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【映画】ジュマンジ [映画評]

同名児童文学の映画化で、荒唐無稽な冒険譚が楽しい話です。


ジュマンジ [Blu-ray]

ジュマンジ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2011/07/22
  • メディア: Blu-ray



物語は1969年から始まります。
主人公は靴会社の御曹司で、金持ちですが虐められていて、いつも逃げています。
そんな息子を、父は叱責します
そんな中、主人公は「ジュマンジ」というゲームを拾います。そのゲームはサイコロを振ると自動的に駒が動き、中央のガラスに不思議な文字が現れます。
そして、その文字の通りの出来事が発生します。
主人公はガールフレンドとゲームを始めますが、主人公はジャングルに閉じ込められ、彼女は逃げ出します。
26年後に家を購入した姉弟とその叔母ですが、姉弟がジュマンジを発見してしまいます。
二人はサイコロを振ってしまい、不思議なゲームに巻き込まれていきます。
という感じです。
とにかく次から次へと襲ってくる荒唐無稽な出来事が、映画の売りです。
コウモリ、サル、ライオン、動物の大群、奇妙な食虫植物、密猟者、洪水にワニ、地震、床が砂になる、などなどどんどん世界が破壊されていきます。
主人公は靴工場に向かいますが、そこですでに父の会社が破産していることを知ります。主人公を失った父は、全財産を捜索に費やし、仕事への熱意を失い、没落して死亡していました。
と同時に、町の経済を支えていた靴工場がなくなったことで、地域はスラム化していました。
呆然とする主人公。ここがミッドポイントです。
意を決した主人公は、元の世界をともり戻すべく、力を合わせてゴールを目指します。
児童文学らしくテーマは子供たちの成長です。
1969年の2人組は、二人ともゲームから逃げ出しいましたが、解決するために立ち向かいます。そうした中で1996年の2人組の両親のような立場となり、主人公は当時は理解できなかった父親の気持ちを理解します。
1996年組の姉弟ですが、こちらは姉がしっかり者という設定ですが、弟が主体的に動くようになり、成長する姿を見せてくれます。
元の世界に戻った主人公は、父に罪の告白をして、許されます。そして、父は息子に謝罪をして、お互いの愛を確かめます。
この愛を確かめるシーンにために、いままでの試練があり、この壁が高ければ高いほど、和解の価値が上がるという仕組みです。
全体的にユーモアテイストで描かれており、残虐シーンはありません。
ラストのプロローグも、ハッピーエンドで、ファミリー映画らしくしめてくれます。
だれもが安心してみることができる映画だと思います。
ちなみに1996年組の姉を演じたキルスティン・ダンストは、サムライミ版スパイダーマンシリーズでМJを演じた女優です。
よく見ると面影があります。
製作費65百万ドルで、興行収入2億63百万ドルのヒット作です。

家族で楽しめるファンタジー映画を探しているひとのために!
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【書評】朝倉秋成『失恋の準備をお願いします』 [書評]

抱腹絶倒の連作恋愛短編集です。


失恋の準備をお願いします (講談社タイガ)

失恋の準備をお願いします (講談社タイガ)

  • 作者: 浅倉秋成
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/12/15
  • メディア: Kindle版



収録作品は6話。
全部が同じ架空の町で起こった恋愛騒動で、それぞれが微妙に絡み合います。
第1話は東京の大学に出る女子高生。告白相手から振られるために、「自分は魔法使い」というトンデモないウソをついてしまいます。
第2話は和風人形型のウソ発見器をもらった男子高校生の話。
第3話はモテモテ体質のイケメン転校生の悩み。
第4話は極端な盗癖がある女子小学生の話。
第5話は退職する度胸のないサラリーマンが、ブラック企業からクビにされるため、変な作戦を繰り返す話。
第6話はこれらの話のまとめです。
とにかく第5話が面白い。
サラリーマンの勤務先は「たなかマヨネーズ」なのだが、この語呂の良さと、サラリーマンが無関係の若者にラリアットをかましたあげくに「たなかマヨネーズ」をアピールするシーンが絶品です。
文体はかなりライトノベルよりで、ときおき滑っている部分もありますが、それもふくめて全体の雰囲気がユーモアにあふれていて、とても楽しく読むことができました。
ザ・エンタメ、という感じです。

楽しい読書体験をしたいひとのために!
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