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ABEMAトーナメント2023【ドラフト会議】 [将棋]

もはや恒例となったABEMAトーナメントです。

〔番組HP〕
https://abema.tv/video/title/288-37

かなり事前予想が難しかったチーム編成ですが、結果は以下のようになりました。

△T藤井 澤田・齊藤裕
 T渡辺 勇気・岡部
◎T永瀬 増田康・本田
△T羽生 伊藤匠・梶浦
 T康光 高見・大橋
 T天彦 三枚堂・戸辺
 T豊島 木村・池永
 T山崎 太地・大地
○T広瀬 近藤誠・石井
 T糸谷 森内・徳田
○T稲葉 服部・出口
 T菅井 船江・西川
 T斎藤 黒田・冨田
 T千田 西田・藤本

今年はガチ勢が多い印象です。
本命はチーム永瀬です。人気の増田康宏六段を獲得できたのは大きいです。2番目も本田奎五段と穴のないメンバーを揃えてきました。
対抗はチーム広瀬とチーム稲葉でしょうか。
両リーダーともフィッシャーの適性が高く、それぞれ一巡目で近藤誠也七段、服部慎一郎五段を獲得できたのは大きいです。二巡目の石井健太郎六段、出口若武六段も心強いです。
穴はチーム藤井とチーム羽生です。チーム藤井は本人が圧倒的に強いですが、澤田真吾七段と齊藤裕也四段が初出場であるため、ふたを開けなければ分かりません。
チーム羽生は伊藤匠五段という若手を獲得できたのが大きいですが、羽生善治九段と梶浦宏孝七段はフィッシャー適性が高いとは言えないので、五分の成績を残せればというところでしょうか。

あとはエントリーチームの編成待ちです!
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【映画】ヒトラー最後の12日間 [映画評]

2004年制作。ヒトラー最後の12日間をリアルに描いた戦争映画の名作です。


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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2021/03/26
  • メディア: Blu-ray



原作はヒトラーの秘書官だったユンゲの回顧録と同名の研究書です。この2冊を土台に、映画は秘書の目線で進んでいきます。
敗北直前のドイツ。首脳陣と秘書官は地下防空壕司令室で生活します。
正常な思考力を失い、側近にわめくヒトラー。
解決策もなく、首脳陣が雁首そろえてヒトラーの妄想を聞くだけの無意味な戦争会議。
絶望の中で、ある首脳は逃げだし、ある首脳は享楽におぼれ、またある首脳は黙々と職務を遂行します。
追い詰められた首脳陣はパーティーを開き、そこでヒトラーの恋人であるエバは踊り狂います。
しかし、その最中に砲弾が着弾し、阿鼻叫喚の地獄絵図となります。
傍目には狂っているように見えますが、その日その日を生きようとする人間の姿が炙りだされいるように感じます。
途中で少年兵がでてきます。
彼は首都防衛にかり出された義勇隊で、家に帰るよう諭す父親に対して反抗します。戦車を撃破したことでヒトラーから勲章を授与されます。
しかし、大人が戦死し、仲間の少年兵も命を落とし、リアルな戦争を知るとともに自宅へ逃げ帰ります。父親はそっと息子を抱き寄せます。
映画には軍医も登場します。軍医は司令部の命令でモルヒネとアスピリンを地下防空棒へ運ぶよう命令されますが、その中で見捨てられた市民たち、無意味な戦闘にかり出されて命を落とす中年男性を目撃します。
少年兵と軍医は、戦争に巻き込まれる市民と一般兵士の悲惨さを描くために、導入された視点だと思います。
ドイツでヒトラーを描くのは難しかったと思いますが、ナチスの幹部を人間として描いています。
ヒトラーは幹部に対しては怒鳴り散らしますが、子供には優しく、ゲッペルスの子供達の歌を優しく耳を傾けます。少年兵にも慈愛を込めた表情で勲章を授与します。
ゲッペルスは市民の犠牲を考慮しない無慈悲な人物として描かれていますが、その一方で家庭ではよき父親であり、最後の母親が子供たちを順番に毒殺するシーンは涙を誘います。
総統が自殺した後、秘書は見知らぬ少年と親子を装うことで、脱出に成功します。、
その少年が川辺で自転車を拾い、新緑がまぶしい小道を、秘書は少年と一緒に自転車に乗るシーンで映画は幕を閉じます。
いままでの暗いトーンから一転し、色彩のある景色となります。
セリフはなにもありませんが、映像だけで戦争の悲惨さ、虚しさ、平和の尊さの全てを表現した名シーンだと思っています。
制作費は1300万ユーロですが、この10倍を使っているのではないかと思うぐらいリアルです。
俳優陣も素晴らしく、全員が当時のドイツ軍になりきっています。
特にヒトラーの怪演は特筆物で、「総統閣下お怒りシリーズ」としてパロディのネタになるほどです。
誰もがインパクトを覚える名演技だからこそ、パロディのネタになりますので。
本作はいろいろな意味で、戦争映画の金字塔だと思っています。

ヒトラーの最後を知りたいひとのために!
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【SS】齊藤想『ミケの牢獄』 [自作ショートショート]

第17回小説でもどうぞに応募した作品その1です。
テーマは「家」でした。
ありがたいことに、選外佳作に選ばれました。

―――――

『ミケの牢獄』 齊藤 想

 ミケにとって、この家は牢獄だった。
 冷暖房が完備した部屋に、必ずありつけるご飯。優しく親切で、たくさんかわいがってくれるママ。傍目には、理想的な生活かもしれない。
 だが、ミケには自由がなかった。移動が許されるのは家の中のみ。まるで、一日中監視されているかのような生活。
 ミケは自由にあこがれていた。レースのカーテンの向こう側には、冒険しきれない無辺の世界が広がっている。
 外の世界には、何があるのだろうか。青空の下では、どのような出会いが待っているのだろうか。
 ミケは、忍び足で窓に近づく。レースのカーテンを少し開けて、空を見上げる。ツバメの夫婦が自由に飛び回っている。電柱ではカラスが羽を休めている。
 となりの庭からエンジン音がした。ゆっくりと、乗用車が出ていく。車の陰からキナコが顔を出し、トコトコと歩いていく。
 ミケは、みんなが羨ましくてたまらなかった。一度でもいいから、この足で、外を歩いてみたかった。
 コンコン、と窓を叩く音がした。ミケが音の方向を見ると、キナコが手招きしている。
 窓越しに手を重ねようとしたとき、さっとカーテンが引かれた。視界がふさがる。見上げると、すぐ後ろにママがいる。キナコはさっと逃げ去った。
 ママはいまにも唾を吐きそうな視線で、キナコの背中をにらみつける。
 そして、急に向き直ると、猫なで声でミケに話しかけてきた。
「ねえミケちゃん。お外ばかり見ないで、こちらにきなさい」
 ママは深紅に塗られた指でミケを抱き寄せた。そして、耳元でささやく。
「あんなのと友達になって、病気になったら大変でしょ」

 ミケが唯一外出できるのは、病院にいくときだけだった。
 家にいても、病気になることはある。病院まで車でわずか五分。そのときだけ、車窓を通して外の景色を眺めることができる。
 特別な景色があるわけではない。街路樹とガードレール。その背後に並んでいる、普通の家と小さな商店。
 どこにでもあるような風景。それでも、ミケには貴重な五分だった。
 病院につくと待合室に入り、診察が終わると真っすぐに家に帰る。ママはどこにも寄らない。たまには違う道でもいいのと思うけど、ママはまるで誰かの視線を避けているかのように、かたくなだった。

 ある日、ママが携帯を手に、困った顔をしていた。どうやら妹が沖縄で結婚式を挙げることになったようで、本当は欠席したかったようだけど、妹が強引で押し切られた様子だった。
 ママはシングルマザーで、パパはいない。
 だから、ママは仕方なく不在の間のミケの世話を、祖母に頼んだ。
 ママは電話口でこう叫んでいる。
「家の外に出すなんて絶対にダメ。だからばあちゃんが家にきて。一泊ですぐに帰ってくるから」
 おばあちゃんがやってくると、ママはくどくどと念を押してから、家を出ていった。
 またいつもと同じ一日が始まる。そう思っていたけど、ママがタクシーに乗って見えなくなると、おばあちゃんはミケの頭を優しくなでた。
「たまにはお外に出たいよね」
 ミケは目を輝かせた。
 ミケは、おばあちゃんと一緒に公園に出かけた。同じ年齢の仲間たちと遊んだ。いつも窓から様子を見に来てくれた仲間たちだ。もちろん、キナコもいた。
 仲間たちと思いっきり遊んだミケが、おばあちゃんのところに戻ってくる。おばあちゃんの横に、ちょこんと腰かけた。
 おばあちゃんは、ミケに話しかけた。
「これからおばあちゃんと一緒に生活してみない?」
 えっ、とミケは思った。
「実はね、ママには児童虐待の疑いがかかっているの。娘を家に閉じ込めるなんて、酷いって。妹の結婚式を理由に、ママを出かけさせたのもこのためなの」
 ミケはおばあちゃんの目をのぞき込む。
「これから自由に外に出られるの? 公園にだって、小学校にだって」
「もちろんだよ、美卦ちゃん」
「嬉しい!」
 美卦はひたすら泣き続けた。
 おばあちゃんは、苦労が詰まったしわだらけの手で、愛しい孫娘を抱きしめた。

―――――

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