SSブログ

【書評】倉知淳『豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ事件』 [書評]

バラエティに富む短編集です。


豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件 (実業之日本社文庫)

豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 文庫



基本的にミステリですが、ミステリ外も混じっています。
『変奏曲・ABC殺人事件』は便乗殺人を狙っていた悪人が、予想外の展開に頭を抱える話。『社内偏愛』はAIに執着されたサラリーマンの喜劇。『夜を見る猫』は正統派ミステリですが、やや苦しいか。『猫丸先輩の出張』はさすがに途中で真相に気が付く。
とここまではいまひとつな感じ。
ですが、『薬味と甘味の殺人現場』は異色ミステリながらツボに入りました。
被害者はパティシエですが、なんと被害者の口に長ネギが突っ込まれている。さらに、遺体の周囲にはケーキが置かれている。
犯人はすぐに判明するのですが、この口に長ネギの謎が刑事たちを苦しめます。いわばバカミスの系統です。
表題作である『豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ事件』も同じくバカミスです。そもそも空間がひっくり返る装置とか、エネルギー源が自転車だとか、実験室に豆腐があることとか。なにはともあれ、ここまで奇想天外な推理も、たまには良いかも。

風変わりなミステリを楽しみたいひとのために!
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。