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【書評】倉知淳『幻獣遁走曲~猫丸先輩のアルバイト探偵ノート~』 [書評]

神出鬼没のアルバイター、猫丸先輩シリーズの一冊です。


幻獣遁走曲【新版】 (創元推理文庫)

幻獣遁走曲【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/05/31
  • メディア: 文庫



収録されているのは5編です。
『猫の日の事件』
 ……猫コンテストで宝石が盗まれます。叙述トリックの一種です。
『寝ていてください』
 ……新薬の臨床治験のアルバイトをしますが、そこで怪しげな動きをする看護婦を見て被験者はヤバイのではないかと動揺します。これも叙述トリックの一種かな。
『幻獣遁走曲』
 ……幻の珍獣を探す”軍曹”がアルバイト軍団を引き連れて大騒ぎをしますが、珍獣がいることの証拠である大切な手紙な何者かによって燃やされてします。
『たたかえ、よりきり仮面』
 ……「よりきり仮面」というB級ヒーローがスーパーでヒーローショーを繰り広げます。
そこで、ヒーロースーツの中にいたずらでガムが入れられてしまいます。そのガムを入れた理由と言うのが、ほっこりします。
『トレジャーハント・トラップ・トリック』
 ……まつたけ狩りに来たツアー客が大漁に大盛り上がりとなりますが、目を離したすきにマツタケが無くなっています。マツタケをとった犯人とその理由が……

というのが各話の概略です。
倉知淳の短編は、動機の作り方が独特でうまいです。特別なトリックが使われているわけではありませんが、動機が奇想天外であるため、結果として意外な結末に導かれます。
特に『たたかえ、よりきり仮面』は絶品だと思います。

猫丸先輩シリーズのファンのために!
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