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【書評】武田弘『失われた原始惑星~太陽系形成期のドラマ~』 [書評]

隕石に対する情熱を感じます。


失われた原始惑星―太陽系形成期のドラマ (中公新書)

失われた原始惑星―太陽系形成期のドラマ (中公新書)

  • 作者: 武田 弘
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 2021/04/11
  • メディア: 新書



原始惑星とは、隕石の母体となる天体のことです。
太陽系を周回しているうちに、他の隕石を衝突し、バラバラになる。これが隕石の元です。
隕石となった原始惑星ですが、魚の群れのように集団で動いているので、隕石群の軌道と成分分析によって原始惑星の存在を推測できます。
本書の内容は隕石の研究がメインですが、そのなかでも興味深いのが「月の石」や「火星の石」が隕石として地球に落ちていることです。
月の石に至っては、月のどの部分から飛んできたのかも推測されています。
なぜ月の石や火星の石が地球まできたのかというと、大きな隕石が落下して地球まで弾き飛ばされたという推測がされていますが、いやはや信じられない話です。
隕石を分析すると、その石がどうやって生成されたのかが分かります。
そこから原始惑星の大きさや、石ができた年代なども分かることがあります。
専門用語が多く素人には読みにくいですが、隕石に対する知見が詰まっています。
なお、もっとも多く隕石が採取されたのは南極です。
雪に覆われているので、隕石が目立つというのが理由です。そこから考えると、隕石はそこら中に転がっているけど、他の石と見分けが付かずに気が付かないだけなんだろうなと思います。

隕石についていろいろと知りたいひとのために!
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