【書評】イザベラ・バード『朝鮮紀行』 [書評]
最末期の李氏朝鮮を訪れた旅行記であり、当時の風俗を知る貴重な資料です。
英国人であるイザベラバードが最初に朝鮮を訪れたのは1894年です。
時代背景としては日清戦争の直前で、朝鮮国内では日本と結んで近代化を図ろうとする勢力と、旧来通りに清を頼りにする保守派とで激しい抗争が繰り広げられていました。
当時の朝鮮について、イザベラバードの第一印象は「不潔」「怠惰」と散々です。貨幣経済も未発達で商品は少なく、市井で使える貨幣は不便な穴あき銭程度しかありません。また因習がはびこっており、鬼人の退治や風水に大金を払います。
日本だと室町時代に近い感覚かもしれません。
また朝鮮特有の女性蔑視も甚だしく、プライバシーの概念はなく、さらに見るべき名所もなく、官僚は腐敗しきっていると評価は散々です。僧侶も「だれも見ていなければ戒律を破ってもいい」と酷いものです。少しでも金があるとみなされると、両班がやってきて「金を貸せ」と言って巻き上げる。もちろん返ってこない。だからだれも働かない。
そんな社会だったようです。
ただ、イザベラバードはただ嫌悪することに留まらず、その筆は風靡な風景に目を向け、ときには人々との交流を楽しみ、ロシア国内で懸命に働く朝鮮人の姿に未来への希望を持ちます。
日清戦争後もイザベラバードは朝鮮を訪れていますが、日本が入ってからは一気に環境が改善していきます。
とはいえ、日本人はずいぶんと嫌われていたようです。
口うるさいけど金払いは良く、秩序も守るので、暴虐の限りを尽くした清国人より遥かに良いと思うのですが、このあたりは歴史的なDNAなのでしょうか。
当時の朝鮮を知りたいひとのために!
英国人であるイザベラバードが最初に朝鮮を訪れたのは1894年です。
時代背景としては日清戦争の直前で、朝鮮国内では日本と結んで近代化を図ろうとする勢力と、旧来通りに清を頼りにする保守派とで激しい抗争が繰り広げられていました。
当時の朝鮮について、イザベラバードの第一印象は「不潔」「怠惰」と散々です。貨幣経済も未発達で商品は少なく、市井で使える貨幣は不便な穴あき銭程度しかありません。また因習がはびこっており、鬼人の退治や風水に大金を払います。
日本だと室町時代に近い感覚かもしれません。
また朝鮮特有の女性蔑視も甚だしく、プライバシーの概念はなく、さらに見るべき名所もなく、官僚は腐敗しきっていると評価は散々です。僧侶も「だれも見ていなければ戒律を破ってもいい」と酷いものです。少しでも金があるとみなされると、両班がやってきて「金を貸せ」と言って巻き上げる。もちろん返ってこない。だからだれも働かない。
そんな社会だったようです。
ただ、イザベラバードはただ嫌悪することに留まらず、その筆は風靡な風景に目を向け、ときには人々との交流を楽しみ、ロシア国内で懸命に働く朝鮮人の姿に未来への希望を持ちます。
日清戦争後もイザベラバードは朝鮮を訪れていますが、日本が入ってからは一気に環境が改善していきます。
とはいえ、日本人はずいぶんと嫌われていたようです。
口うるさいけど金払いは良く、秩序も守るので、暴虐の限りを尽くした清国人より遥かに良いと思うのですが、このあたりは歴史的なDNAなのでしょうか。
当時の朝鮮を知りたいひとのために!
【書評】小松左京『アメリカの壁』 [書評]
多種多様な短編集です。
収録されているのは6編です。
「アメリカの壁」は小松左京の十八番ともいえるパニックSFで、首都消失のアメリカ版(本作の方が先ですが)で、かつ壁の内側を描きます。
「鳩啼時計」はミステリです。一時期、小松左京は食うためにミステリを書いていたらしいです。時代がかかった通常のミステリと思わせて、すっかり騙されました。
「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」は分類するとしらバカミスでしょうか。超常現象をプラスです。
「ハイネックの女」はホラーでしょうか。なぜハイネックで首を隠しているのかと言えば……と書けば、なんとなくイメージが付くと思います。
個人的には「眠りと旅と夢」が一番好きかな。
ミイラが発掘されるのですが、そのミイラは直前まで生きていた兆候があったというミステリ仕立ての作品です。
彼らは特殊な方法を持ちいて「長い夢」を見ていることが判明するのですが、もしかたら現代宇宙も彼らの夢の一部ではないかと、そう示唆されて話は終わります。
設定も興味を引きますし、ラストも好きです。
多種多様な小松左京を楽しみたいひとのために!
収録されているのは6編です。
「アメリカの壁」は小松左京の十八番ともいえるパニックSFで、首都消失のアメリカ版(本作の方が先ですが)で、かつ壁の内側を描きます。
「鳩啼時計」はミステリです。一時期、小松左京は食うためにミステリを書いていたらしいです。時代がかかった通常のミステリと思わせて、すっかり騙されました。
「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」は分類するとしらバカミスでしょうか。超常現象をプラスです。
「ハイネックの女」はホラーでしょうか。なぜハイネックで首を隠しているのかと言えば……と書けば、なんとなくイメージが付くと思います。
個人的には「眠りと旅と夢」が一番好きかな。
ミイラが発掘されるのですが、そのミイラは直前まで生きていた兆候があったというミステリ仕立ての作品です。
彼らは特殊な方法を持ちいて「長い夢」を見ていることが判明するのですが、もしかたら現代宇宙も彼らの夢の一部ではないかと、そう示唆されて話は終わります。
設定も興味を引きますし、ラストも好きです。
多種多様な小松左京を楽しみたいひとのために!
【書評】小松左京『見知らぬ明日』 [書評]
小松左京のパニックSFです。
ある日、中ソ国境付近に宇宙人が来襲します。
彼等は敵対的で、徐々に地球への侵略を開始します。
通常兵器では歯が立たないので、米ソ両国を中心とした国際軍が、唯一効果のあった水爆を宇宙人の基地に打ち込むことにします。
宇宙人は高いところを好むらしく、アジアでは富士山の山頂が宇宙人の基地になっているため……というストーリーです。
本作は1969年ですが、後年(1985)発表される『首都消失』のコンパクト版、という感じがします。
当時の中国は国連加盟前(当時は中華民国=台湾が国連加盟国)で、そうした政治情勢が色濃く反映されています。
各国の動きもリアリティがあり、視点もそれほど拡散していないので読みやすいです。
大作という意味では『首都消失』ですが、エンタメとしては本作を推したいです。
主人公は新聞記者ですが、民間企業で各国に飛び、様々な情報収集をするという意味でストーリーの語りてとして便利なのかもしれません。
『首都消失』でも、新聞記者が重要な役割を果たしています。
小松左京の手ごろなパニックSFを読みたいひとのために!
ある日、中ソ国境付近に宇宙人が来襲します。
彼等は敵対的で、徐々に地球への侵略を開始します。
通常兵器では歯が立たないので、米ソ両国を中心とした国際軍が、唯一効果のあった水爆を宇宙人の基地に打ち込むことにします。
宇宙人は高いところを好むらしく、アジアでは富士山の山頂が宇宙人の基地になっているため……というストーリーです。
本作は1969年ですが、後年(1985)発表される『首都消失』のコンパクト版、という感じがします。
当時の中国は国連加盟前(当時は中華民国=台湾が国連加盟国)で、そうした政治情勢が色濃く反映されています。
各国の動きもリアリティがあり、視点もそれほど拡散していないので読みやすいです。
大作という意味では『首都消失』ですが、エンタメとしては本作を推したいです。
主人公は新聞記者ですが、民間企業で各国に飛び、様々な情報収集をするという意味でストーリーの語りてとして便利なのかもしれません。
『首都消失』でも、新聞記者が重要な役割を果たしています。
小松左京の手ごろなパニックSFを読みたいひとのために!
【書評】小松左京『首都消失』 [書評]
小松左京の代表作で、第6回日本SF大賞受賞作です。
ある日、突然日本の首都東京が謎の雲に覆われます。
その雲は電波、通行、あらゆるものを遮断し、東京とコンタクトが取れなくなります。
政治、経済が集中する首都圏が消えたことで、日本中がパニック襲われ、弱くなった日本を狙って周辺国の策動が始まります。
系統としてはパニックSFで、『復活の日』『日本沈没』と繋がります。
民間会社、新聞記者、外交官、自衛隊、政治家のそれぞれの視点で物語が続き、日本の混乱と、そこから秩序を作り出そうとする人々の奮闘が描かれます。
小松左京作品の特徴ですが、当時の世界情勢、様々な科学知識が動員され読み応えのあるSF長編に仕上がっています。
最後には雲は消失するのですが、雲の正体が、正直なんだかなあという部分はありますが。
小松左京の代表作を読みたい人のために!
ある日、突然日本の首都東京が謎の雲に覆われます。
その雲は電波、通行、あらゆるものを遮断し、東京とコンタクトが取れなくなります。
政治、経済が集中する首都圏が消えたことで、日本中がパニック襲われ、弱くなった日本を狙って周辺国の策動が始まります。
系統としてはパニックSFで、『復活の日』『日本沈没』と繋がります。
民間会社、新聞記者、外交官、自衛隊、政治家のそれぞれの視点で物語が続き、日本の混乱と、そこから秩序を作り出そうとする人々の奮闘が描かれます。
小松左京作品の特徴ですが、当時の世界情勢、様々な科学知識が動員され読み応えのあるSF長編に仕上がっています。
最後には雲は消失するのですが、雲の正体が、正直なんだかなあという部分はありますが。
小松左京の代表作を読みたい人のために!
【書評】筒井康隆『富豪刑事』 [書評]
深田恭子主演でTVドラマ化もされた人気作です。
主人公は大富豪の子供ですが、TVドラマとは違って男性です。
悪いことをして大富豪になったため、息子が犯人逮捕という善行のためにお金を使うことに対して涙を流して喜ぶ老父と、その老父の美人秘書である女性の3人が主要キャラです。
主要キャラだけでなく、刑事たちもひとくせあるキャラが揃っており、まさに珍品ミステリだと思います。
本書には4編収録されていますが、それぞれパターンを変えています。
『富豪刑事の囮』では犯人たちに富豪に張り合わせるよう競わせ、『密室の富豪刑事』では犯人逮捕のために会社や工場まで設立し……とまあ、本書は解説するだけヤボです。
ただただ、エンターテイメントとして面白いです。
ミステリとして読むと、瞬時に犯人が分かったりする部分もありますが、キャラたちの軽妙なやり取りや、富豪刑事の突飛なアイデアだけで楽しめます。
昭和53年ですが、いまでも十分に楽しめる本だと思います。
読書の楽しさを再発見したいひとのために!
主人公は大富豪の子供ですが、TVドラマとは違って男性です。
悪いことをして大富豪になったため、息子が犯人逮捕という善行のためにお金を使うことに対して涙を流して喜ぶ老父と、その老父の美人秘書である女性の3人が主要キャラです。
主要キャラだけでなく、刑事たちもひとくせあるキャラが揃っており、まさに珍品ミステリだと思います。
本書には4編収録されていますが、それぞれパターンを変えています。
『富豪刑事の囮』では犯人たちに富豪に張り合わせるよう競わせ、『密室の富豪刑事』では犯人逮捕のために会社や工場まで設立し……とまあ、本書は解説するだけヤボです。
ただただ、エンターテイメントとして面白いです。
ミステリとして読むと、瞬時に犯人が分かったりする部分もありますが、キャラたちの軽妙なやり取りや、富豪刑事の突飛なアイデアだけで楽しめます。
昭和53年ですが、いまでも十分に楽しめる本だと思います。
読書の楽しさを再発見したいひとのために!
【書評】星新一『進化した猿たち The Best』 [書評]
『進化した猿たち Part1~ Part3』までのエッセイ部分の総集編です。
『進化した猿たち』は星新一の趣味であるヒトコマ漫画を集めて、それにエッセイを付けた傑作本です。
『進化した猿たち』のあとがきに書かれていますが、ヒトコマを掲載するにあたり著作権者に了解をとる大変で、そもそも著作権者が分からないケースも多々あったといいます。
出版社が苦労し、なんとか著作権者をたどりあて、了解が取れたヒトコマ漫画が多数掲載されています。
まだ出版社に余裕があったときの産物だと思います。
で、『進化した猿たち The Best』ですが、残念なことにヒトコママンガの掲載はほとんどありません。章の始めに1つだけです。おそらく著作権の問題でしょう。
そういう意味では残念ですが、エッセイ部分だけでも十分に面白く、ユーモアあふれる語り口は絶品です。
読んで損はないと思います。
星新一ファンのために!
『進化した猿たち』は星新一の趣味であるヒトコマ漫画を集めて、それにエッセイを付けた傑作本です。
『進化した猿たち』のあとがきに書かれていますが、ヒトコマを掲載するにあたり著作権者に了解をとる大変で、そもそも著作権者が分からないケースも多々あったといいます。
出版社が苦労し、なんとか著作権者をたどりあて、了解が取れたヒトコマ漫画が多数掲載されています。
まだ出版社に余裕があったときの産物だと思います。
で、『進化した猿たち The Best』ですが、残念なことにヒトコママンガの掲載はほとんどありません。章の始めに1つだけです。おそらく著作権の問題でしょう。
そういう意味では残念ですが、エッセイ部分だけでも十分に面白く、ユーモアあふれる語り口は絶品です。
読んで損はないと思います。
星新一ファンのために!
【書評】小松左京『果しなき流れの果に』 [書評]
小松左京の最高傑作と呼ばれる作品です。
冒頭で不思議な砂時計が発掘されます。それはいくら砂を落とし続けても砂がなくならないし、溜まることもありません。
そして発掘を主導した研究所の助手が行方不明になります。
ここまでが冒頭で、次に将来の地球に未来人がやってきて、太陽コロナの爆発により絶滅寸前の地球を助けると称して、何人かの現代人を連れ去ります。
未来人の正体と目的を悟り、連れ去れたひとりである主人公は逃げ出し、追いかけられることになります。
みたいなストーリーです。
テーマは「歴史を改変してはいけないのか?」になります。このテーマは広範囲なるほど明瞭になっていて、現代の歴史もすでに改変された結果であることが示唆されます。
最後はある意味では大円団で幕を閉じます。謎の砂時計の正体もきっちりと説明されます。
非常にスケールの大きなタイムトラベルSFだと思います。
解説によるとこの作品は「ワイド・スクリーン・バロック」に当てはまるとしていますが、いまひとつピンとこなかったり。
日本が生み出した壮大なるSFを堪能したいひとのために!
冒頭で不思議な砂時計が発掘されます。それはいくら砂を落とし続けても砂がなくならないし、溜まることもありません。
そして発掘を主導した研究所の助手が行方不明になります。
ここまでが冒頭で、次に将来の地球に未来人がやってきて、太陽コロナの爆発により絶滅寸前の地球を助けると称して、何人かの現代人を連れ去ります。
未来人の正体と目的を悟り、連れ去れたひとりである主人公は逃げ出し、追いかけられることになります。
みたいなストーリーです。
テーマは「歴史を改変してはいけないのか?」になります。このテーマは広範囲なるほど明瞭になっていて、現代の歴史もすでに改変された結果であることが示唆されます。
最後はある意味では大円団で幕を閉じます。謎の砂時計の正体もきっちりと説明されます。
非常にスケールの大きなタイムトラベルSFだと思います。
解説によるとこの作品は「ワイド・スクリーン・バロック」に当てはまるとしていますが、いまひとつピンとこなかったり。
日本が生み出した壮大なるSFを堪能したいひとのために!
【書評】小松左京『ゴルディアスの結び目』 [書評]
表題作は1978年の星雲賞(短編部門)受賞作です。
ゴルディアスの結び目とは、アレクサンドロス大王にまつわる伝説です。
「この結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と予言された結び目を、遠征中のアレクサンドロス大王が、一刀のもとに断ち切ってしまいます。
つまり、予想外の方法で問題を解決することを指しています。コロンブスの卵と同系統の話ですが、ゴルディアスの結び目は機知だけでなく大胆さも加わっています。
本作の主人公は、精神分析医です。
すべてに絶望したマリアが産み出す力を探るために、主人公は彼女の精神に潜り込んでいきますが、結果として彼女がいた部屋がどんどん圧縮されて小さな球体となり、それはいつしかブラックホールになる運命であった、という感じの話です。
この当時に、この発想で、SFを書ききったことがすごいと思います。
時代を数十年先取りしていると感じます。
ただ、ライトなSFファンには読みにくいかもしれません。
表題作以外にも『岬にて』『すぺるむ・さぴえんすの冒険 - Sperm Sapiens Dunamaiの航海とその死』『あなろぐ・らう゛または“こすもごにあII”』も収録されています。
星雲賞(短編部門)受賞作を読みたいひとのために!
ゴルディアスの結び目とは、アレクサンドロス大王にまつわる伝説です。
「この結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と予言された結び目を、遠征中のアレクサンドロス大王が、一刀のもとに断ち切ってしまいます。
つまり、予想外の方法で問題を解決することを指しています。コロンブスの卵と同系統の話ですが、ゴルディアスの結び目は機知だけでなく大胆さも加わっています。
本作の主人公は、精神分析医です。
すべてに絶望したマリアが産み出す力を探るために、主人公は彼女の精神に潜り込んでいきますが、結果として彼女がいた部屋がどんどん圧縮されて小さな球体となり、それはいつしかブラックホールになる運命であった、という感じの話です。
この当時に、この発想で、SFを書ききったことがすごいと思います。
時代を数十年先取りしていると感じます。
ただ、ライトなSFファンには読みにくいかもしれません。
表題作以外にも『岬にて』『すぺるむ・さぴえんすの冒険 - Sperm Sapiens Dunamaiの航海とその死』『あなろぐ・らう゛または“こすもごにあII”』も収録されています。
星雲賞(短編部門)受賞作を読みたいひとのために!
【書評】筒井康隆『エディプスの恋人』 [書評]
七瀬三部作の最終章です。
エディプスとは古代ギリシャの神様です。
この神様は、知らずに実父を殺し、実母を事実婚として娶ってしまいます。フロイトが提唱した「エディプスコンプレックス」の語源ともなっています。
さて、本書の七瀬はまた少し年齢を重ね、学校の事務員となっています。
そこで強大な「意思の力」の存在を知り、その秘密を解き明かそうと少年に近づきますが、いつしかその少年と恋仲になってしまいます。
いままでは連作短編でしたが、本作は長編となっています。
謎を解くために主人公は冒険をしますが、ちょっと時代を感じてしまいます。
単行本の初版が1977年なのでやむを得ないのですが。
また、キャラの行動がなんとなくしっくりこなくて、考えていたラストシーンに持っていくために、ちょっと無理をしたのかもしれません。
さて、七瀬シリーズのうち『家族八景』『七瀬ふたたび』は映像化されていますが、本書は映像化されていません。
さすがに最後のシーンが、いろいろとひっかかったのかも。
七瀬シリーズの完結編を読みたいひとのために!
エディプスとは古代ギリシャの神様です。
この神様は、知らずに実父を殺し、実母を事実婚として娶ってしまいます。フロイトが提唱した「エディプスコンプレックス」の語源ともなっています。
さて、本書の七瀬はまた少し年齢を重ね、学校の事務員となっています。
そこで強大な「意思の力」の存在を知り、その秘密を解き明かそうと少年に近づきますが、いつしかその少年と恋仲になってしまいます。
いままでは連作短編でしたが、本作は長編となっています。
謎を解くために主人公は冒険をしますが、ちょっと時代を感じてしまいます。
単行本の初版が1977年なのでやむを得ないのですが。
また、キャラの行動がなんとなくしっくりこなくて、考えていたラストシーンに持っていくために、ちょっと無理をしたのかもしれません。
さて、七瀬シリーズのうち『家族八景』『七瀬ふたたび』は映像化されていますが、本書は映像化されていません。
さすがに最後のシーンが、いろいろとひっかかったのかも。
七瀬シリーズの完結編を読みたいひとのために!
【書評】船登椎希外『改定版・高校の勉強のトリセツ』 [書評]
大学受験の勉強のトリセツを教える本です。
自分にとって、大学受験は懐かしい思い出です。
いま当時の自分の勉強法を振り返ると、とても効率が悪かったなと思います。
本書ではスケジュールの立て方など基本的なことから、科目ごとの勉強のコツを教えてくれます。
英語は英単語が必須で、その次が精読。数学は計算を確実にこなして、受験にでてくる典型問題を繰り返す。
その他の科目についても、勉強のコツと、受験に向けた科目の選び方を説明してくれます。
ただ、この本を読んで実践できるレベルの生徒なら、説明されなくてもできるかもしれません。分かっていてもできない生徒が多数なので。
そう考えると、むしろ親向けなのかもしれません。
大学受験を真剣に考えたいひと向けに!
自分にとって、大学受験は懐かしい思い出です。
いま当時の自分の勉強法を振り返ると、とても効率が悪かったなと思います。
本書ではスケジュールの立て方など基本的なことから、科目ごとの勉強のコツを教えてくれます。
英語は英単語が必須で、その次が精読。数学は計算を確実にこなして、受験にでてくる典型問題を繰り返す。
その他の科目についても、勉強のコツと、受験に向けた科目の選び方を説明してくれます。
ただ、この本を読んで実践できるレベルの生徒なら、説明されなくてもできるかもしれません。分かっていてもできない生徒が多数なので。
そう考えると、むしろ親向けなのかもしれません。
大学受験を真剣に考えたいひと向けに!