【書評】桐谷直外『ラストで君は「まさか!」と言う~恐怖の手紙~』 [書評]
3分間で読めるショートストーリーが23編です。

児童文学でホラーはひつとのジャンルになっています。
そこにショートショートテイストを加えたシリーズの1冊で、多数出版されていることから人気シリーズだと推測されます。
SFもあれば幽霊物もあり、多岐にわたっています。
個人的には『妖精の子守歌』がいかにもホラーという感じで好きです。
ショートストーリーを楽しみたいひとのために!

3分間ノンストップショートストーリー ラストで君は「まさか! 」と言う 恐怖の手紙
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/12/13
- メディア: 単行本
児童文学でホラーはひつとのジャンルになっています。
そこにショートショートテイストを加えたシリーズの1冊で、多数出版されていることから人気シリーズだと推測されます。
SFもあれば幽霊物もあり、多岐にわたっています。
個人的には『妖精の子守歌』がいかにもホラーという感じで好きです。
ショートストーリーを楽しみたいひとのために!
【書評】『知らなきゃよかった! 本当は怖い雑学 衝撃編』 [書評]
いわゆる雑学本です。
本書は123つの小ネタが入っています。
「ニセ薬でも効く」といっただれもが知るような有名な話から、「サウジアラビアはオーストラリアからラクダを輸入している」というクスっと笑ってしまう話までいろいろです。
個人的に印象に残ったのは、サードウェーブ実験です。
これはある教師がナチズムの恐ろしさを体感させるために、ナチズムと同じ手法で生徒たちをまたった4日間で洗脳してしまいます。
この話を元にした映画もあります。人間心理の不思議さと、弱さをよく表す話だと思います。
ちょっと怖い小ネタを仕入れたいひとのために!
本書は123つの小ネタが入っています。
「ニセ薬でも効く」といっただれもが知るような有名な話から、「サウジアラビアはオーストラリアからラクダを輸入している」というクスっと笑ってしまう話までいろいろです。
個人的に印象に残ったのは、サードウェーブ実験です。
これはある教師がナチズムの恐ろしさを体感させるために、ナチズムと同じ手法で生徒たちをまたった4日間で洗脳してしまいます。
この話を元にした映画もあります。人間心理の不思議さと、弱さをよく表す話だと思います。
ちょっと怖い小ネタを仕入れたいひとのために!
【書評】大森望編『SFの書き方 ~ゲンロン大森望SF創作講座全記録~』 [書評]
ゲンロンSF創作講座の講義録です。

ゲンロンSF創作講座の特徴は、実践主体であることです。
毎回、現役SF作家が講義して、提出された概要を編集者とともに評価する。
講義内容はこの本に書かれていますが、理論と言うより作家が思うことを自由に述べている感じで、系統だったものではありません。
だからこの講義で技術をマスターするというより、いかに刺激を受けて、自ら前に進めるのかが主眼のように思います。
それにしても現代SFは難しいです。
SFを書きたいひとのために!

SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録 (早川書房)
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/06/30
- メディア: Kindle版
ゲンロンSF創作講座の特徴は、実践主体であることです。
毎回、現役SF作家が講義して、提出された概要を編集者とともに評価する。
講義内容はこの本に書かれていますが、理論と言うより作家が思うことを自由に述べている感じで、系統だったものではありません。
だからこの講義で技術をマスターするというより、いかに刺激を受けて、自ら前に進めるのかが主眼のように思います。
それにしても現代SFは難しいです。
SFを書きたいひとのために!
【書評】伊勢雅臣『世界が称賛する日本の経営』 [書評]
大人気メルマガ『国際派日本人養成講座』から経営に関する記事の抜粋編集です。
日本では昔から「三方良し」がよいとされてきました。
「買い手良し」「売り手良し」「世間良し」
この三方良しを実践してきた企業経営者たちの生きざまな胸を打ちます。
第1章は現在の企業家たち、第2章は世界に挑戦した企業たち、第3章は明治時代、第4章は日本的経営の源流をたどります。
このメルマガの特徴は、徹底的に実学を重んじるところだと思います。
実在の人物、現実の社会から題材を取るからこそ、説得力があると思います。
知的障碍者の雇用を続けながら利潤を勝ち取ってきた経営者の英断と努力、さらには創意工夫などには頭が下がります。
実学重視のメルマガのいいとこ取りをしたいひとのために!
日本では昔から「三方良し」がよいとされてきました。
「買い手良し」「売り手良し」「世間良し」
この三方良しを実践してきた企業経営者たちの生きざまな胸を打ちます。
第1章は現在の企業家たち、第2章は世界に挑戦した企業たち、第3章は明治時代、第4章は日本的経営の源流をたどります。
このメルマガの特徴は、徹底的に実学を重んじるところだと思います。
実在の人物、現実の社会から題材を取るからこそ、説得力があると思います。
知的障碍者の雇用を続けながら利潤を勝ち取ってきた経営者の英断と努力、さらには創意工夫などには頭が下がります。
実学重視のメルマガのいいとこ取りをしたいひとのために!
【書評】浦沢直樹『20世紀少年』 [書評]
国内外から多数の賞を獲得している浦沢直樹代表作のひとつです。

正式名称は『本格科学冒険漫画20世紀少年』(1~22巻)と『本格科学冒険漫画21世紀少年』(上下)の計24巻です。
ストーリーはかなり長大ですが、基本コンセプトとしては子供のころのトラウマかかえたまま大人になった同級生たちが、世界の滅亡をたくらんだり、逆に世界を救うために立ち上ったりします。
物語の焦点は「ともだち」と呼ばれる宗教団体のトップです。「ともだち」は主人公たちの同級生であることは間違いないのですが、彼が何者かという謎が物語を引っ張る最大のエンジンになります。
とにかく前半が面白いです。
普通のおっさんが子供のころに書いた予言の書が原因でトラブルに巻き込まれ、否応もなく世界を救うために立ち上がるはめになります。敵である「ともだち」はドンドン巨大になっていきます。
これぞエンターテイメントです。
後半になると、どんどん荒唐無稽になり、ともだちの正体が微妙ですが、全体としてとても楽しめる作品だと思います。
1970年代を存分に盛り込んだエンターテイメント大作を楽しみたいひとのために!

20世紀少年 コミック 全24巻完結セット (ビッグコミックス)
- 作者: 浦沢 直樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/09/28
- メディア: コミック
正式名称は『本格科学冒険漫画20世紀少年』(1~22巻)と『本格科学冒険漫画21世紀少年』(上下)の計24巻です。
ストーリーはかなり長大ですが、基本コンセプトとしては子供のころのトラウマかかえたまま大人になった同級生たちが、世界の滅亡をたくらんだり、逆に世界を救うために立ち上ったりします。
物語の焦点は「ともだち」と呼ばれる宗教団体のトップです。「ともだち」は主人公たちの同級生であることは間違いないのですが、彼が何者かという謎が物語を引っ張る最大のエンジンになります。
とにかく前半が面白いです。
普通のおっさんが子供のころに書いた予言の書が原因でトラブルに巻き込まれ、否応もなく世界を救うために立ち上がるはめになります。敵である「ともだち」はドンドン巨大になっていきます。
これぞエンターテイメントです。
後半になると、どんどん荒唐無稽になり、ともだちの正体が微妙ですが、全体としてとても楽しめる作品だと思います。
1970年代を存分に盛り込んだエンターテイメント大作を楽しみたいひとのために!
【書評】大森望編『不思議の扉~時をかける恋~』 [書評]
タイトラベル恋愛ものを集めたアンソロジーです。
アンソロジーなので、再読した作品が多いです。
梶尾真治『亜美に送る真珠』は最初読んだときはあまりピンときませんでしたが、再読すると、やはりいいです。
乙一『calling you』はオチも鮮明に覚えいたなかで再読しましたが、やはりいいです。乙一は『GOTH』、『ZOO』といった気色悪い短編が有名ですが、こうしたジーンとくる作品を書かせても上手いです。
意外と伝統的な物語の形にぴったりと嵌めてきてくれるので、心地よいです。
この2編を読むだけでも、価値があるアンソロジーだと思います。
名作短編を楽しみたいひとのために!
アンソロジーなので、再読した作品が多いです。
梶尾真治『亜美に送る真珠』は最初読んだときはあまりピンときませんでしたが、再読すると、やはりいいです。
乙一『calling you』はオチも鮮明に覚えいたなかで再読しましたが、やはりいいです。乙一は『GOTH』、『ZOO』といった気色悪い短編が有名ですが、こうしたジーンとくる作品を書かせても上手いです。
意外と伝統的な物語の形にぴったりと嵌めてきてくれるので、心地よいです。
この2編を読むだけでも、価値があるアンソロジーだと思います。
名作短編を楽しみたいひとのために!
【書評】伊勢雅臣『世界が称賛する日本人が知らない日本』 [書評]
大人気メルマガ「国際派日本人養成講座」の書籍版です。
「国際人ではなく、国際派日本人を目指そう」が本書のテーマです。
著者は留学経験もあり、ビジネスマンとして海外赴任期間も長く、そうした経験から「日本人としての根っこ」を理解し、育てる必要性を実感します。
日本人とはなにか、日本とはどういう国なのか。
そういった根っこを歴史を通じて語り掛けてくれます。
個人より公を重視する国民性や、子供を大切にしてきた歴史、そうした日本人でも見落としがちな日本人らしさを再発見するよい本だと思います。
国際派日本人を目指したいひとのために!
「国際人ではなく、国際派日本人を目指そう」が本書のテーマです。
著者は留学経験もあり、ビジネスマンとして海外赴任期間も長く、そうした経験から「日本人としての根っこ」を理解し、育てる必要性を実感します。
日本人とはなにか、日本とはどういう国なのか。
そういった根っこを歴史を通じて語り掛けてくれます。
個人より公を重視する国民性や、子供を大切にしてきた歴史、そうした日本人でも見落としがちな日本人らしさを再発見するよい本だと思います。
国際派日本人を目指したいひとのために!
【書評】伊勢雅臣『世界が称賛する日本の教育』 [書評]
大人気メルマガの書籍化です。
無料メールマガン『国際派日本人養成講座』から教育関連の回を抜粋、再編成したのが本書になります。
メルマガの特徴は机上の空論ではなく、リアリズムに基づくところです。
ただ日本を褒めるだけの本に見えますが、実際に成功を収めた教育手法を広めることに主眼が置かれています。
特に冒頭のウガンダで野球を教えたひとの体験談は素晴らしく、基本的な「しつけ」がいかに異文化の若者を変えていったのか、若者の未来にどれだけ大事なのかを教えてくれます。
こうした現場の体験談は示唆に富むと思います。
日本をよりよくしたいひとのために!
無料メールマガン『国際派日本人養成講座』から教育関連の回を抜粋、再編成したのが本書になります。
メルマガの特徴は机上の空論ではなく、リアリズムに基づくところです。
ただ日本を褒めるだけの本に見えますが、実際に成功を収めた教育手法を広めることに主眼が置かれています。
特に冒頭のウガンダで野球を教えたひとの体験談は素晴らしく、基本的な「しつけ」がいかに異文化の若者を変えていったのか、若者の未来にどれだけ大事なのかを教えてくれます。
こうした現場の体験談は示唆に富むと思います。
日本をよりよくしたいひとのために!
【書評】大森望編『ベストSF2020』 [書評]
創元SF文庫で続いた年刊SFアンソロジーが、竹書房で復活です。
大森望が「2019年のベストを選ぶ」というコンセプトで集めた11編です。
かなり多様ですが、個人的にはベテラン草上仁『トビンメの木陰』がベストです。
ショートショートに分類される分量になるかと思いますが、ショートショートらしい簡潔な冒頭と、その冒頭が見事に意外性のあるオチに繋がる構成の巧みさ。
ワンアイデアで書くSFショートショートのお手本のような作品です。やっぱり草上仁は素晴らしいです。
他に印象に残ったが、翻訳ものですが陸秋槎『色のない緑』です。
作家の力量もありますが、翻訳家も上手なのだと思います。これほど読みやすい翻訳SFは久しぶりで、今後も注目したい翻訳家です。
巻末に2019年のSF概要があり、ここを開いて次に読みたい本を探すのも良いかもしれません。
2019年の短編SFを読みたいひとのために!
大森望が「2019年のベストを選ぶ」というコンセプトで集めた11編です。
かなり多様ですが、個人的にはベテラン草上仁『トビンメの木陰』がベストです。
ショートショートに分類される分量になるかと思いますが、ショートショートらしい簡潔な冒頭と、その冒頭が見事に意外性のあるオチに繋がる構成の巧みさ。
ワンアイデアで書くSFショートショートのお手本のような作品です。やっぱり草上仁は素晴らしいです。
他に印象に残ったが、翻訳ものですが陸秋槎『色のない緑』です。
作家の力量もありますが、翻訳家も上手なのだと思います。これほど読みやすい翻訳SFは久しぶりで、今後も注目したい翻訳家です。
巻末に2019年のSF概要があり、ここを開いて次に読みたい本を探すのも良いかもしれません。
2019年の短編SFを読みたいひとのために!
【書評】海音寺潮五郎『武将列伝~戦国終末編~』 [書評]
悪人列伝とセットの本です。
戦国終末編で取り上げられているのが「黒田如水」「蒲生氏郷」「真田昌幸」「長曾我部元親」「伊達政宗」「石田三成」「加藤清正」です
いまの基準だと「石田三成」は英雄とはいえないと思いますし、著者も辛らつな評価をしていますが、当時は評価されていたのでしょう。
真田幸村ではなく父の「昌幸」であるところも、時代を感じます。
海音寺潮五郎は博学で、根拠として様々な本を引き合いに出していますが、孫引きがなくほとんどが一次資料からで、さらに他の資料と比較して誤りは誤りとして正しています。
片手間ではなく、著者が本腰をいれているのが分かる本だと思います。
骨太な戦国武将の評伝を読みたいひとのために!
戦国終末編で取り上げられているのが「黒田如水」「蒲生氏郷」「真田昌幸」「長曾我部元親」「伊達政宗」「石田三成」「加藤清正」です
いまの基準だと「石田三成」は英雄とはいえないと思いますし、著者も辛らつな評価をしていますが、当時は評価されていたのでしょう。
真田幸村ではなく父の「昌幸」であるところも、時代を感じます。
海音寺潮五郎は博学で、根拠として様々な本を引き合いに出していますが、孫引きがなくほとんどが一次資料からで、さらに他の資料と比較して誤りは誤りとして正しています。
片手間ではなく、著者が本腰をいれているのが分かる本だと思います。
骨太な戦国武将の評伝を読みたいひとのために!