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第94期棋聖第1局(藤井聡太棋聖VS佐々木大地七段) [将棋]

佐々木大地七段がタイトル戦に初登場です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/

棋聖戦第1局は海外対局となりました。
一時期、竜王戦で毎年海外対局を実施していましたが、棋聖戦では始めてではないかと思います。将棋界全体として、約4年ぶりの海外対局です。
舞台はべトナム・ダナンの「ダナン三日月」です。名前のとおり、三日月グループです。
ホテル三日月と棋聖戦ですが、第92期、第93期は三日月グループの本拠である「龍宮城スパホテル三日月」で対局が行われています。
特別協賛のヒューリックはホテル事業も行っているので、その繋がりかと思います。
「ダナン三日月」は社運を賭けた、総投資額120億円のビックプロジェクトです。
藤井棋聖というスーパースターがいる棋聖戦を通じて、「ダナン三日月」の周知を図るとともに、将棋の海外普及に繋がればいいなと思います。
海外対局の難しさはその費用です。関係者の宿泊費、旅費も招待側の負担なので、海外対局は合計するとかなりの金額になると思われます。
費用面の負担の軽減が、海外対局普及のカギになるかもしれません。
さあ、日本の誇るビックホテル、ダナン三日月での対局はどのような結果になったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/94/kisei202306050101.html

ということで、将棋です。
先手は藤井棋聖。十八番の先手角換わりに対して、後手佐々木大七段は堂々と受けて立ちます。
最新型AIでは角換わりは先手必勝といわれつつあるなかで、絶対王者相手にチャレンジングな選択です。
そこから一時期頻繁に指されいてた桂ポンから後手の桂馬を取り返す展開となります。
お互い研究範囲なのか手が早いです。
考慮時間が目立ってきたのは、60手目からです。ここからは一手が難しく、お互いに考慮を重ねます。
それでも徐々に藤井棋聖ペースで進んできましたが、85手目に異変がおきます。
藤井棋聖の5二と金が疑問手で、攻め駒を清算してから6七銀と自陣に埋めるのでは変調です。
しかし、佐々木大七段の8六歩にすかさず1七角と打って、再びリードをものにしました。
ここは金を上がって桂馬にひもをつけておけば、難しかったようです。
もっともこの時点で佐々木大七段の残り時間は3分であり、1分の考慮時間を割いたものの、結果的には時間切迫が痛かったのかなと思います。
非常に難解な将棋を藤井棋聖は113手まで勝ちきり、4連覇に向けて幸先のよいスタートを切りました。

第2局は6月23日(金)、兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われます!
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【掌編】齊藤想『老妖怪たち』 [自作ショートショート]

第4回小説でもどうぞ!W選考員会版への応募作その2です。
テーマは「老い」でした。

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 『老妖怪たち』 齊藤 想

 妖怪だって年を取る。老化を食い止めるためにアンチエイジングに励んでいる。だが、よる年波にはかなわない。
 屋台を引くのっぺら坊は、最近人気のとんこつ味のラーメンを茹でながら、お客に向かって顔を上げた。
「お客様は、こんな顔を見たことがあるかい?」
 昔はこれで驚いてくれた。しかし、いまやのっぺらぼうの顔はしわだらけで、それがちょうど目や口に見えるものだから、逆にお客様から「こんな年まで働くなんて大変だねえ。年金も減る一方で困ったものだ」と同情される始末。
 ろくろ首も老化が著しい。
 若いころは自由自在に長い首を動かせたが、五百歳を超えたころから骨が固くなり、筋力も落ちたため、首が肩より上にあがらない。五十肩ならぬ五百首だ。
 いまや長くて重すぎる首を肩の周りに載せているだけなので、傍目には肌色のマフラーを巻いているように見える。
 おかげで夜中に繁華街を歩いても、夜遊びしている和服の貴婦人か銀座のママとしか見られず、スナックのスカウトたちが集まって次々と名刺を渡してくる。
 からかさ小僧はさらに酷い。いまや「からから小僧」ではなく「からかさ爺」となり、膝が痛くて立っているのがやっとだ。
 いつも壁にもたれかかっているので、置忘れの傘に間違えられて、鉄道の遺失物置き場まで運ばれたことは数知れずだ。
 このままでは、妖怪としての役目を果たせない。妖怪の仕事とは、人間を驚かし、未知に対する恐怖を覚えさせ、自然に対する敬意の念を起こさせることなのだ。
 人間どもはやりたい放題で、自然への敬意を失っている。
 森林破壊にとめどなく放出される二酸化炭素による温暖化。とめどなく生み出される核廃棄物に、次々と絶滅する動植物たち。
 このまま朽ちてなるものか。いまこそ妖怪たちの力が必要なのだ。
 老妖怪たちは、若返りのため、人間界に混じりながら極秘プロジェクトを開始した。
 のっぺら坊は美容整形クリニックで皺伸ばしをするのと同時に、美容液とパックで若々しい美肌を取り戻そうとした。
 ろくろ首は整骨院とマッサージ店に通いつつ、コルセットで固めて首の負担を軽減することにした。
 からから小僧は膝を守るサポーターを購入するだけでなく、筋力増強のために地元のサッカークラブに加入してトレーニングを開始した。
 人間に対抗することを諦めていたタヌキやキツネも、老妖怪たちの頑張りに元気を取り戻して化ける練習を再開した。
 往年の技を取り戻したタヌキとキツネたちは、老妖怪のために美容液や湿布やサポーターの購入に走り回るだけでなく、何匹かは政治家にまで昇りつめることに成功した。
 妖怪たちの出現の準備が整いつつある。だが、ここで地獄の閻魔様からストップがかかった。
「人間どもも少し反省を始めたようで、世界中で環境保護運動が盛り上がっている。しばらく様子を見ようではないか」
 老妖怪たちは閻魔様の指令にほっとした。
 いまや老妖怪たちは、人間界に完全に溶け込んでいた。
 のっぺら坊は評判のラーメン屋となり、毎日楽しそうに麺を茹で続けている。
 ろくろ首は銀座のママとして大活躍し、業界人や芸能人にも顔が効くようになった。
 からかさ小僧も片足のエースとしてテレビにも取り上げられ、チームで大活躍している。
 タヌキとキツネが化けた政治家たちは、もっともらしいことを演説して世の中を盛り上げている。
 老妖怪たちは思った
 若いころは人間たちを驚かし、畏怖されることに快感を覚えていた。しかし年をとり、そうした稚気がなくなると、なんとなく大きな心で人間界を見渡すようになっている。
 これが、大人になるということなのもしれない。
 妖怪たちが大人になるぐらいだから、人間も大人にならないわけがない。いつか人間界も発展と環境保護との折り合いをつけてくれるだろう。
 もし、関係性が破綻したときこそ、老妖怪たちは全力をつくして人間界をつぶさなくレはならない。
 破滅の日が、一生来なければいいのだが。
 そのような願いを込めて、老妖怪たちは今日も人間界を見守り続けている。

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最近の金融・投資【令和5年6月第1週】 [金融・投資]

〔株式市場〕
なんだかんだとジリジリ上がり続け、自分の持ち株基準だと史上最高値にまで達する。
5月28日に米国債務上限問題の解決で株式が上がったけど、どこかで妥協せざるをえないので、出来レースですからね。
そこからは調整で下がったりしたけど、1年前を思うとかなりの高水準。
終末に近づくにつれグイグイ上昇して、なぜか自分史上最高値を更新する。
そろそろ買増ししようと思って2種類の株をずーっとチェックしているけど、ここまで上がっていると手を出しにくい。
何かのタイミングで下がりそうな気がするのでもう少し様子見です。

〔明和地所の株主優待の話〕
元々株を保有していたのだが、新たに株主優待制度が導入されて、棚ぼたで優待品がもらえることになった。
ありがたいことです。
仕組みとしては人気の選べるギフトで、保有株数によってポイントが違う。
選べる種類がとても多いので、いろいろと目移りしてしまう。
悩んだあげくにレアチーズケーキとアイスのセットを頼みました。残るポイントは来年度に繰り越しです。
こんなにお得な優待制度なら、ポイントがもうワンランク増えるまで株式を買増そうかな。
あとは株価の様子を見ながら、という感じですが。
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