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【書評】倉知淳『夜届く~猫丸先輩の推測~』 [書評]

神出鬼没のアルバイター、猫丸先輩シリーズの1冊です。


夜届く (猫丸先輩の推測) (創元推理文庫)

夜届く (猫丸先輩の推測) (創元推理文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 文庫



収録されているのは6編で、いずれも日常の謎を取り扱っています。
『夜届く』は真夜中に謎の電報が届く謎を猫丸先輩が解き明かします。アガサクリスティ的な感じ(超個人的な分類ですが)。
『桜の森の七分咲きの下』は花見の場所取りを命令された新入社員に、次から次へとその場所を狙うなぞの人物が現れます。これは”場所”の目的の転換です。
『失踪当時の肉球は』は、妙にハードボイルドな時代遅れの探偵が、家出した猫の捜索を依頼されますが、依頼主が突如として”見つかった”として取り下げます。これはオチを活かすためにキャラを工夫した作品です。
『わたしと真夏のスパイ』は商店街の夏祭りで妙ないたずらが頻発します。ライバル店の嫌がらせかと思わせといて、最後に微妙な奇妙なさを収斂させる技術が見事です。
『カラスの動物園』は動物園で置き引きが発生しますが、盗まれた金が見つかりません。そして捕まった犯人は開き直ります。見えているのに心理的に見えない扉がキーです。
『クリスマスの猫丸』は次から次へと一方向へ走っていくサンタの謎です。これも心理的に見えているのに見えていないがキーで、これにコスチュームの特性を生かしています。
基本的にパズルを楽しむ作品なので、細かいところをつっこんではいけません。

猫丸先輩シリーズを楽しみたいひとのために!
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