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【書評】ニクラス・ブレンボー『寿命ハック~死なない細胞、老いない身体~』 [書評]

老化研究最前線を紹介する良著です。


寿命ハック―死なない細胞、老いない身体―(新潮新書)

寿命ハック―死なない細胞、老いない身体―(新潮新書)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/12/19
  • メディア: Kindle版



著者は執筆当時25歳の若手研究者ですが、紹介されている内容は多岐に渡ります。
文書量の比べて情報量が圧倒的なのですが、その中で自分が印象に残ったトピックスを何個か取り上げます。

・老化はプログラムされているのか?
 よくよく考えると、「なぜ生物は老化するのか」不思議です。不老不死の方が生物上有利だと思われます。
 諸説あるようですが、生物が事故や病気でいつか死ぬので、不確定な未来より現在に全力投球するように進化したという仮説が有力のようです。
・ストレスこそ生物を強くする。
 適度なストレスは、生物を強くして長生きするようになります。
 ホルミシスといい、適度なダメージ……絶食、放射能、化合物……等により、かえって長生きになるようです。
・エピジェネティック時計
 生物学的年齢を計るのにテロメアが有名ですが、実は生物間の差異が激しく、エピジェネティック時計がより有効のようです。
 生物学上、100歳の半分は93歳といのは驚きです。
・赤ワインを飲む人が長寿なのではなく、長寿のひとに赤ワインを飲む習慣が多いにすぎない。
 このように因果関係が逆の話は、たくさんある。

この本を読むと、長生きできそうな気がします。
また、怪しげな健康商品にだまされないという意味でも有益だと思います。
とても参考になります。


寿命や老化、若返りについての最新研究を知りたいひとのために!
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