第37期竜王戦第5局(藤井聡太竜王VS佐々木勇気八段) [将棋]
藤井竜王の2勝2敗で迎えた第5局です。
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
竜王戦第4局では、記録掛が遅刻するというタイトル戦らしからぬ珍事が発生しています。
この遅刻した記録掛ですが、奨励会三段で27歳なので年齢制限にかかっています。棋士にになるまで髪の毛を切らない願掛けをしているそうですが、ものすごい長髪になっています。
またエアコン設定21度に耐えられず、毛布を被って顔だけ出しているシーンも話題になっています。
これだけ話題になる記録掛りも珍しいかもしれません。
遅刻したのも、負け越したら奨励会退会という厳しい戦いを日々が続いているので、記録掛前日も将棋の勉強で心身ともに疲れている……のだと想像しますが、どうでしょうか。
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241126-SYT8T6034149/
ということで将棋です。
戦型は後手佐々木勇八段が角換わりを拒否して雁木となりました。
この雁木には7七角、8八銀型で仕掛けるのが有効とされています。藤井竜王は前例のある仕掛けから、一転して自陣整備に入ります。
佐々木勇八段は歩で飛車筋を抑えてから、生角を馬に成りかえります。
歩損+馬と歩得+生角という形ですが、お互いに主張があるように見えて、評価値的にはすでにかなり先手に傾いています。
その後、藤井竜王は模様の良さを桂得の実利に変換し、と金を作って右辺を制圧します。
すると今度は逆側です。
佐々木勇八段が先手陣を攻めている側でしたが、飛車がするりと抜け出して中段に居座り、さらに右から桂打と包囲網がさらに狭まったところで佐々木勇八段が投了しました。
藤井竜王の完勝譜だと思います。
竜王戦第6局は、12月11、12の両日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で行われます!
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
竜王戦第4局では、記録掛が遅刻するというタイトル戦らしからぬ珍事が発生しています。
この遅刻した記録掛ですが、奨励会三段で27歳なので年齢制限にかかっています。棋士にになるまで髪の毛を切らない願掛けをしているそうですが、ものすごい長髪になっています。
またエアコン設定21度に耐えられず、毛布を被って顔だけ出しているシーンも話題になっています。
これだけ話題になる記録掛りも珍しいかもしれません。
遅刻したのも、負け越したら奨励会退会という厳しい戦いを日々が続いているので、記録掛前日も将棋の勉強で心身ともに疲れている……のだと想像しますが、どうでしょうか。
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241126-SYT8T6034149/
ということで将棋です。
戦型は後手佐々木勇八段が角換わりを拒否して雁木となりました。
この雁木には7七角、8八銀型で仕掛けるのが有効とされています。藤井竜王は前例のある仕掛けから、一転して自陣整備に入ります。
佐々木勇八段は歩で飛車筋を抑えてから、生角を馬に成りかえります。
歩損+馬と歩得+生角という形ですが、お互いに主張があるように見えて、評価値的にはすでにかなり先手に傾いています。
その後、藤井竜王は模様の良さを桂得の実利に変換し、と金を作って右辺を制圧します。
すると今度は逆側です。
佐々木勇八段が先手陣を攻めている側でしたが、飛車がするりと抜け出して中段に居座り、さらに右から桂打と包囲網がさらに狭まったところで佐々木勇八段が投了しました。
藤井竜王の完勝譜だと思います。
竜王戦第6局は、12月11、12の両日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で行われます!
第83期順位戦【中盤戦】 [将棋]
※◎○▲は開幕前の予想です。
[A級]◎永瀬拓矢 ○豊島将之 ▲佐々木勇気
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2024/83a/index.html
全勝も全敗もいない混戦模様。
ただ順位がよく調子も悪くない永瀬九段が最右翼です。佐藤天九段、佐々木勇八段がどこまで永瀬九段に食いつけるかどうかでしょうか。
残留争いでは、4連敗中だった菅井竜也八段、稲葉陽八段がそろって勝利してほっとひと息です。
1勝4敗の3人は順位が比較的良いため、2勝3敗を含めた5人の争いとなりそうです。
[B級1組] ◎近藤誠也 ○斎藤慎太郎 ▲羽生善治
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2024/83b1/index.html
1敗の糸谷哲郎八段、近藤誠也七段が星2つリード。残り4~5戦なので当確に近い状態です。とはいえB級1組は実力伯仲なので、連敗したらまだまだ分かりません。
3番手に大ベテランの元会長佐藤康光九段が奮闘中です。
残留争いでは1勝6敗の山崎隆之八段が大ピンチ。さらに3勝5敗の広瀬章人九段、羽生善治九段もかなり危ないです。
ここ2戦がふんばりどころです。
[B級2組] ◎伊藤匠 ○服部慎一郎 ▲郷田真隆
6回戦まで終了。
服部慎一郎六段が唯一の6連勝。1敗しても昇級圏とかなり有利です。1敗勢だと青嶋未来六段が順位4位なので、1敗しても昇級圏とこちらもかなり有利です。
伊藤匠叡王は1敗ながら順位が悪いのであと1敗すると怪しくなります。
ベテラン勢だと丸山忠久九段4勝2敗と好位置です。
[C級1組]◎藤本渚 ○斎藤明日斗 ▲出口若武
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2024/83c1/index.html
6回戦まで終了。
斎藤明日斗五段が唯一の6連勝。順位も良く、かなり有利ですが、2敗勢に順位の良い棋士がたくさんいるので、ここからの1勝が大きいです。
大ベテランの井上慶太九段が2敗勢に加わっています。大健闘です。
降級点持ちだと、金井恒太六段が6連敗とかなり苦しい状況です。
[C級2組]◎本田奎 ○八代弥 ▲佐々木大地
6回戦まで終了。
全勝はなく、5勝1敗で10人が並ぶ大混戦です。人気棋士の山本博志五段もその中にいますが、順位が悪いのと最終戦に佐々木大地七段戦が控えているのがネックでしょうか。
各種棋戦で活躍している八代弥七段も5勝1敗ですが、昇級を争う梶浦宏孝七段戦、髙野智史六段戦が控えています。特に次戦の梶浦七段戦が注目です。
[A級]◎永瀬拓矢 ○豊島将之 ▲佐々木勇気
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2024/83a/index.html
全勝も全敗もいない混戦模様。
ただ順位がよく調子も悪くない永瀬九段が最右翼です。佐藤天九段、佐々木勇八段がどこまで永瀬九段に食いつけるかどうかでしょうか。
残留争いでは、4連敗中だった菅井竜也八段、稲葉陽八段がそろって勝利してほっとひと息です。
1勝4敗の3人は順位が比較的良いため、2勝3敗を含めた5人の争いとなりそうです。
[B級1組] ◎近藤誠也 ○斎藤慎太郎 ▲羽生善治
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2024/83b1/index.html
1敗の糸谷哲郎八段、近藤誠也七段が星2つリード。残り4~5戦なので当確に近い状態です。とはいえB級1組は実力伯仲なので、連敗したらまだまだ分かりません。
3番手に大ベテランの元会長佐藤康光九段が奮闘中です。
残留争いでは1勝6敗の山崎隆之八段が大ピンチ。さらに3勝5敗の広瀬章人九段、羽生善治九段もかなり危ないです。
ここ2戦がふんばりどころです。
[B級2組] ◎伊藤匠 ○服部慎一郎 ▲郷田真隆
6回戦まで終了。
服部慎一郎六段が唯一の6連勝。1敗しても昇級圏とかなり有利です。1敗勢だと青嶋未来六段が順位4位なので、1敗しても昇級圏とこちらもかなり有利です。
伊藤匠叡王は1敗ながら順位が悪いのであと1敗すると怪しくなります。
ベテラン勢だと丸山忠久九段4勝2敗と好位置です。
[C級1組]◎藤本渚 ○斎藤明日斗 ▲出口若武
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2024/83c1/index.html
6回戦まで終了。
斎藤明日斗五段が唯一の6連勝。順位も良く、かなり有利ですが、2敗勢に順位の良い棋士がたくさんいるので、ここからの1勝が大きいです。
大ベテランの井上慶太九段が2敗勢に加わっています。大健闘です。
降級点持ちだと、金井恒太六段が6連敗とかなり苦しい状況です。
[C級2組]◎本田奎 ○八代弥 ▲佐々木大地
6回戦まで終了。
全勝はなく、5勝1敗で10人が並ぶ大混戦です。人気棋士の山本博志五段もその中にいますが、順位が悪いのと最終戦に佐々木大地七段戦が控えているのがネックでしょうか。
各種棋戦で活躍している八代弥七段も5勝1敗ですが、昇級を争う梶浦宏孝七段戦、髙野智史六段戦が控えています。特に次戦の梶浦七段戦が注目です。
第45回日本将棋シリーズJT杯決勝(渡辺明九段VS広瀬章人九段) [将棋]
広瀬九段が初優勝を目指します。
〔主催者HP〕
https://www.jti.co.jp/culture/shogi/professional/index.html
広瀬九段は今期は対局数1位タイで、しかもまだ11月なのに作年の対局数を超えています。
それだけ絶好調なのかといわれると、22勝15敗でそれなりに勝ち越しているものの絶好調というわけではありません。
ただ竜王戦は挑戦者決定3番勝負まで勝ちすすみ、王将戦リーグ入りするなどある程度まで勝ち進んでいることの積み重ねという感じがします。
JT杯でも藤井竜王に勝利しての決勝進出です。
さあ広瀬九段はJT杯初優勝を飾ることができたでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/jt/kifu/45/jt202411240101.html
ということで将棋です。
後手渡辺九段が角換わりを拒否したことで雁木風となります。
そこから角交換となり後手右玉、先手矢倉の手将棋となります。
右玉はいつ自らの玉頭で戦いを起すかです。渡辺九段は左側の桂馬を捌いたタイミングで動きます。
先手玉を薄くしてからあえて先手に飛車を成らす3三金が明るい手でした。
手順に金を中央に寄せていき、先手の角を質駒の状態にさせます。
決め手はあっさりの飛車切で、飛車を捨てても玉頭を厚くして、失った駒はすぐに補充が効くことから踏み込んでいきます。
本局は渡辺九段のいいところばかりが目立ち、106手までの完勝です。
これでJT杯5回目の優勝と成りました。
渡辺九段おめでとうございます!
〔主催者HP〕
https://www.jti.co.jp/culture/shogi/professional/index.html
広瀬九段は今期は対局数1位タイで、しかもまだ11月なのに作年の対局数を超えています。
それだけ絶好調なのかといわれると、22勝15敗でそれなりに勝ち越しているものの絶好調というわけではありません。
ただ竜王戦は挑戦者決定3番勝負まで勝ちすすみ、王将戦リーグ入りするなどある程度まで勝ち進んでいることの積み重ねという感じがします。
JT杯でも藤井竜王に勝利しての決勝進出です。
さあ広瀬九段はJT杯初優勝を飾ることができたでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/jt/kifu/45/jt202411240101.html
ということで将棋です。
後手渡辺九段が角換わりを拒否したことで雁木風となります。
そこから角交換となり後手右玉、先手矢倉の手将棋となります。
右玉はいつ自らの玉頭で戦いを起すかです。渡辺九段は左側の桂馬を捌いたタイミングで動きます。
先手玉を薄くしてからあえて先手に飛車を成らす3三金が明るい手でした。
手順に金を中央に寄せていき、先手の角を質駒の状態にさせます。
決め手はあっさりの飛車切で、飛車を捨てても玉頭を厚くして、失った駒はすぐに補充が効くことから踏み込んでいきます。
本局は渡辺九段のいいところばかりが目立ち、106手までの完勝です。
これでJT杯5回目の優勝と成りました。
渡辺九段おめでとうございます!
第37期竜王戦第4局(藤井聡太竜王VS佐々木勇気八段) [将棋]
藤井竜王の2勝1敗で迎えた第4局です。
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
佐々木勇気八段といえば天然キャラですが、「餅・力うどん伝説(段は当時)」なる話があります。
2014年度
・2/03(火) 佐々木勇気五段が力うどんに餅を入れ、「餅の重ね打ちは指し過ぎではないか」と話題に
2016年度
・6/03(金) 三浦弘行九段が肉豆腐定食に餅を入れる三浦新手。
・6/07(月) 佐々木勇気五段が三浦新手を採用。
・6/13(月) 佐々木勇気五段がニコ生で「力うどんに餅を追加したのは、力うどんに餅が入っているのを知らなかったため。」と真相を語る。
・2/03(金) 佐々木勇気五段が「みろく庵」のおでん定食のごはんを抜いて 餅追加する佐々木新手。
2017年度
・7/02(日) 佐々木勇気六段が対藤井聡四段戦で肉豆腐定食に餅を採用し、全国ニュースとなる
「力うどんに餅を追加」はあまりにも奇想天外な新手ですが、その理由が「力うどんに餅が入っているのを知らなかったため」というのは予想の斜め上を突き抜けています。
また竜王戦第1局では昼食で2品を頼むというこれまた豪快な技を繰り出しています。
毎回の食事に注目があつまる佐々木勇気八段ですが、本局ではどのような昼食を選ぶのでしょうか!
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241114-SYT8T5999945/
ということで将棋です。
先手は佐々木八段で、戦型は角換わりとなりました。最近の後手番は右玉が流行中ですが、藤井竜王の選択は早繰り銀でした。
佐々木八段は二度目の角交換から香車を捨てて入手した歩で桂頭を攻めます。
桂馬を取り切るまでは香損ですが、先手が一方的に攻める展開となり、実戦的に勝ちやすそうです。
お互いに居玉のまま激しい戦いとなりますが、歩が2つぶつかった状態からさらに歩をぶつける2四歩が秘孔の一手でした。
飛車は取られるもののそれは想定内。飛車を取らせている間に後手玉を寄せに行き、97手まで持ち時間を2時間以上残す完勝です。
藤井竜王相手にこれだけ完勝するのは実に珍しいと思います。
竜王戦第5局は11月27、28日に和歌山県和歌山市の和歌山城ホールで行われます!
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
佐々木勇気八段といえば天然キャラですが、「餅・力うどん伝説(段は当時)」なる話があります。
2014年度
・2/03(火) 佐々木勇気五段が力うどんに餅を入れ、「餅の重ね打ちは指し過ぎではないか」と話題に
2016年度
・6/03(金) 三浦弘行九段が肉豆腐定食に餅を入れる三浦新手。
・6/07(月) 佐々木勇気五段が三浦新手を採用。
・6/13(月) 佐々木勇気五段がニコ生で「力うどんに餅を追加したのは、力うどんに餅が入っているのを知らなかったため。」と真相を語る。
・2/03(金) 佐々木勇気五段が「みろく庵」のおでん定食のごはんを抜いて 餅追加する佐々木新手。
2017年度
・7/02(日) 佐々木勇気六段が対藤井聡四段戦で肉豆腐定食に餅を採用し、全国ニュースとなる
「力うどんに餅を追加」はあまりにも奇想天外な新手ですが、その理由が「力うどんに餅が入っているのを知らなかったため」というのは予想の斜め上を突き抜けています。
また竜王戦第1局では昼食で2品を頼むというこれまた豪快な技を繰り出しています。
毎回の食事に注目があつまる佐々木勇気八段ですが、本局ではどのような昼食を選ぶのでしょうか!
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241114-SYT8T5999945/
ということで将棋です。
先手は佐々木八段で、戦型は角換わりとなりました。最近の後手番は右玉が流行中ですが、藤井竜王の選択は早繰り銀でした。
佐々木八段は二度目の角交換から香車を捨てて入手した歩で桂頭を攻めます。
桂馬を取り切るまでは香損ですが、先手が一方的に攻める展開となり、実戦的に勝ちやすそうです。
お互いに居玉のまま激しい戦いとなりますが、歩が2つぶつかった状態からさらに歩をぶつける2四歩が秘孔の一手でした。
飛車は取られるもののそれは想定内。飛車を取らせている間に後手玉を寄せに行き、97手まで持ち時間を2時間以上残す完勝です。
藤井竜王相手にこれだけ完勝するのは実に珍しいと思います。
竜王戦第5局は11月27、28日に和歌山県和歌山市の和歌山城ホールで行われます!
第37期竜王戦第3局(藤井聡太竜王VS佐々木勇気八段) [将棋]
藤井竜王の1勝1敗で迎えた第3局です。
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
佐々木勇気八段はスイス・ジュネーブ生まれです。海外生まれの棋士は珍しく、他では女流棋士の内山あや女流初段ぐらいでしょうか。ちなみに内山女流初段の出身地はイギリス・ベルファストです。
スイス・ジュネーブといえは国連機関が集中しているだけでなく、金融業が発達し、プライベートバンクの本店が多いことでも有名です。
その知名度は世界的ですが、人口としては20万人弱です。
wikiの有名な出身者として「佐々木勇気」の名前があるのは少し面白いです。
さあスイス出身棋士として、初タイトルに向けた白星を挙げたことはできたでしょうか!
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241024-SYT8T5931637/
ということで、将棋です。
佐々木勇八段は居飛車党ですが、このタイトル戦の大舞台でいきなりダイレクト向かい飛車を採用したのには驚かされました。
この戦型を予想したひとはだれもいないと思います。9筋を突き越すことができたので、温めていた作戦を決行したのかもしれません。
藤井竜王は地下鉄飛車で8筋から攻めるというネット将棋でよく見られる対抗策を採用します。
しかし佐々木勇八段の力強い金上がりが手厚く、やや先手苦戦になります。
ここまで順調でしたが、1手でいきなり暗転します。
藤井竜王のいかにも筋という5四歩を無視して8六桂と踏み込みますが、対する藤井竜王も5三歩成りと踏み込みます。
佐々木勇八段は読み筋とばかりに3五角と切り返しますが、藤井竜王が角を合わせた局面で佐々木勇八段の手が止まります。
ここで誤算に気が付いたようです。
苦しい長考から逆転の手を探しますが、藤井竜王は緩みません。自玉が危ない格好になっても、先に後手玉が詰むことを見越しています。
そのまま99手まで藤井竜王が押し切り、これで2勝1敗と白星をひとつリードしました。
竜王戦第4局は、11月15・16日(金・土)に大阪府茨木市「おにクル」で行われます!
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
佐々木勇気八段はスイス・ジュネーブ生まれです。海外生まれの棋士は珍しく、他では女流棋士の内山あや女流初段ぐらいでしょうか。ちなみに内山女流初段の出身地はイギリス・ベルファストです。
スイス・ジュネーブといえは国連機関が集中しているだけでなく、金融業が発達し、プライベートバンクの本店が多いことでも有名です。
その知名度は世界的ですが、人口としては20万人弱です。
wikiの有名な出身者として「佐々木勇気」の名前があるのは少し面白いです。
さあスイス出身棋士として、初タイトルに向けた白星を挙げたことはできたでしょうか!
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241024-SYT8T5931637/
ということで、将棋です。
佐々木勇八段は居飛車党ですが、このタイトル戦の大舞台でいきなりダイレクト向かい飛車を採用したのには驚かされました。
この戦型を予想したひとはだれもいないと思います。9筋を突き越すことができたので、温めていた作戦を決行したのかもしれません。
藤井竜王は地下鉄飛車で8筋から攻めるというネット将棋でよく見られる対抗策を採用します。
しかし佐々木勇八段の力強い金上がりが手厚く、やや先手苦戦になります。
ここまで順調でしたが、1手でいきなり暗転します。
藤井竜王のいかにも筋という5四歩を無視して8六桂と踏み込みますが、対する藤井竜王も5三歩成りと踏み込みます。
佐々木勇八段は読み筋とばかりに3五角と切り返しますが、藤井竜王が角を合わせた局面で佐々木勇八段の手が止まります。
ここで誤算に気が付いたようです。
苦しい長考から逆転の手を探しますが、藤井竜王は緩みません。自玉が危ない格好になっても、先に後手玉が詰むことを見越しています。
そのまま99手まで藤井竜王が押し切り、これで2勝1敗と白星をひとつリードしました。
竜王戦第4局は、11月15・16日(金・土)に大阪府茨木市「おにクル」で行われます!
第14期女流王座戦第1局(福間香奈女流王座VS西山朋佳女流三冠) [将棋]
3期ぶりの福間・西山による女流王座戦になります。
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/
西山女流三冠は、女流座戦を獲得したのは2期のみです。里見(現福間)香奈から奪った女流王座を、2年後に取り返されました。この間、3年連続して里見・西山戦でした。
ところがここ2年は、決勝まで進出するものの、決勝戦で加藤桃子に敗れて挑戦に届きませんでした。
今期は加藤女流四段が準決勝で香川女流四段に大逆転負けを食らったので、苦手な加藤桃子戦を回避できたのが大きかったかもしれません。
さあ女流王座戦としては3期ぶり、4度目の女流王座戦での激突の初戦はどうなったでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/14/joryu_ouza202410230101.html
ということで将棋です。
福間女流王座は体調不良による不戦敗が続いていただけに心配されましたが、まずは対局が始まったのでほっとしました。
先手は福間女流王座で指しなれた相振り飛車となります。
福間女流王座が8筋から攻めてくるのを見て、西山女流三冠はさっと右玉へと移動します。
西山女流三冠が使えていなかった8筋の銀を立て直したところで、福間女流王座が後手陣に襲い掛かります。
目立った長考をすることなく歩を突き捨て、5三歩が刺さった局面は実戦的に先手が勝ちやすそうです。
西山女流三冠は飛車の裏側から角を打って馬に成り代わりますが、福間女流王座は銀と飛車を取らせているうちに後手陣を崩壊させます。
西山女流三冠の強みは終盤力ですが、その終盤力を発揮させないまま押しきりました。福間女流王座の完勝だと思います。
福間女流王座が産休のため、第2局は来年2月下旬に大阪府高槻市「関西将棋会館」で行われる予定です!
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/
西山女流三冠は、女流座戦を獲得したのは2期のみです。里見(現福間)香奈から奪った女流王座を、2年後に取り返されました。この間、3年連続して里見・西山戦でした。
ところがここ2年は、決勝まで進出するものの、決勝戦で加藤桃子に敗れて挑戦に届きませんでした。
今期は加藤女流四段が準決勝で香川女流四段に大逆転負けを食らったので、苦手な加藤桃子戦を回避できたのが大きかったかもしれません。
さあ女流王座戦としては3期ぶり、4度目の女流王座戦での激突の初戦はどうなったでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/14/joryu_ouza202410230101.html
ということで将棋です。
福間女流王座は体調不良による不戦敗が続いていただけに心配されましたが、まずは対局が始まったのでほっとしました。
先手は福間女流王座で指しなれた相振り飛車となります。
福間女流王座が8筋から攻めてくるのを見て、西山女流三冠はさっと右玉へと移動します。
西山女流三冠が使えていなかった8筋の銀を立て直したところで、福間女流王座が後手陣に襲い掛かります。
目立った長考をすることなく歩を突き捨て、5三歩が刺さった局面は実戦的に先手が勝ちやすそうです。
西山女流三冠は飛車の裏側から角を打って馬に成り代わりますが、福間女流王座は銀と飛車を取らせているうちに後手陣を崩壊させます。
西山女流三冠の強みは終盤力ですが、その終盤力を発揮させないまま押しきりました。福間女流王座の完勝だと思います。
福間女流王座が産休のため、第2局は来年2月下旬に大阪府高槻市「関西将棋会館」で行われる予定です!
第55期新人王戦第2局(服部慎一郎六段VS高田明浩五段) [将棋]
服部六段はの先勝で迎えた第2局です。
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/shinjin/
高田五段は藤井竜王名人と同い年で、関西の名門・森信雄門下です。
岐阜県出身で、岐阜県出身の棋士は長沼洋八段以来の2人目だそうです。
女流だと山口姉妹が岐阜県出身です。
デビュー以来、どちらかというとビックマウスな印象があり、そこそこの成績をあげてきましたが突き抜ける、というレベルには至っていません。
ただ力戦派で形にとらわれない独特の将棋を指すので、これからいろいろな棋戦で活躍して欲しい棋士でもあります。
棋譜中継を見ると評価値はかなり上下するイメージがありますが、評価値では判断できない棋士だと思うので。
高田五段は棋戦初優勝のチャンスですが、このチャンスを生かすことはできたでしょうか!
〔棋譜〕
https://i2chmeijin.com/blog-entry-20533.html
ということで、将棋です。
将棋は角換わりとなり、後手服部六段は流行の6三金型の右玉です。後手は薄くて非常に難しい戦型だと思います。
間合いをはかりつづける手渡しが続きますが、ついに9筋から先手高田五段が仕掛けます。7~9筋は先手の駒が多いです。先手は9筋を突破しますが、服部六段は上手く立ち回って千日手模様に誘導します。
そこから先手高田五段が俄然と打開しますが、しかし9~8筋で駒が渋滞します。
さらに当たりになっている金にさらに桂馬で当てたのが悪手だったようで、評価値も一気に後手よりになります。玉周りの駒の数も逆転しています。
服部六段は取られそうな金を突進して先手の玉頭の歩を剥がすと、そこから一気に寄せていき、158手まで勝利。
連勝で見事に2度目の優勝を飾りました。
服部六段おめでとうございます!
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/shinjin/
高田五段は藤井竜王名人と同い年で、関西の名門・森信雄門下です。
岐阜県出身で、岐阜県出身の棋士は長沼洋八段以来の2人目だそうです。
女流だと山口姉妹が岐阜県出身です。
デビュー以来、どちらかというとビックマウスな印象があり、そこそこの成績をあげてきましたが突き抜ける、というレベルには至っていません。
ただ力戦派で形にとらわれない独特の将棋を指すので、これからいろいろな棋戦で活躍して欲しい棋士でもあります。
棋譜中継を見ると評価値はかなり上下するイメージがありますが、評価値では判断できない棋士だと思うので。
高田五段は棋戦初優勝のチャンスですが、このチャンスを生かすことはできたでしょうか!
〔棋譜〕
https://i2chmeijin.com/blog-entry-20533.html
ということで、将棋です。
将棋は角換わりとなり、後手服部六段は流行の6三金型の右玉です。後手は薄くて非常に難しい戦型だと思います。
間合いをはかりつづける手渡しが続きますが、ついに9筋から先手高田五段が仕掛けます。7~9筋は先手の駒が多いです。先手は9筋を突破しますが、服部六段は上手く立ち回って千日手模様に誘導します。
そこから先手高田五段が俄然と打開しますが、しかし9~8筋で駒が渋滞します。
さらに当たりになっている金にさらに桂馬で当てたのが悪手だったようで、評価値も一気に後手よりになります。玉周りの駒の数も逆転しています。
服部六段は取られそうな金を突進して先手の玉頭の歩を剥がすと、そこから一気に寄せていき、158手まで勝利。
連勝で見事に2度目の優勝を飾りました。
服部六段おめでとうございます!
第37期竜王戦第2局(藤井聡太竜王VS佐々木勇気八段) [将棋]
藤井竜王の先勝で迎えた第2局です。
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
藤井竜王は第37期竜王戦でタイトル戦26回目ですが、すでに2回も初タイトル戦となる相手との対戦があります。
1回目は第7期叡王戦の出口若武六段で、2回目が本タイトル戦の相手である佐々木勇気八段です。
羽生世代でよく言われるのが、「羽生善治の存在が同世代を引き上げた」との話です。
藤井竜王の同世代といえば伊藤匠叡王ですが、世代は多少違うにしても、佐々木勇気八段も藤井竜王の存在に刺激を受けて、引き上げられたのかなと思います。
さあ藤井竜王は、王者として佐々木八段の挑戦を跳ね返す勝利を挙げることはできたでしょうか!
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241018-SYT8T5908488/
ということで、将棋です。
先手佐々木勇八段の作戦は矢倉でした。少し意外な印象がありますが、最近はプロ棋界で採用が増えている印象があります。近藤誠也七段、石井健太郎七段の採用が目立ちます。
そして佐々木勇八段は少し時間を使いながら右玉へと組みます。
おそらくは用意の作戦かと思いますが、事前に想定していた展開からは外れていると思われます。
現代矢倉らしく、お互いに堅く囲うことなく乱戦気味に進みます。
藤井竜王は2日目開始早々に8六角と強く出ますが、その裏をつく佐々木勇八段の6四歩打ちがクリーンヒットします。
藤井竜王は駒損することなくと金を作りますが、6四歩の拠点と直後の5五桂の反撃が厳しかったです。
お互いの玉頭で戦いとなりますが、居玉と4筋という1路の差も大きかったかもしれません。
藤井竜王は勝負と迫りますが、最後まで強気の指し手を続けた佐々木勇八段の完勝となりました。
これで竜王戦は1勝1敗の五分です。
第3局は25、26の両日、京都市の「総本山 仁和寺」で行われます!
〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
藤井竜王は第37期竜王戦でタイトル戦26回目ですが、すでに2回も初タイトル戦となる相手との対戦があります。
1回目は第7期叡王戦の出口若武六段で、2回目が本タイトル戦の相手である佐々木勇気八段です。
羽生世代でよく言われるのが、「羽生善治の存在が同世代を引き上げた」との話です。
藤井竜王の同世代といえば伊藤匠叡王ですが、世代は多少違うにしても、佐々木勇気八段も藤井竜王の存在に刺激を受けて、引き上げられたのかなと思います。
さあ藤井竜王は、王者として佐々木八段の挑戦を跳ね返す勝利を挙げることはできたでしょうか!
〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/kifu/20241018-SYT8T5908488/
ということで、将棋です。
先手佐々木勇八段の作戦は矢倉でした。少し意外な印象がありますが、最近はプロ棋界で採用が増えている印象があります。近藤誠也七段、石井健太郎七段の採用が目立ちます。
そして佐々木勇八段は少し時間を使いながら右玉へと組みます。
おそらくは用意の作戦かと思いますが、事前に想定していた展開からは外れていると思われます。
現代矢倉らしく、お互いに堅く囲うことなく乱戦気味に進みます。
藤井竜王は2日目開始早々に8六角と強く出ますが、その裏をつく佐々木勇八段の6四歩打ちがクリーンヒットします。
藤井竜王は駒損することなくと金を作りますが、6四歩の拠点と直後の5五桂の反撃が厳しかったです。
お互いの玉頭で戦いとなりますが、居玉と4筋という1路の差も大きかったかもしれません。
藤井竜王は勝負と迫りますが、最後まで強気の指し手を続けた佐々木勇八段の完勝となりました。
これで竜王戦は1勝1敗の五分です。
第3局は25、26の両日、京都市の「総本山 仁和寺」で行われます!
第14期加古川清流戦第2局(岡部玲央四段VS上野裕寿四段) [将棋]
上野四段の先勝で迎えた第2局です。
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/
岡部玲央四段はabemaTVトーナメントで指名されるぐらいなので、その実力は高く評価されていると思います。
5年間の三段生活での苦労を爆発させたかのように、第64期王位戦ではB級1組の棋士を2名、A級棋士を1名破って王位戦リーグ入りを果たしています。
リーグ残留こそ果たせなかったものの、岡部玲央四段の強さを十分にアピールしたと思います。
いま将棋界に玲央は3人います。
岡部玲央四段、黒沢玲央六段、小山玲央四段の3人です。
いまは岡部玲央四段と黒沢玲央六段がC級2組、小山四段が来季からC級2組となりまだまだクラスは下ですが、それぞれ才能のある棋士なので、玲央が同時昇級という可能性もあると思います。
さあ、岡部玲央四段は、棋戦初優勝に向けた白星を挙げることはできたでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/14/seiryu202410140101.html
ということで、将棋です。
先手上野四段の選択は矢倉です。矢倉は組みあがるまで時間がかかるため、後手の急戦策により駆逐されましたが、最近はときおり採用する棋士が見られます。
とはいえ、昔のような矢倉に組み合ってという将棋ではありません。後手岡部四段は中住まいですし、先手上野四段は矢倉は組んでも8八に入城しません。
後手の玉頭である中央で戦いが始まりますが、大駒の働きの差で後手が押し気味になります。そこから両取りが決まり後手優勢に。
上野四段は苦しい局面ですが、ただ、マジックというか、実戦的に混戦に導く逆転術が光ります。
5六角の王手飛車取りに、6七銀と弾くのが罠でした。
お互いに秒読みですし、思わず角を切って飛車を成りこんで優勢と思いたくなります。
しかし、評価値的にはこの手で後手のリードが無くなります。
一間龍の形でいかにも寄りそうですが、飛車で成り銀を取られると、思ったより寄りません。むしろ先手に駒をたくさん与えたため、急に後手玉がピンチになりました。
まさに将棋は逆転のゲームです。
苦戦の将棋をひっくり返すことに成功した上野四段は、145手まで押しきり、見事2連勝で加古川清流戦初優勝を決めました。
上野四段おめでとうございます!
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/
岡部玲央四段はabemaTVトーナメントで指名されるぐらいなので、その実力は高く評価されていると思います。
5年間の三段生活での苦労を爆発させたかのように、第64期王位戦ではB級1組の棋士を2名、A級棋士を1名破って王位戦リーグ入りを果たしています。
リーグ残留こそ果たせなかったものの、岡部玲央四段の強さを十分にアピールしたと思います。
いま将棋界に玲央は3人います。
岡部玲央四段、黒沢玲央六段、小山玲央四段の3人です。
いまは岡部玲央四段と黒沢玲央六段がC級2組、小山四段が来季からC級2組となりまだまだクラスは下ですが、それぞれ才能のある棋士なので、玲央が同時昇級という可能性もあると思います。
さあ、岡部玲央四段は、棋戦初優勝に向けた白星を挙げることはできたでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/14/seiryu202410140101.html
ということで、将棋です。
先手上野四段の選択は矢倉です。矢倉は組みあがるまで時間がかかるため、後手の急戦策により駆逐されましたが、最近はときおり採用する棋士が見られます。
とはいえ、昔のような矢倉に組み合ってという将棋ではありません。後手岡部四段は中住まいですし、先手上野四段は矢倉は組んでも8八に入城しません。
後手の玉頭である中央で戦いが始まりますが、大駒の働きの差で後手が押し気味になります。そこから両取りが決まり後手優勢に。
上野四段は苦しい局面ですが、ただ、マジックというか、実戦的に混戦に導く逆転術が光ります。
5六角の王手飛車取りに、6七銀と弾くのが罠でした。
お互いに秒読みですし、思わず角を切って飛車を成りこんで優勢と思いたくなります。
しかし、評価値的にはこの手で後手のリードが無くなります。
一間龍の形でいかにも寄りそうですが、飛車で成り銀を取られると、思ったより寄りません。むしろ先手に駒をたくさん与えたため、急に後手玉がピンチになりました。
まさに将棋は逆転のゲームです。
苦戦の将棋をひっくり返すことに成功した上野四段は、145手まで押しきり、見事2連勝で加古川清流戦初優勝を決めました。
上野四段おめでとうございます!
第14期加古川清流戦第1局(岡部玲央四段VS上野裕寿四段) [将棋]
快進撃を続けた三段を準決勝で破った四段同士の決勝となりました。
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/
将棋の駒の町が山形県天童市なら、将棋の棋士の町は兵庫県加古川市です。
人口26万人の大きくない市に、出身及び在住の棋士が、神吉宏充七段(引退)を嚆矢として、久保利明九段、井上慶太九段、稲葉陽八段、船江恒平六段、横山友紀四段と続々と棋士が誕生しています。
そして一番新しい棋士が、加古川市出身・在住の上野裕寿四段です。
その上野四段は加古川市による棋戦、加古川清流戦で決勝戦まで勝ち上がりました。
加古川出身の棋士の優勝としては、第1期の船江恒平がいます。加古川在住としては第5期に稲葉陽八段の実兄の稲葉聡アマの優勝があります。
さあ上野四段は、加古川出身・在住の棋士として、二人に続くことはできたでしょうか!
〔棋譜・千日手〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/14/seiryu202410130101.html
〔棋譜・指し直し〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/14/seiryu202410130102.html
ということで、将棋です。
千日手指しなおしとなり、2局目は1局目と同じく角換わりとなりました。
先後の違いはありますが、岡部四段が腰掛銀、上野四段が早繰り銀というのも同じです。お互いに得意の形なのかもしれません。
第1局目で持ち時間を使い切っておりいきなり秒読みなので、2局目も慣れた形で、という阿吽の呼吸なのかもしれません。
先手上野四段から仕掛けますが、すぐに後手岡部四段が反撃します。
上野四段は桂得を果たしますが、岡部四段が実戦的に先手玉に食いついて薄くして、馬も好位置をキープをします。
さらに銀を取り返して駒得になり、後手優勢がはっきりします。
岡部四段の攻めは止まらず、桂馬で金を剥がして絶好調。さらに飛車取りを無視して馬を進入させますが、さすがにここは指しすぎだったようです。
飛車を見捨てた以上は一気に寄せ切らないといけませんが、岡部四段が重しの銀を配置したところで上野四段の反撃開始。
飛車を横に配置して縦横から十字に攻める形となり、125手まで見事な逆転勝利です。
第2局は明日10時から、本局と同じく兵庫県加古川市「刀田山 鶴林寺」で行われます!
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/
将棋の駒の町が山形県天童市なら、将棋の棋士の町は兵庫県加古川市です。
人口26万人の大きくない市に、出身及び在住の棋士が、神吉宏充七段(引退)を嚆矢として、久保利明九段、井上慶太九段、稲葉陽八段、船江恒平六段、横山友紀四段と続々と棋士が誕生しています。
そして一番新しい棋士が、加古川市出身・在住の上野裕寿四段です。
その上野四段は加古川市による棋戦、加古川清流戦で決勝戦まで勝ち上がりました。
加古川出身の棋士の優勝としては、第1期の船江恒平がいます。加古川在住としては第5期に稲葉陽八段の実兄の稲葉聡アマの優勝があります。
さあ上野四段は、加古川出身・在住の棋士として、二人に続くことはできたでしょうか!
〔棋譜・千日手〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/14/seiryu202410130101.html
〔棋譜・指し直し〕
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/14/seiryu202410130102.html
ということで、将棋です。
千日手指しなおしとなり、2局目は1局目と同じく角換わりとなりました。
先後の違いはありますが、岡部四段が腰掛銀、上野四段が早繰り銀というのも同じです。お互いに得意の形なのかもしれません。
第1局目で持ち時間を使い切っておりいきなり秒読みなので、2局目も慣れた形で、という阿吽の呼吸なのかもしれません。
先手上野四段から仕掛けますが、すぐに後手岡部四段が反撃します。
上野四段は桂得を果たしますが、岡部四段が実戦的に先手玉に食いついて薄くして、馬も好位置をキープをします。
さらに銀を取り返して駒得になり、後手優勢がはっきりします。
岡部四段の攻めは止まらず、桂馬で金を剥がして絶好調。さらに飛車取りを無視して馬を進入させますが、さすがにここは指しすぎだったようです。
飛車を見捨てた以上は一気に寄せ切らないといけませんが、岡部四段が重しの銀を配置したところで上野四段の反撃開始。
飛車を横に配置して縦横から十字に攻める形となり、125手まで見事な逆転勝利です。
第2局は明日10時から、本局と同じく兵庫県加古川市「刀田山 鶴林寺」で行われます!