは、すりの少女です。少女は警察に捕まっています。
ハーレイは警察に乗り込み少女を奪います。
最初はハーレイは少女と生活しようとしますが、命を狙われ続けたことで、マフィアとの取引に向かいます。
といのがざっくりとしたストーリーです。
主役を演じたマーゴット・ロビーですが、当時は30歳前後のはずですがもっと年上に見えて、天真爛漫ロリ系キャラを演じるのはちょっときついかも。スーサイドスクワットと比べると年齢からか露出も控えめです。
ラストでは主役のハーレイクインだけでなく、立場がバラバラな5人の女性が協力してマフィアからの攻撃を撃退します。
お互いに銃を使わないので(敵が使わない理由は不明)、コメディタッチのアクションとなり、しかも追い込まれたときの必殺技は荒唐無稽すぎて、いやはやなんとも。
これがこの映画の世界観なのでしょう。
ミッドポイントはマフィアとの取引に向かうところです。
基本的に敵から逃げていたハーレイ・クインですが、ここで心を決めて対決に向かう……と思わせて、少女をマフィアに売ることが目的でした。
で、ここでいままでハーレイを捕まえようとしていた女性刑事、マフィアへの恨みで敵を殺し続けていた殺し屋、ハーレイと仲がよいがマフィアの運転手をしている歌姫が一か所に集まり、マフィアに囲まれたことで反撃を決意するので、ここがミッドポイントです。様々なストーリーラインがなんとか集結します。
基本的にはハチャメチャな映画でユーモアテイストですが、ときおり残虐になるので、日本人的にはちょっとこの感覚の落差についていけないかも。
製作費75百万ドルで興行収入2億ドルは、ぼちぼちでしょうか。
批評家の支持率は高いようです。

マーゴット・ロビーファンのために!
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【書評】田丸雅智『ショートショート診療所』 [書評]

キノノキに連載されたショートショートを収録です。


ショートショート診療所

ショートショート診療所

  • 作者: 田丸雅智
  • 出版社/メーカー: キノブックス
  • 発売日: 2016/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



収録作品は18です。
いつものように言葉遊び系が多いですが、今回は特にテンコモリです。
『骨を休める』『心霊内科』『妄想竹』『心臓の毛』『更生物質』『記憶の糸』……とまあこのあたりで止めておきます。
オチは設定をそのまま利用したものが多かったです。
個人的には『記憶の糸』がお気に入りです。
記憶の糸で編んだ帽子を作ることで物忘れ防止をするのですが、祖母が残したその帽子を孫が被るというのがラストです。
ほっこりする話だと思います。

ショートショート好きのひとのために!
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【公募情報】第21回川柳マガジン文学賞(川柳・7/31〆) [公募情報]

日本一ハイレベルな川柳賞とのことです。

〔主催者HP〕
https://shinyokan.jp/tokusetsu/bungakusyo/

本格的な川柳賞で、「次世代を担う作家の発掘」を目的としているそうです。
通常あるような1句単位の投稿ではなく、10句をまとめて投稿し、総合的な作句力を表彰するとあります。
大賞副賞は川柳句集出版され、広く発信されます。
参加費として3000円必要であることに注意してください。
応募締切は令和5年7月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :不問
 賞  :川柳句集出版
応募締切:令和5年7月31日
応募方法:郵送(参加料3000円必要)
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最近の日常【令和5年6月第4週】 [日常]

〔カーナビを修理に出した話〕
自分の車はとても古い。動けばいいかという感覚なので、新しくするつもりもあまりない。
ここ何年間かカーナビが壊れている状態のまま放置していたのだが、さすがに不便だなあと思って、修理に出すことにしました。
修理不能で新品にする必要があるといわれたら、もう車を買い替えようかなと。
で、ダメ元でディーラーに持っていったら、純正品ではありませんと言われた。
うーん、そのことすら知らなかった。
で、メーカーに問い合わせたところ修理可能みたいで、2~3万で収まるという。
十年以上たっているカーナビなので、修理できることに驚いたし、3万以内で完了することにも驚いた。
ただ2~3週間必要ですと。
時間がかかる程度なら、全然ОKです。元々、壊れていたわけだし。

〔4極ミニプラグの話〕
自分のスマホは4極ミニプラグが合うみたい。
ブルートゥースを使えば良いのかもしれないが、無線タイプはどうも慣れなくて。
それに落としそうで不安で、というか実際に落とすし、気が付いたらどこかにいってしまうし。
基本的につながっていないと不安というアナログな人間なのです。
ということで消耗品として4極ミニプラグのイヤホンをときおり買が、100均だとなかなか売っていない。
見つけたらまとめて買うみたいな。
音質を気にしない人なので、なかなか重宝しています。
これでも若いころは音質を気にしていたのですが、年齢でしょうかね、はい。
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【映画】スーサイド・スクワッド [映画評]

悪役たちが大暴れする映画です。


スーサイド・スクワッド エクステンデッド・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

スーサイド・スクワッド エクステンデッド・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: Blu-ray



舞台はバットマンでおなじみのゴッサムシティ。
バットマンにより逮捕された凶悪犯たちが、使い捨ての決死隊(スーサイド・スクワッド)として、死地に送り込まれます。
で、敵がなんと決死隊として採用されたま魔女。
この魔女が裏切り、弟とともに大暴れするので、決死隊たちが止めようとします。
構成としてはいろいろ考えられています。
決死隊を率いる傭兵隊長は悪人たちを敵視し、首に爆薬を仕掛けることで”恐怖”によって、いうことを聞かせようとします。
悪人たちにもいろいろと背景があり、ハーレークインは元精神科医でジョーカーを担当したところ恋に落ちて悪の道へと進む、デッドショットは娘から人殺しをやめてと言われてバットマンに逮捕される、火を噴くディアブロはふとしたいささかいで大切な家族を焼き殺した過去がある。
悪人たちは嫌味な隊長にイヤイヤ従っていたのですが、後半で隊長が魔女の彼氏だったことを知り、職務を放棄します。
ですが、隊長は爆薬の起爆装置を破壊することで、決死隊と和解します。
そして、最後の戦いへ……
という感じのストーリーです。
なんといっても、マリーゴットが演じるハーレークイーンがチャーミングで、セクシーで、いいですね。
基本的にハーレークインを見る映画だと思います。
この手の映画は、キャラをいかに暴れさせるか、ということが大事かなと思っています。
悪人にはそれぞれ特殊能力がありますが、その力のバランスが悪く、戦いにおいて活かしきれているかどうかというと、なかなか難しかったのかもしれません。
ハーレークインはとてもキュートなのですが、直接的な戦闘力としては微妙です。もっとぶっとびキャラにして、戦闘とは違ったところで大活躍させてもよかったかも。
日本刀を操る少女がでてきます。
殺陣を見慣れている日本人からすると、やっぱり、違和感がありますね。上半身と下半身の動きがマッチしていなくて、腕だけで刀を振っているといいますか。
デッドショット役はウィル・スミスですが、いい俳優ですね。改めて、そう思いました。
評論家からの評価は非常に悪いようですが、そこまでダメな映画とは思いません。2時間十分に楽しめました。

キュートなマリードットを堪能したいひとのために!
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【書評】真鍋真(日本語版監修)『恐竜王国3 トリケラトプス』 [書評]

トリケラトプスは白亜紀後期を代表する草食恐竜です。


恐竜王国〈3〉トリケラトプス (恐竜王国 (3))

恐竜王国〈3〉トリケラトプス (恐竜王国 (3))

  • 作者: ファビオ・マルコ・ダラ ヴェッキア
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2020/08/13
  • メディア: 大型本



元は外国の本ですが、日本語版にする際に大幅に改定されたようです。
トリケラトプスは3本の角とおおきなえりかざりが特徴で、人気のある恐竜です。
トリケラトプスの生活が、研究者たちの想像を交えながら豊富なCGで絵が描かれていまます。
また、不明な点は研究者の想像であるとことわってあるところが親切です。
ただ、恐竜の色は一部の種を除いて不明なので、注釈があっても良かったかもしれません。

トリケラトプスのことを知りたい児童のために!
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【掌編】齊藤想『死後の仕事』 [自作ショートショート]

第20回小説でもどうぞに応募した作品その2です。
テーマは「仕事」です。

―――――

 『死後の仕事』 齊藤 想

 死ねば全ての仕事から解放される。
 そう思ってビルの屋上から飛び降りたのに、気がついたら黒縁メガネのサラリーマンの前で正座させられていた。左右を見ると、大勢の魂が同じように正座している。
 彼は少しいらついているようで、やたらと足を踏み鳴らしている。
 ここは天国でも地獄でもない。どんよりとした雲の中。
 メガネサラリーマンは背中からこん棒を取り出すと、いきなり順番に殴り始めた。自分も横面を張り倒され、後ろに吹っ飛ぶ。
「おい、新入りたち。そのたるんだ顔はなんだ。死んだような眼をしやがって」
 自分は恐怖に震えた。ブラック企業から抜け出すために自殺したのに、あの世は現世以上の超絶ブラックではないか。しかも、今度は死んで逃げることができない。
「お前らは人生から逃げ出した敗北者だ。死んだら楽になると思う意気地なしだ。その腐った根性をこの俺様が叩き直してやる。そのために、お前らに仕事をやろう。まずはクズらしく昆虫の魂を集めてこい」
「昆虫?」
 自分が素っ頓狂な声を上げると、メガネサラリーマンがにらみつけてきた。
「昆虫にも動物にも魂はある。あの世は人間の特権だと思うな。クズの上に思いあがっているお前はゴキブリ担当だ。今日のノルマは五万匹。分かったか」
「五万匹!」
 不平を漏らしそうになったが、メガネサラリーマンがこん棒を撫でているのを見て、慌てて地上に向かった。
 自分は必死になって魂を集めた。
 害虫駆除をした飲食店、散らかり放題の一軒家、ゴミ捨て場など、思いつくところはすべて回った。ゴキブリは魂になってもゴキブリだ。表面はヌメヌメとして、カサカサと動く。目を背けながらゴキブリの魂を素手でつかみ、袋に放り込む。
 袋の中で動くゴキブリの魂たち。
 なんとかしてノルマを達成してメガネサラリーマンの元に戻った。ミミズやカマドウマの魂を集めていた同期も集まっている。
 メガネサラリーマンは部下たちの成果を確かめると、鼻で笑った。
「新入りにしては上出来じゃないか。ご褒美として、明日のノルマは二倍にしてやろう」
 同期から不満の声が上がると、メガネサラリーマンは一喝した。
「お前らにはおれの優しさがわからないのか。先輩たちもこうして鍛えられて、立派な魂に成長したのだ」
 どこかで聞いたようなセリフ。まさに超絶ブラック。自殺は間違いだと気が付いたが、もう遅い。
 同期がざわめく中、ひとりがメガネサラリーマンに土下座した。
「二倍と言わず三倍にしてください。私は早く先輩のような立派な魂になりたいです」
 こいつ、抜け駆けしやがった。自分が非難の目を向けると、メガネサラリーマンに速攻で見つかった。
「お前の反抗的な目つきはなんだ。少しはこいつを見習え。罰として、お前はゴキブリに加えてハエの魂も集めてこい」
 そのとき、メガネサラリーマンの胸が震えた。彼は内ポケットから携帯電話を取り出すと、ひたすら頭を下げている。
 どうやら上司に叱責されているようだ。我慢して出世しても上司に叱られ、さらに出世しても、さらなる上司にこき使われる。
 二日目にして、ほとほと嫌になった。あの世なんて、ろくなものじゃない。

 いまはツバメの季節。ハエの魂を集めるには、ツバメの後を追いかけるのが一番だ。
 空を飛びながら、ふと、ビルの屋上を見ると、いまにも柵を乗り越えようとするサラリーマンがいた。
 手すりに革靴がかかっている。
「自殺なんてろくなもんじゃない。生きている方が何倍もマシだぜ」
 声をかけるが、もちろんあの世の言葉は届かない。
 サラリーマンに気を取られた隙に、袋からハエの魂が逃げ出した。慌てて手を伸ばしたが、ハエは指の間をすり抜けて、サラリーマンの鼻に止まる。
 その瞬間、サラリーマンが何かを感じたのか手でハエを払う動作をした。その反動で彼はバランスを崩し、背中側にひっくり返る。
 彼がむき出しのコンクリートの床に転がった。空は快晴で、雲ひとつない。彼は急に笑い出した。自殺がバカらしくなったのかもしれない。
 こんな自分でも、できることがあるじゃないか。
 自分は、この仕事を頑張ろうと思った。

―――――

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