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【映画】ダークナイト・ライジング [映画評]

ダークナイト3部作の最終章で、あらゆる伏線が回収される傑作です。


ダークナイト ライジング [Blu-ray]

ダークナイト ライジング [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: Blu-ray



ノーラン監督が描くバットマン最終章。
ビギニングでダークナイトの誕生を描き、ダークナイトで英雄の罪を背負って闇の世界で生きることを決意し、そしてライジングで復活し、人生の結論を出します。
さてざっくりとしたストーリーです。
前作で恋人を救えず、英雄デントの罪を背負い、バットマンは沈黙を続けます。
体中はガタガタで杖を使わなければ歩けず、世捨て人のような生活を続けます。
ウェイン産業は危機に陥っていました。
核融合技術に資金をつぎ込んで失敗し、経営が傾きます。
汚れた町、ゴッサムシティを浄化することを使命とする「影の同盟」の生き残りが活動します。
ウェイン産業の乗っ取りをたくらむ幹部は、女怪盗にブルースウェインの指紋を盗ませます。
その怪盗は幹部に裏切られたため警察を呼び、傭兵と銃撃戦になります。
この傭兵が「影の同盟」で、ゴードンが負傷します。
というのが前半です。
中盤は危機を前にしてバットマンが復帰しますが、執事には「あなたは危機を望んでいる」と警告され、そしてウェイン家から去ることになります。
ブルースウェインは富豪でしたが、盗まれた指紋で株式取引が行われ、一夜にして一文無しになります。
幹部にウェイン産業が乗っ取られますが、核融合技術開発に熱心な役員を会長職に押すことで危機を切り抜けます。
ここで「影の同盟」が牙をむきます。
いままで利用してきた幹部を殺害し、ウェイン産業を乗っ取ります。そして核融合炉を奪取します。装置から取り外された核融合炉は、炉心が不安定化し、5か月後に爆発します。
入院中のゴードンは病院から脱出し、信頼できる若手警官とともに活動を再開します。
「影の同盟」は策略によって警官3000名を閉じ込め、市民に富める者への憎悪を呼びかけることで、ゴッサムシティを支配下に置きます。
バットマンも「影の同盟」との戦いに負け、牢獄に閉じ込められます。
この牢獄を脱出できたのは1人だけ。
そして……
という感じストーリーです。
脚本を書いたのはノーラン兄弟ですが、本当に天才だと思います。
複数のラインがある複雑なストーリーなのですが、見せる順番を工夫することで、すっきりと理解できるように整理されています。
ヒーロー映画の見どころでもある新しい兵器も登場し、序破急といった構造の基本も抑えられています。主人公の挫折、葛藤、成長もあります。さらには終盤のどんでん返しも、計算されつくしています。
そして、ビギニング、ダークナイトの前2作からの伏線も、きっちりと回収され、テーマも描き切っています。
「立ち上がることができれば、だれもがヒーロー」
最前線で戦うバットマンもヒーローですが、貧弱な鉄砲で立ち向かう警察官、市民に避難を呼びかける子供たち、さらには親をなくした子供に上着をかけてあげる大人、だれもがヒーローであることがテーマに込めていると感じます。
あと、女怪盗(セリーナカイル/キャットウーマン)を演じたアン・ハサウェイはいいですね。アクションシーンも訓練を積んだうえで、自ら行ったようです。
興行成績10億8千万ドルの大ヒット作です。

ノーラン監督の天才ぶりを堪能したいひとのために!

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