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第8期叡王戦第4局(藤井聡太叡王VS菅井竜也八段) [将棋]

藤井叡王の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

将棋界、囲碁界ともに棋戦スポンサーは長らく新聞社が務めてきました。
もちろんいまも新聞社が中心ですが、叡王戦は初めて新聞社以外が主催として開催されたタイトル戦です。
創設時のスポンサーであるドワンゴは撤退しましたが、不二家が引き継ぎ、叡王戦は継続となりました。
特別協賛に社長が将棋ファンで知られるひふみ、さらに中部地方の産業界を代表するような中部電力、トヨタグループの豊田通商、豊田自動織機。さらに藤井叡王の繋がりでAMDも協賛で入っています。
なお、日本将棋連盟の名古屋対局場はトヨタ本社ビルを間借りしています。
新聞界以外にもスポンサーを広げる努力が結実したのが、この叡王戦だと思います。
九州地方、北海道地方、沖縄地方といった地域出身のヒーローが登場すれば、それぞれの地域企業が応援に名乗り出てくれるかもしれません。
今後も全国の天才の発掘とともに、様々な業界との繋がりを確保する努力を続けて欲しいと願います。

〔棋譜1〕千日手1局目
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/8/eiou202305280101.html

〔棋譜2〕千日手2局目
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/8/eiou202305280102.html

〔棋譜3〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/8/eiou202305280103.html

ということで、将棋です。
タイトル戦史上、まれにみる激戦です。
第1局は10時51分に44手で成立、11時30分より指しなおし。
第2局は18持32分に116手で成立、19時15分より指しなおしです。
第3局は藤井叡王が残り1時間、菅井八段�が残り1時間6分でスタートです。
お互いに4枚穴熊に組み、飛車交換からお互いにと金を作って寄せ合うという、いかにも短時間らしいストレートな展開です。
先に相手穴熊にと金が張り付いたのは菅井八段でした。しかし、先に桂馬を手にした藤井叡王が4七桂馬と小駒で張り付くと、藤井叡王の攻めが一手早い形勢です。
紛れをもとめて菅井八段は端歩を突きますが、藤井叡王はなんとこの歩を角でもぎ取ります。
大きな駒損ですが、端歩を逆襲する攻めが早いという判断だと思います。
藤井叡王は80手目に2分の考慮を記録し、ここで全てを読み切りました。歩しか余らない15手詰めです。
菅井八段は残り4手まで指して、そこで投了しました。
90手まで藤井叡王が勝利し、指しなおし局も含めて250手の激闘を制しました。

これで3勝1敗となり藤井叡王が3連覇を達成しました。
おめでとうございます!
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【映画】ダークナイト [映画評]

ダークナイト3部作の2作目ですが、バットマンシリーズ屈指の傑作です。


ダークナイト (2枚組) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: Blu-ray



舞台はいつものゴッサムシティ。悪がはびこる都市です。
マフィアは犯罪で得た金銭を、銀行を回してマネーロンダリングをしていますが、バットマンと勇気溢れる新任検事の活躍でマフィアは危機感を覚えます。
そこで登場するのが狂人、ジョーカーです。
ジョーカーはピエロのメイクをして、犯罪を楽しむ愉快犯です。神出鬼没で、脅迫その他の手法であらゆる場所に仲間を持ち、知能も高く暴力より様々な作戦で警察の裏をかき続けます。
マフィアはジョーカーにバットマンを殺害するよう依頼します。
ジョーカーはバットマンには正体を現せなければ市民を殺すと突きつけ、容赦なく実行します。追い詰められるバットマンですが、新任検事との作戦でジョーカーをおびき寄せ、逮捕することに成功します。
しかし、これこそジョーカーの作戦でした。ジョーカーはまんまと留置所から脱出すると同時にマフィアの幹部を連れ出すことに成功します。
そして、ジョーカーは逆にマフィアを乗っ取ります。
ジョーカーの恐ろしいところは、被害者に選択を求めることです。
殺すか殺されるかを選べ、復讐をするかしないかを選べ。そして、だれもが悪に染まることを証明しようとします。
たとえ、正義感溢れる新任検事だったとしても。
そして、ジョーカーのバットマンの戦いは、多数市民を巻き込み、どんどん拡大してきます。安全が欲しい市民と、悪を憎むバットマンとの対立・葛藤が深まり、バットマンは悩み続けます。
という感じのストーリーです。
とても面白い映画でした。
何より敵役のジョーカーが魅力的です。奇想天外な策略で警察の裏を付き、さらには金銭や権力ではなく独特の価値観によって行動するので先が読めません。
登場する新兵器も面白く、アクションシーンで魅力を十分に生かしています。
最初から最後まで敵が一貫しているので、エンタメとして非常に分かりやすいです。
タイムリミットの設定、ミッドポイントの設定、主人公の葛藤と成長も描かれており、細かい伏線も回収されています。ストーリーに必要なあらゆる要素が詰め込まれています。
最後、バットマンは町の希望を守るため、英雄が犯した悪をかぶる覚悟を決めます。
バットマンは嫌われ者のダークヒーロー、つまりダークナイトとして生きることを決意します。
評論家により高評価も納得の映画だともいます。弱点を上げるとしたら、第1作を見ないと第2作の魅力が半減するぐらいでしょうか。
個人的には、映画の後半で、ある受刑者が起こした行動が印象に残っています。これがテーマに対する答えだと思います。

最高の映画体験を楽しみたいひとのために!
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第16期マイナビ杯第3局(西山朋佳女王VS甲斐智美女流五段) [将棋]

西山女王の連勝で迎えた第3局です。

〔主催者HP〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/

甲斐智美女流五段の師匠は中原誠十六世名人です。
永世名人は多忙のためか、恐れ多いためか、それほど弟子を取らないイメージがあります。
谷川浩司十七世名人は都成竜馬七段のみ。森内俊之十八世名人は女流棋士2名のみで1名は退会しています。羽生善治十九世名人は弟子がいません。
それに対して、中原誠十六世名人は甲斐智美女流五段だけでなく、佐藤秀司八段など5人が棋士になっています。
甲斐女流五段は中原誠十六世門下で一番若いです。
さあ甲斐女流五段は師匠にタイトル戦でも白星をプレゼントすることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/result/16/mynavi202305280101.html

ということで、将棋です。
後手西山女王の三間飛車に対して、先手甲斐女流五段は4五歩早仕掛けを見せます。
角交換となりますが、そこからはお互いにじっくりと駒組をして、先後ともに地下鉄飛車を見せ合う珍しい展開となります。
甲斐女流五段は決断の2六角打ちを放ち、後手飛車をくぎ付けにしてから玉頭方面で戦いを起こします。
お互いに薄いところで怖いところですが、西山女王も強気に対応します。
最初に抜け出したのは西山女王です。
8九飛車打ちから香車を取りながら引き成って、手厚い形勢です。
しかし、そこから甲斐女流五段が粘ります。
1分将棋の中で、持ち歩を5枚使う目一杯の受けで、いつしか形勢は混として、ついに逆転から勝勢までひっくり返します。
しかし、後手には入玉ルートがちらつき、しかも竜2枚が待機しています。
甲斐女流五段は西山玉を13手詰めまで追い込みますが、入玉型の詰将棋、1分では読み切れませんでした。
それでも評価値上は先手優勢ですが、流れは絶体絶命を切り抜けた後手です。
131手目の悪手でついに逆転して、138手まで甲斐女流五段が投了しました。

これで西山女王は3連勝で女王を防衛しました。これで6連覇です。
西山女王おめでとうございます!
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