【書評】阿川弘之『山本五十六』 [書評]
開戦時の連合艦隊司令長官、山本五十六の評伝です。
本書では山本五十六の年譜をたどるだけでなく、良い面、悪い面も作者らしい冷静な目で描いていきます。
三国同盟や日米開戦に猛反対し暗殺の危機にあったこと同時に、郷土への偏愛や女性関係についても率直に描いています。特に女性関係については詳細です。作者は愛人の存在を非難するわけでも擁護するわけでもなく、ただ、事実は事実として記しています。
執筆当時はまだ関係者が多数生存しており、かつ戦後二十年が経過していままで秘匿されていた資料が表に出てきた絶妙な時期でした。
本書はいまでは聞くことのできない貴重な証言録にもなっています。
山本五十六は軍政家としては超一流だが作戦指導はいまひとつ、というのが概ねの評価のようです。
軍政家として存分に腕を振るう場が得られず、将来を見通した卓見が採用されなかったのは、その後の日本の歩みを見ると残念でなりません。
人間山本五十六を知る上で、必読とも言える本だと思います。
本書では山本五十六の年譜をたどるだけでなく、良い面、悪い面も作者らしい冷静な目で描いていきます。
三国同盟や日米開戦に猛反対し暗殺の危機にあったこと同時に、郷土への偏愛や女性関係についても率直に描いています。特に女性関係については詳細です。作者は愛人の存在を非難するわけでも擁護するわけでもなく、ただ、事実は事実として記しています。
執筆当時はまだ関係者が多数生存しており、かつ戦後二十年が経過していままで秘匿されていた資料が表に出てきた絶妙な時期でした。
本書はいまでは聞くことのできない貴重な証言録にもなっています。
山本五十六は軍政家としては超一流だが作戦指導はいまひとつ、というのが概ねの評価のようです。
軍政家として存分に腕を振るう場が得られず、将来を見通した卓見が採用されなかったのは、その後の日本の歩みを見ると残念でなりません。
人間山本五十六を知る上で、必読とも言える本だと思います。
nice!有難うございます。この書は、私も大学生のとき読みました。山本が大の賭け好き、性欲旺盛、ということからすると、大酒のみだったのですかね。そう言った記述は記憶にありませんが。ご教示いただければ幸いです。
by 浦川愼二 (2021-05-16 17:00)