【書評】井上靖『孔子』 [書評]
井上靖最後の長編で、野間文芸賞受賞作です。
小説の主人公は架空の弟子、エンキョウです。
孔子の死後三十年ほどたち、孔子の言葉を残し、まとめようとする会議が開かれます。その会議に孔子の直弟子の生き残りであるエンキョウが招かれ、ときに孔子の生涯を語り、ときに孔子に関する質問を受け付けます。
あくまで小説でなので架空ではありますが、孔子の言葉の解釈を求められ、エンキョウの口を借りて、著者の考えが前面に出てきます。
孔子は諸国遊説を続け、楚の昭王と会談する機会を待ち続けますが、為されぬまま昭王が死去します。
夢破れた孔子は「帰えらんか、帰えらんか」との言葉を発して、故郷に戻り、後進の育成に励むことになります。
物語の最後で、旅を通じて、エンキョウは孔子が昭王に訴えたかったことを悟ります。
小説の主題は「天命」だと感じました。
天命には逆らえない。もし天命が納得いかないのなら、天命とケンカして、討ち死にするしかない。
エンキョウの悟りが井上靖の到達点かもしれないと感じました。
井上文学の集大成を堪能したいひとのために!
小説の主人公は架空の弟子、エンキョウです。
孔子の死後三十年ほどたち、孔子の言葉を残し、まとめようとする会議が開かれます。その会議に孔子の直弟子の生き残りであるエンキョウが招かれ、ときに孔子の生涯を語り、ときに孔子に関する質問を受け付けます。
あくまで小説でなので架空ではありますが、孔子の言葉の解釈を求められ、エンキョウの口を借りて、著者の考えが前面に出てきます。
孔子は諸国遊説を続け、楚の昭王と会談する機会を待ち続けますが、為されぬまま昭王が死去します。
夢破れた孔子は「帰えらんか、帰えらんか」との言葉を発して、故郷に戻り、後進の育成に励むことになります。
物語の最後で、旅を通じて、エンキョウは孔子が昭王に訴えたかったことを悟ります。
小説の主題は「天命」だと感じました。
天命には逆らえない。もし天命が納得いかないのなら、天命とケンカして、討ち死にするしかない。
エンキョウの悟りが井上靖の到達点かもしれないと感じました。
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