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【書評】半藤一利外『零戦と戦艦大和』 [書評]

防衛大学教授、軍事評論家、昭和史研究家たちによる鼎談です。


零戦と戦艦大和 (文春新書)

零戦と戦艦大和 (文春新書)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/08/20
  • メディア: 新書



第1部が「なぜ日本は米国に勝てないのか」
第2部が「零戦と戦艦大和」です。
第1部については、結局のところ国力の差となりますが、日本はすぐに情に流れ、職人肌を重視するのに対し、米国は目的のためにリアリズムに徹している、との差も大きいのかなと思います。
日本の武器は工芸品であり、カタログスペックを満たすためにいろいろと無理をしている。しかも少量多品種。職人の世界です。
米軍は大量生産を前提として、多少性能は劣っても実戦的に作っている。その観点は生産性重視です。
日本は現場主義でボトムアップ型のため、全体的な戦略を立てるのが苦手。米国は逆にトップダウン型なので、全体的な戦略さえ合致していれば多少の損害はいとわない。
日本は幹部が失敗しても更迭を避け次の機会を与えるが、米軍は結果責任で容赦なく更迭していく。
緻密な作戦を立てる一方で、失敗を想定できない日本と、失敗したときのリカバリーを重視する米国。
こうして比べていくと、米国は平時と戦時との切り替えが素晴らしかったのだと思います。

第2部では零戦と大和の話がでてきます。
米国は用済みとなった戦艦の役目を考え、上陸攻撃前の艦砲射撃に活用法を見出します。
日本の大和はほとんど出撃することなく、沖縄特攻で沈没しました。抑止力として使うのなら積極的に存在をアピールすべきだった、との指摘はもっともだと思います。
大和は、日本の弱点であるグランドデザインの欠如が現れたひとつの象徴なのかもしれません。
戦力としてはいまいちの大和でしたが、そこでで培われた技術が、戦後復興に大いに力になったことも、多くの識者が指摘しています。
もちろん零銭の技術も戦後復興で大いに寄与しています。

この手の本を読むたびに思うのですが、米国と戦えば負けるに決まっていますが、もう少しましな負け方がなかったのかな、と思います。
敗戦という決断のタイミングをつかめない。ここがボトムアップ型組織の限界なのかもしれません。

太平洋戦争について考えたいひとのために!
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【掌編】齊藤想『落としたオノ』 [自作ショートショート]

第8回小説でもどうぞW選考員版で佳作をいただいた作品です。

ネタに困ったら昔話、ということで本作は有名童話のパロディです。
パロディといっても原作からどこをどう変えるのかがキモでして、そうしたコツを知りたい方はぜひともニュースレターへの登録をお願いします。
もちろん無料です。
次回は6/5発行です!



・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!
―――――

〔小説でもどうぞW選考員会版(第8回・結果発表、選考会)〕
https://koubo.jp/article/27094

〔作品〕
『落としたオノ』 齊藤想
https://koubo.jp/article/27098

―――――
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最近の金融・投資【令和6年5月第3週】 [金融・投資]

〔先週の株式市場〕
先週はプラスとマイナスが日替わりでした。
結局はトータルプラスで、月トータルとも微妙にプラスに転じました。
とはいえ全体的に弱含みだなあ、というのが自分の感覚です。
ピンとくる株も見つからないので、様子見継続中。

〔北日本銀行の株主優待を頼んだ話〕
北日本銀行の株主優待は選べる地域特産品です。地方銀行の株主優待はこの地域特産が嬉しいです。
毎年注文する商品を変えていますが、今年はゼリーにしてみました。
奥州市の江刺りんごを使用した一品です。
第2希望はローカルドリンクぶどう液にしましたが、基本的に第1希望が届くはずなのでこれは来年ということで。
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第82期名人戦第4局(藤井聡太名人VS豊島将之九段) [将棋]

藤井名人の3連勝で迎えた第4局です。

〔主催者HP〕
https://www.meijinsen.jp/

前局で藤井名人はプロ間では珍しい棒銀をさく裂させての快勝です。
棒銀といえば加藤一二三九段ですが、スポーツ新聞にまさにウキウキな感じのコラムが掲載されました。
「銀は営業部長」はなかなか言いえて妙です。藤井名人の銀は営業部長として外回りに出撃し、まさに大活躍です。
対する豊島九段は銀を自陣に埋めざるを得なかったこの差を加藤一二三九段は指摘しています。
棒銀を愛する加藤一二三九段らしいとも思います。
さあ本局でも加藤一二三九段が愛する棒銀を見ることはできるでしょうか!

〔棋譜〕※ロック将棋さんより
https://6shogi.com/82meijinsen4/

ということで将棋です。
先手は豊島九段。
オールラウンダーの豊島九段ですが、角番で選んだ作戦はなんと先手横歩取られ作戦です。
これは先手なのに、あえて一手パスのような端歩を指して、先手なのに後手番横取りに誘導するかなり珍しい作戦です。
超急戦になると、端歩があるなしで成立する筋がでてきたり、奥の深い作戦でもあります。
藤井名人も想定外だと思いますが、豊島九段も早々に想定手順から外れたようで、序盤から時間をつかう力戦系の将棋になります。
お互いに玉を囲う暇がなく、一手の価値が大きい局面が続きます。
評価値が大きく動いたのは66手目です。藤井名人は4三歩と守ったのですが、ただで銀を抜かれてさらに当たりになっている角まで逃げられました。
さすがに銀がボロっと取れるのは大きいです。
藤井名人も彩を付けようとしますが、最後は飛車を見捨てて金を取り、さらに豊島九段の金がぐいっと前に出て退路封鎖をしたところで藤井名人が投了しました。
豊島九段はシリーズ嬉しい初勝利です。

名人戦第5局は、5月26・27日に北海道紋別市「ホテルオホークツパレス」で行われます!
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【映画】灼熱の魂 [映画評]

レバノン内戦を背景にした愛の映画です。


灼熱の魂 [DVD]

灼熱の魂 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2012/05/02
  • メディア: DVD



映画は母の死から始まります。
母と娘息子の母子家庭。母の遺言は、姉には「父を探してこの手紙を渡すように」、弟には「兄を探してこの手紙を渡すように」との奇妙なものでした。
姉は真面目に母の足跡を追って中東へと渡ります。弟は母への反発もあり、協力を拒否しますが、姉から呼び出されていやいやながらも協力することになります。
映画はこの姉視点のシーンと、過去における母のシーンとの2軸が交互に交わりながら進みます。
母は中東にあるキリスト教徒にある村で生まれました。ところがイスラム系の男性と恋におちたことで村八分にされます。
すでに恋人の子を宿しており、出産後にその子供は孤児院に預けられ、母は村を出ていきます。
そのうちに母はキリスト教徒が罪のないイスラムの人々を殺害するのを見て嫌悪し、キリスト教徒の要人を殺害して長いこと刑務所で収監されます。
そこで拷問人から何度もレイプされ、そして双子の兄弟を身ごもります。
それが姉と弟です。
姉と弟は母の関係者から話を聞くことで、徐々に真相へと迫っていきます。
という感じの映画です。
これは宗教間で殺しあうことが現実的な国では非常に刺さると思います。
ただ宗教が違うだけで、母はひどい目に合い、ひどい世界を見て、素朴な怒りにかられて無謀な行動に走ってしまいます。
しかし、個人としては息子を愛し、双子の兄弟を愛します。家族が離ればなれになる悲劇を体験したからこそ「ともにいる」ことを強調します。
評論家の評価も非常に高いですが、姉が数学講師である設定や、兄が一時期凄腕のスナイパーだった設定が浮いている気がします。
また、カナダに移住して普通の生活を送っているのなら、どこかで姉や弟とのつながりを前半で見せた方がよかったかもしれません。
もっとも、テーマを強調するために、そこは技巧を凝らさなかったのかもしれません。
製作費6.5百万ドルに対して、興行収入3.5百万ドルと赤字になってしまいましたが、第83回アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされ、ジェニー賞で8部門、ジュトラ賞では9部門を獲得しています。

深刻なレバノン内戦を舞台にした映画を鑑賞したいひとのために!
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【書評】たまだまさお・オフィスイデオム『ファスナーのひみつ』 [書評]

学研まんがでよくわかるシリーズ92です。


身近なところで多く使われているファスナー。
原理については直感的に理解できても、細かい仕組みまでは分からないと思います。
そうしたファスナーの仕組み、生産、歴史までもストーリー仕立てで漫画にしたのが本書になります。
最初はサッカーのシーンから始まりますが、ストーリーが進むにつれてYKKの紹介みたいになっています。
YKKさん頑張ってますね。

ファスナーについてしりたい子供たちのために!

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【映画】ブレッド・トレイン [映画評]

架空の新幹線を舞台にしたハチャメチャアクション映画です。


ブレット・トレイン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

ブレット・トレイン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2022/12/07
  • メディア: Blu-ray



原作は伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』
主演はブラッドピットで、おそらく主人公のイメージが『メキシカン』に近いからかなと思います。
いちおうストーリーはありますが、この映画についてはストーリーは脇役です。
とにかく様々な殺し屋が偶然同じ新幹線に乗り合わせ、いろいろあって殺しあう。
生死がかかっているけど深刻ではなく、殺し合いの途中で電話にでたりして、全体的にコメディー色が強いです。
それに、なんだかんだと、なかなか死にません。
最後はみんなの共通の敵が黒幕で、みんなで協力して真敵を倒して終わりです。
登場人物たちもハチャメチャなら、新幹線を手動で動かして暴走させるのもムチャクチャです。
まあ、そんなムチャクチャを楽しむ映画だと思います。
wikiによると、原作の登場人物が日本人なのに、これを白人が演じることについて「ホワイトウォッシュ」との批判があるようです。
面倒な世の中だなと思います。
映画はあくまで娯楽であり、エンターテイメントなので。

ユーモアたっぷりのブラッドピットを見たい人のために!
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【書評】田川滋・橘悠紀『光ファイバー通信のひみつ』 [書評]

学研まんがでよくわかるシリーズ71です。

ストーリーは夏休みの自由研究で苦しむ主人公とその幼馴染が、光の妖精フォトンと出会って、光ファイバー通信について教えてもらうというものです。
光ファイバーの原理は屈折率の違う素材を組み合わせて光をファイバー内部で反射させるのですが、細かい説明は抜きにして子供たちに分かり易く説明しています。
また、デジタル信号の強みは復元性にあるのですが、その復元性について説明しているところに好感が持てました。
として真摯な作りだと思います。
2012年なので、Wi-Fiという言葉がなく、ADSLが紹介されているのが時代を感じます。
少し前なんですけどね。

光ファイバー通信について知りたい子供たちのために!
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【公募情報】第8回浜松市森林もりのまち童話大賞(童話・8/31〆) [公募情報]

森林をテーマにした童話の募集です。

〔主催者HP〕
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/tn-shinko/dowa/morimachi_dowa_8kaiannnai.html

浜松市というと浜名湖のイメージや海のイメージが強いですが、本公募は森林をテーマにしています。
浜松市には静岡県森林公園もあり、浜松市天竜区には森林が広がっています。鍾乳洞もあります。
そうしたことから、森林をテーマにした公募になったのかなと思います。
公募名では分かりませんが、アマチュア限定であることに注意してください。
制限枚数は15枚以内、応募締切は令和6年8月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:童話・小学校低学年
テーマ :森林
大  賞:賞金50万円
応募締切:令和6年8月31日
応募方法:主催者HP、郵送
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創作状況【令和6年5月第3週】 [ぼくの公募状況]

様々な火薬庫から煙が上がっているような気がしてなりません。

【第200回のメュー】
◆公募分析・第20回坊ちゃん文学賞
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第31回)
◆プラスのショートショート1~3
◆公募情報数点
 受賞を目指すには受賞作の分析からです。坊ちゃん文学賞を目指しましょう!
 6月発行は6月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!




【ショートショートガーデン】
名画からインスピレーションを受けたショートショートシリーズその11
〔名画でショート11『イワン雷帝とその息子』(イリヤ・レーピン)〕
https://short-short.garden/S-uCTwwM


【小説でもどうぞ】
5月のテーマは「最後」です。3作応募可能になったので3作目を書く。最後の1行をどうしようかなあ、というところで少し悩む。ボチボチ推敲しながら考えます。
ここ最近は、じっくり考えてから書くようにしている。おかげで効率が上がりました。
これ言うは簡単、実行は難しいの技なんですよね。なにしろ構想段階で文章の流れとか全て組み立てる必要があるので。
3作とも推敲するが、最初から完成度が高いので、少しの手入れで終わる。あとは1~2回ほど見直せばいいかな。
応募したW選考員会版だけど、あとで振り返ると終盤の書き方が失敗したかも。ラストシーンの手前がくどいといいますか。
6月のテーマは「名人」ですね。こちらも3作目指して書き始めます。はい。


【さばえ近松文学賞】
原稿用紙10枚内、応募締切6月30日、発表は9月中旬、募集内容は恋愛小説
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-03-13-6
作品に特定の商品名を出しているのだが、これが募集要項的にОKなのかどうか悩む。
何度か特定の商品名を出したり消してみたが、最終的に削除することに決める。この方が無難だし、全体的に推敲したところ商品名がなくても自然になったので。
あとは細かい推敲だけですかね、という気分です。


【水の都おおがき短編小説コンクール】
原稿用紙10枚内、応募締切8月31日、テーマは大垣と関係があること
過去受賞作を読んで応募しようか考える。
・第3回 佳作 『散歩道』川島太一
ちょっと笑ってしまほど大垣を強調した作品です。冒頭から大垣の風景を綿密に描写して、中盤には戦時中に大垣市が空襲でやられた話がでてきます。
全体的なストーリーとしては、かなり古風で、いまどきありえないほど古い価値観をもつ母と娘の葛藤を、優しい祖母が聞くという感じです。
ここまで露骨に大垣LOVEでもいいんだなあ、と思ったりして。


【坊っちゃん文学賞】
締め切りは毎年9月30日、制限文字数4000字。
週に1作づつ推敲する。ということで今週はその1を推敲。
完成度が高いはずなのだが、数か所、文章を修正する。見れば見るほど手を入れたくなるのが自分の悪い癖なのだが。
少し良くなったと信じまして。
R7年度投稿用のフォルダに作品を1つ入れる。まだ応募していないのに、もう来年の準備が始まったり(笑)


【星新一賞】
受賞作が公開されましたので、順番に読んで感想をアップしていきます。
・ジュニア部門 優秀賞 『星になる』名もなき佐助
ジュニアらしくない作品です。
核戦争によって地球が汚染され、他の惑星への移住を目指すという使い古された設定に、クローンを組み合わせています。この手の話は、新しいアイデアがでてこない中高年が書けばいいような。
審査員のツボにはまるかどうかという作品ですね。


【その他】
・第18回くすっと笑える夫婦川柳を推敲。難しい。6/30締切
・「旅の日川柳」で3個応募。最後にぐぐっと捻る。5/16発表
・「海上安保の日」俳句コンテストに3つ応募。5/13発表。
・おーいお茶新俳句(2/29〆)はヤマビルで3つ応募。10月下旬発表なのでかなり先。

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