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【書評】倉知淳『占い師はお昼寝中』 [書評]

いつも昼寝ばかりしている占い師が怪奇現象を解決していきます。


占い師はお昼寝中 (創元クライム・クラブ)

占い師はお昼寝中 (創元クライム・クラブ)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/06/23
  • メディア: 単行本



基本的に安楽椅子探偵物です。
主人公は三十代でぐーたらな占い師ですが、心霊現象や占いを一切信じていません。
依頼人の”怪奇現象”には必ず原因があると確信しています。
そんな占い師が、依頼人から怪異な話を聞いて真実を看破し、占いと称しながら適当な魔物をでっちあげながら円満に解決する道筋をつけていきます。
系統としては猫丸先輩物と同じ感じです。

収録されているのは6編です。
『三度狐』……微妙に大事なものが次々に無くなります。もちろんイタズラなのですが、これだけの情報で、ここまで読み解けるのかなあ、という印象。
『水溶霊』……部屋中に様々な液体がバラ撒かれるというポルターガイスト現象が発生します。夫の無軌道さといい、このラストは、ちょっと可哀そうですね。
『写りたがりの幽霊』……暇な大学生にありがちな話です。心霊写真ネタです。
『ゆきだまロンド』……覚えもないのに「夫人を見た」というひとが次々と現れます。綺麗な話です。
『占い師は外出中』……占い師が外出中のめ、巫女役の美衣子が老人2人の相手をしますが、このオチだとなんでもアリのような気が。
『壁抜け大入道』……工場に泥棒が入り大金が盗まれます。カテゴリとしては密室物ですね。親を助けようとする子供の姿がいじらしいです。

探偵物には様々なバリエーションがありますが、これはひときわ奇抜な設定だと思います。
楽しい安楽椅子探偵物を読みたいひとのために!
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