SSブログ

第14期女流王座戦挑戦者決定戦(西山朋佳女流三冠VS香川愛生女流四段) [将棋]

香川女流四段が久しぶりのタイトル挑戦を目指します。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

香川女流四段のタイトルは女流王将戦の2期です。
2015年にタイトルを失陥してからは、2023年に女流王将戦の挑戦者になったのみです。
現在の女流棋界は2強の壁が厚く、その前には加藤桃子女流四段、伊藤沙恵女流四段が控えている上に、下からの世代の突き上げもあります。
こうした厳しい状況の中で、タイトル挑戦者決定戦まで進出したのはさすがの実力だと思います。現に準決勝では加藤女流四段相手に劣勢の将棋を逆転しました。
香川女流四段は、Youtubeだけでなく、バラエティ番組やさらに社長業までこなすマルチ女流棋士です。
さあ、香川女流四段は、ファンたちによい結果報告をすることができたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/14/joryu_ouza202409060101.html

ということで将棋です。
先手は香川女流四段ですが、相手が純粋振り飛車党ということもあるのか、居飛車を選択して対抗形になります。
西山女流三冠は美濃囲いの低い陣形にかまえてますが、香川女流四段は船囲いから立体的に囲う構想を見せます。
しかし、陣形整備が遅れている懸念はあります。
西山女流三冠が飛車を2筋に振りなおしたのに、香川女流四段は角を避けることなく、2筋に居座らさせます。
さすがに苦しさは否めず、少しぐらいの駒得ではとても追いつきません。
中盤から終盤にかけては西山女流三冠がぐいぐい攻めて、80手までの短手数にて快勝。持ち時間3時間の棋戦で、お互いに1時間20分ほど残すとうちょっと差のついた将棋となってしまいました。

これで西山女流三冠が女流王座戦への挑戦権を獲得です。
決定時点ではスケジュールは未発表ですが、いまから楽しみです!
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第72期王座戦王座戦第1局(藤井聡太王座VS永瀬拓矢九段) [将棋]

昨年度のリベンジマッチとなりました。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

昨年度の王座戦で永瀬王座(当時)は藤井七冠(当時)に1勝3敗で敗れて王座を失陥すると同時に藤井聡太に全冠制覇を許しました。
永瀬九段は王座戦4連覇中で、防衛すれば名誉王座の資格を取得できただけに、二重の意味で痛い失陥だと思います。
名誉王座の資格を得るのは王座戦5連覇か、王座通算10期という高いハードルがあります。
ただ前期の王座戦は、結果こそ1勝3敗でしたが、内容的には押している将棋が多かったです。
最終版における藤井七冠(当時)の鬼のような勝負手に、屈した印象です。
無敵と思われた藤井聡太も、叡王戦で伊藤匠に敗れて7冠に後退しています。永瀬九段も心中期するところがあると思います。
さあ昨年度のリベンジマッチとなった王座戦第1局はどうなったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/72/ouza202409040101.html

ということで、将棋です。
先手は永瀬九段となり、角換わりとなります。
しかし後手番の藤井王座は通常の3三銀ではなく3三金を選びます。早繰り銀と組合せて使われる形で、サザン早繰りとか言われていた記憶があります。
さらに藤井王座は単騎で銀を進出されて歩をかすめ取り、1歩得に成功。しかしかなりの手損で、その間に先手に馬を作られています。
いい勝負です。
評価値が大きく動いたのは84手目あたりからです。
藤井王座が歩の手筋で金銀を釣り上げてから拠点に銀を打ちこみ、同金に同歩かと思いきや、この瞬間に桂馬の王手を利かす。
ありとあらゆるところで駒がぶつかっている複雑な局面です。
藤井玉もかなり危なそうに見えますが、ギリギリのところで凌いでしいます。
お互いに秒読みの勝負となるなか、124手まで藤井王座が勝利。
まさに完全復活を匂わせるような、ギリギリのところ踏み込んで勝つ、藤井聡太らしい強い将棋だったと思います。

第2局は9月18日(水)に名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」で行われます!
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第83期順位戦【前半戦】 [将棋]

※◎○▲は開幕前の予想です。
[A級]◎永瀬拓矢 ○豊島将之 ▲佐々木勇気
まだ2~3回戦ですが、連勝は佐藤天彦九段、佐々木勇気八段、増田康宏八段の3人です。
連敗は豊島将之九段、3連敗が菅井竜也八段、稲葉陽八段です。
今期の調子から菅井八段と稲葉八段はすでに黄色信号という感じがします。

[B級1組] ◎近藤誠也 ○斎藤慎太郎 ▲羽生善治
4回戦まで終了して、全勝も全敗もいない混戦状態です。
A級から落ちたばかりの広瀬章人九段が1勝3敗と元気がないのが気にかかります。次節の山崎隆之八段戦に敗れると、順位1位とはいえ、少し首が寒くなってくるかもしれません。

[B級2組] ◎伊藤匠 ○服部慎一郎 ▲郷田真隆
3連勝が6人います。伊藤匠叡王、服部慎一郎六段、古賀悠聖六段という若手に混じって谷川浩司十七世名人、杉本昌隆八段の名前が目を引きます。
谷川十七世名人は伊藤叡王との対戦もあります。これは注目です。
3連敗は4人です。そこに木村一基九段と深浦康市九段の名前があるのが意外です。B級2組の残留争いをする棋士ではないとは思うのですが。

[C級1組]◎藤本渚 ○斎藤明日斗 ▲出口若武
3連勝が7人もいます。出口若武六段、斎藤明日斗五段、冨田誠也五段という若手に混じって井上慶太九段も3連勝しています。
新星の藤本渚五段は都成竜馬七段に敗れて1歩後退です。
降級点持ちの3連敗は3人です。北島忠雄七段は順位も悪い上に対戦相手も強いので、苦しいかもしれません。

[C級2組]◎本田奎 ○八代弥 ▲佐々木大地
3連勝が5人です。連続C2記録更新中のベテラン佐藤紳哉七段も3連勝と好ダッシュです。今期は順位も良いのでチャンスです。大ベテランの平藤眞吾七段。なお、佐々木大地七段はすでに1敗を喫しています。
降級点2点持ちの3連敗はいません。しかし上村亘五段と安用寺孝功七段が順位の関係で降級点圏内です。これからの奮起に期待です。
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第4期ヒューリック杯白玲戦第1局(西山朋佳白玲VS福間香奈女流五冠) [将棋]

西山白玲にとって、2回目の防衛戦になります。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/

対局直前に、福間女流五冠の妊娠が発表されました。
特例として椅子対局、和服非着用が認められたとのことです。ぜひとも母子の健康を最優先に活動して欲しいと思っています。
これを気に、タイトル保持者が妊娠した場合の対応について、”特例”で終わらせるのではなくルール整備をしてくれたらなあと思います。
囲碁界ではスーツ対局が主です。将棋界でも女流以外はスーツ着用の例があります。
服装のルールについて、なかなか難しいところがあります。
相撲からちょんまげをなくしたら人気を保てただろうかとか、将棋界から伝統を削っていったらいままで通りスポンサーがついてくれるのかどうかとか。
このあたりは、最終的にはファンの気持ちなのかなとも思っています。
伝統が将棋界を支えているひとつの柱になっているのかな、とも感じています。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/kifu/4/hakurei202408310101.html

ということで、将棋です。
先手は福間女流五冠で、いつものように相振り飛車になります。とはいえ福間女流五冠の主戦場は中飛車で、そこから居飛車に振り直すことも多いので、典型的な相振り飛車は少ないイメージです。
本局でも福間女流五冠は中飛車から袖飛車に振り直します。
ただ西山白玲が中央の位を取り返し、桂損ながら一方的に飛車を成り込む展開となっては後手成功です。
困ったときには端攻めで、福間女流五冠は後手陣の端に嫌味を付けながら窒息していた飛車を後手の龍との交換に成功し、さらに9四桂と打ち込みます。
ここまでくると逆転です。
以降も後手陣の急所を攻め立て、さらに4七金と盤石の受けで自陣の憂いを無くします。
しかし、西山白玲の粘り強い指し手に、福間女流五冠も手を焼きます。
時間切迫もあったか、6六馬と龍取り馬を引き付けて安全勝ちを目指したのかと思いきや、この瞬間に7七香とただ捨ての強手が飛んできます。
さらにただの場所に銀を打ち込まれ、手順に龍取りを外されてから手を戻されると、完全に再逆転です。
劇的な終盤だったと思います。

153手まで苦しみながらも西山白玲がまずは幸先の良い1勝を挙げました。
第2局は9月14日(土)に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われます!
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第65期王位戦第5局(藤井聡太王位VS渡辺明九段) [将棋]

藤井王位の3勝1敗で迎えた第5局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

将棋の棋戦スポンサーは叡王戦を除いて新聞社ですが、最近は特別協賛が増えています。
王位戦の特別協賛は伊藤園で、これは当社の看板商品「おーいお茶」の「おーい」と「王位」をかけたダジャレです。
実際王位戦の正式名称も「伊藤園おーいお茶王位戦」になっています。
伊藤園はスポンサーの新聞三社連合よりはるかに大きく、直近の事業年度で連結売上4,538億円、当期純利益156億の優良企業です。
今後も特別協賛を続けていただくためには、将棋界としても伊藤園のイメージアップに繋がるような対局を続けるのが大事なのかなと思います。
それと同時に発信力を強めて、将棋の勝敗以外にも報道されるようにするのも大事なのかなとも思います。
スポーツが勝敗以外のことに興味を持たれているように。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202408270101.html

ということで、将棋です。
後手渡辺九段の選択は雁木でした。対する藤井王位の対策は、いま流行の雁木対策、7七角・8八銀形からの棒銀です。
渡辺九段としても雁木を選択するからにはもちろん研究していると思います。しかし、21手目の3八飛車で想定を外れたのか、序盤早々に91分もの長考に沈みます。
受ける展開で持ち時間を削られるのは痛いですが、長考の甲斐もあり激しい展開ながら互角の局面が続きます。
評価値が動いたのは終盤になってからです。
渡辺九段は銀取りに対して金を貼り付けたのですが、AIによると玉を寄って飛車の打ち込みを消すのが急務だったようです。
渡辺九段は豊富な金銀を打ち付けて先手玉を隅まで追い詰めますが、小駒だけに足が遅いです。
藤井王位は左右挟撃形を築くと、7四桂馬を急所に桂馬を放ったところで渡辺九段は投了しました。
最後まで渡辺九段の玉は居玉のままであったことが、戦いの激しさを物語っていると思います。
金銀7枚を持った状態で投了というのも珍しいです。
これで藤井王位は4勝1敗となり王位防衛とともに永世王位資格を獲得しました。
永世位は棋聖に続いて2つめです。

藤井王位おめでとうございます!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第6期清麗戦第4局(福間香奈清麗VS加藤桃子女流四段) [将棋]

福間清麗の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/

将棋界において、最も棋力が高くなるのは二十代前半かと思います。
ただ駆け出しは1次予選からのスタートとなり、タイトル戦までなかなかたどりつけません。
各種棋戦で安定した成績を上げられる、棋士としてのピークは二十代後半から三十代半ばではないかと考えています。
ただこのあたりは棋士によっての差が激しく、羽生九段は長らくタイトルを保持しづつけましたし、大山康晴十五世名人のように死去するまでA級を維持する巨人もいます。
AI時代になって棋士のピークは前倒しになると言われていますが、将棋界ではまだ極端な前倒しは起こっていないように思います。
レーティング的には三十代がピークになっているように思います。
福間清麗も32歳となりましたが、棋力の衰えは見られません。
さあ本局でも加藤女流四段相手に強い将棋を見せることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/6/seirei202408200101.html

ということで将棋です。
後手福間清麗はいつものゴキゲン中飛車ですが、美濃囲いではなく7一銀、6二金の構えが珍しいです。
5三角成を防いだ手ですが、異筋なので、1時間以上の長考で決定です。
玉の囲いを1手ですますと、福間清麗は3筋から先手陣に襲い掛かります。
後手が指せそうな局面から加藤女流四段は評価値としては互角まで戻しますが、福間清麗の54手目5五歩がスマッシュヒットします。
福間清麗は飛車を見捨てて一直線に寄せに向かいます。先手玉を下段に落とすと、8八金と打って挟撃体制を築きます。
加藤女流四段は苦しい時間帯が続きます。
優勢から勝勢になってからの福間清麗は手堅かったです。
攻め駒は十分と判断したら玉の安全を重視して、逆転の目を丁寧に摘み取っていきます。
そのまま118手まで押しきり、これで3勝1敗で清麗を防衛すると同時に、通算5期で史上初のクイーン清麗の資格を獲得しました。

福間清麗おめでとうございます!
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第65期王位戦第4局(藤井聡太王位VS渡辺明九段) [将棋]

藤井王位の先2勝1敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

王位戦第4局の前夜祭で、子供記者から渡辺九段になかなかの質問が飛んできました。
その質問は「130万のPCは役に立っていますか?」です。
渡辺九段は爆笑です。子供たちはよく調べています。
渡辺九段の答えは「使っていない自分の成績と比べられないので分からない」というのが主旨です。
確かにその通りなのですが、ちょっと上手く交わしたのかな、と感じます。そこから渡辺九段の本音を推測すると、最適解を探している途中なのかな、と予想します。
渡辺九段ですが昨年度は最多敗を喫するなどいまひとつの成績でした。レーティングも下がっていましたが、ここにきて王位戦の挑戦者になるなど、復活の兆しが見えています。
王位戦シリーズでも、いままで藤井王位に一方的にやられてきた渡辺九段が、ここまで1勝2敗とはいえ内容は互角以上で、いままでのなかで最も期待の持てるタイトル戦になっていると思います。
さあ渡辺九段は、最新AIを駆使した作戦を見せることはあるでしょうか?

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202408190101.html

ということで、将棋です。
先手渡辺九段の選択は矢倉でした。近年の矢倉は後手急戦策が強敵で、トップ棋士間での採用率は高くありません。
一部のスペシャリストが採用しているイメージです。この矢倉を、渡辺九段はぶつけてきました。
準備万端かと思われましたが、ところが28手目に藤井王位がこれまた意表の5二飛車と中飛車に振ります。
カテゴリ的には矢倉中飛車なので居飛車になるのかなと思いますが、渡辺九段は想定外だったと思います。序盤から消費時間が目立って増えていきます。
封じ手に至っては2時間37分も消費しています。
1日目で消費時間に2時間差は厳しいです。
駒組が難しい先手は、4八に出た銀を屈伸運動で5八に移動させるなど渡辺九段の我慢の手が続きます。
対する藤井王位は駒はのびのびとして、次々と先手陣に襲い掛かります。
2日目になってからは藤井王位は一方的に攻め続けて、100手までの完勝。これで藤井王位は3勝目を挙げて、防衛まであと1勝まで迫りました。
渡辺九段らしくない内容で、駒組の段階でうっかりがあったのかもしれません。

王位戦第5局は8月27、28日(火、水)、兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われます!
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第37期竜王戦挑戦者決定戦第2局(広瀬章人九段VS佐々木勇気八段) [将棋]

佐々木八段の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

角換わりは若手独身有利説があります。
なにしろ角換わりは研究勝負になりがちで、研究の深さがそのまま勝敗に直結することが多いです。
研究勝負になると、時間も体力もある若手独身が有利であると。
広瀬九段はタイトル2期の強豪ですが、37歳の既婚者であり、研究勝負になると苦しい年齢に差し掛かっています。
2年前は竜王戦の挑戦者になり名人挑戦まであと一歩のところまで迫りましたが、昨年度は不調でA級から陥落と本調子にはほど遠いです。
元々、広瀬九段は研究タイプではなく、序盤は互角で十分との発想で、終盤勝負の棋士です。
前局は終盤勝負になる前の中盤研究で突き放されてしまいましたが、本局では終盤勝負んに持ち込むことができたでしょうか!

〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20240813-SYT8T5677235/

ということで将棋です。
先手は広瀬九段で、戦型は相掛りとなります。本局の下敷きは1年前の竜王戦、藤井竜王と広瀬九段との対局ですが、お互いに研究済みなのか、55手まで前例通りに進みます。
先に前例から離れたのは佐々木八段です。藤井竜王は手堅く歩で受けた手に対して、佐々木八段は飛車を浮いて軽く受けました。
この後も少考で手順が進んでいますので、お互いの研究手順かと思います。
力勝負になったのは、70手目からでしょうか。この局面から先後ともに長考が目立ちます。
中盤から終盤にかけて、広瀬九段が徐々にリードを広げていきます。
しかし、最終番に落とし穴がありました。
広瀬九段は6三銀打と露骨に後手玉を守備を削っていきますが、この瞬間に評価値が互角となり、みるみるうちに先手勝勢から敗勢まで落ちていきます。
棋譜コメントだと、126手目の逆王手の筋を見落としていた可能性が濃厚とのことです。
1手のミスで逆転するのが将棋の特性とはいえ、広瀬九段にとっては辛い時間帯だと思います。
1分将棋まで頑張りますが、138手まで広瀬九段が投了し、2連勝で佐々木勇気八段のタイトル初挑戦が決まりました。

竜王戦第1局は、10月5・6日に渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で開催します!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第6期清麗戦第3局(福間香奈清麗VS加藤桃子女流四段) [将棋]

福間清麗の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/

加藤女流四段は福間清麗に6連敗していましたが、前局で久しぶりの勝利を上げました。
ちなみに6連敗の前は4連敗しており、星取表からは苦手意識を植え付けられているように見えます。
ただ将棋の内容を見ると、一方的な将棋は少なく、終盤、特に時間に追われてからのミスによる逆転が多いです。
むしろ中盤は加藤女流四段が優勢の局面が多いように感じます。
福間清麗は中飛車一辺倒なので、序盤研究で狙いやすいという部分もあるのかもしれません。
課題の終盤ですが、前局で加藤女流四段は終盤まで十分な持ち時間を残すことで乗り切りました。
さあ、本局でもタイムマネージメントを完璧に行って、終盤を乗り越えることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/6/seirei202408060101.html

ということで、将棋です。
先手は福間清麗でいつものゴキゲン中飛車です。後手の加藤女流四段がどのような作戦を採用するかですが、序盤で端歩の打診があったものの銀対抗で落ち着きます。
加藤女流四段の4五歩が少し突っ張った手で、福間清麗は金を前線に出動させてゴリゴリと中央で戦いを起していきます。
評価値的にはいい勝負でも、先手の玉が戦場から1路遠いこと、攻めの主役である飛車が5筋に陣取っていること、から実戦的には先手ペースなのかなと思いました。
後手は攻めの桂馬を捌くことには成功しましたが、飛車が攻めに参加していないのは痛いです。
確実に優勢を拡大した福間清麗は、最後はと金捨てのおしゃれな手で後手玉を即詰みに打ち取りました。
これで福間清麗の2勝1敗となり、清麗防衛まであと1勝と迫りました。

清麗戦第4局は、8月20日に関西将棋会館で行われます!
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第65期王位戦第3局(藤井聡太王位VS渡辺明九段) [将棋]

藤井王位の先1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

将棋情報局から、タイトル戦に立つ藤井王位の考え方の記事がでました。
将棋年間に掲載されているインタビュー記事の抜粋ですが、主旨としては以下の2点です。
・タイトルホルダーは、タイトル戦の決勝戦に出られる、というイメージ。防衛か失陥かということ過度に意識する必要はないのかなと思う。
・挑戦者と比べてタイトルホルダー側は前年のタイトル戦に勝ったというだけなので、コンディション、実力含めて問われている部分は大きいのかなと思います。
タイトルホルダーは挑戦者を待ち受ける立場ではなく、横一線で争うという意識が強いのだと思います。
卓越した棋力だけでなくこうした謙虚な気持ちが、大活躍に繋がっているのかなと思います。
さあ藤井王位は1勝1敗で迎えた第3局を乗り切って、防衛に向けて大きな前進をすることができたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202407300101.html

ということで、将棋です。
第3局の先手は藤井王位。いつものように角換わりを目指しますが、渡辺九段は堂々と角換わりを受けます。
これは何か作戦があると思わせるオープニングですが、さっそく30手目に渡辺九段の研究が披露されます。
6二銀・5二銀から7筋の歩を突き捨ててから桂馬をポンと跳ねます。いかにも軽いしかけで、同一局面がありそうでない形です。
藤井九段も意表を突かれたのか、3時間10分の長考に沈みます。
成否はともかく、先手の時間を削っただけでも大きな効果があります。
1日目は形勢互角ながらも持ち時間1時間50分渡辺九段がリードです。
2日目になると形勢が揺れ動きます。
渡辺九段は飛車のただ捨てという大技で先手玉の守備陣を食い破りますが、藤井王位も桂跳ねから後手玉に迫ります。
このころになると持ち時間もお互いに切迫し、渡辺九段18分、藤井王位6分です。渡辺九段は1日目の貯金を食いつぶした格好です。
勝負を分けたのは88手目のようです。
後手玉の詰めろをどう解除するかという局面ですが、金を捨てて5七飛車打ちから要の銀を抜けば後手優勢だったようです。
渡辺九段は飛車を切って先手玉を受けなしに追い込みますが、ここで藤井王位に4五銀から銀2枚を捨てる妙手がさく裂しました。
2枚目の銀を取ると詰みなので渡辺九段は交わしますが、それでも藤井王位は後手玉を即詰みに打ち取って、見事な勝利を飾りました。
渡辺九段としては残念な将棋ですが、終盤のせめぎあいは見事で、見所満載の将棋だったと思います。

これで藤井王位が2勝1敗とリードしました。第4局は8月19日(月)から20日(火)にかけて、佐賀県唐津市「洋々閣」で行われます!
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー