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【映画】ロッキー・ザ・ファイナル [映画評]

初老を迎えたロッキーが、新たなチャレンジに立ち向かう熱い映画です。


ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: Blu-ray



さてストーリーです、
50歳代になったロッキーは小料理店を経営し、それなりの生活を送っています。
息子も社会人となり独立し、愛する妻は故人になっています。
ロッキーは小料理店でお客の求めに応じて、昔話を語り、写真撮影で喜ばれます。
ロッキーの心は過去にあります。
昔お世話になったジムにいき、エイドリアンと初めてデートしたスケートリンクも訪れますが、いずれも廃墟となっています。
逆に後悔ばかりの人生を送ってきたポーリーに、前を向けと言われます。
かつての不良少女だったマリーと再会したことで、新たな恋に前向きとなり、マリーの息子とも交流を深めていきます。
ある日、コンピューター上でロッキーと現役ヘビー級王座のディクソンのシミレーションがテレビで放映されているのを見て、前向きな人生に向かいつつあったロッキーに、現役復帰の気持ちが高まっていきます。
その一方で、有名すぎる父を持った息子は、ロッキーとの関係が疎遠になっています。
ヘビー級王者のディクソンですが、あまりに瞬殺ばかりなので、人気の低迷に苦しんでいました。
ロッキーが現役復帰をすることを知ったプロモーターが、ロッキーとのチャリティー・エキシビションマッチを提案します。
普通に考えれば無謀だし、老醜をさらすだけです。
しかし、ロッキーは誰に何を言われようと自分がしたいことをすると決意し、試合を承諾します。
偉大な父の陰に苦しめられている息子は反対しますが、逆に自分の弱さを見つめて困難に立ち向かうことの重要性を説き、息子を励まします。
父と息子は和解します。
そして、ロッキーは人生最後の試合に向かいます。
というストーリーです。
いや、これは非常によくできた映画です。
序盤のしみじみとするような過去に浸るロッキーがいて、そこから小さい出来事を重ねることで、徐々にロッキーが前に進む描写が見事です。
ひとつひとつは他愛のないエピソードかもしれませんが、描き方が上手いのでしょう。ロッキーの気持ちに共感できます。
ラストの試合も、王者に拳を負傷させることで、自然な形で熱戦になるよう工夫されています。
試合が終わると、ロッキーは判定結果を聞く前にリングを去ります。この辺りは、立場は違えど、ロッキー1と通じる演出です。
試合後の表情で、いくつになっても全力を出すことの大切さを、ロッキーは伝えくれます。
製作費2400万ドルで興行収入が1億5500万ドルですから成功作品だと思います。

最後のロッキーを目に焼き付きたいひとのために!
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第48期棋王戦第4局(渡辺明棋王八段VS藤井聡太竜王) [将棋]

渡辺棋王の1勝2敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

渡辺棋王は1勝を上げたものの、角番と追い込まれています。
38歳の渡辺棋王と20歳の藤井竜王との年齢差は18歳です。
平成の王者、羽生善治は52歳なので、渡辺棋王からすると14歳上と18歳下にスーパースターがいることになります。
普通、これだけの年齢差があれば、一時代を築けそうなものですが、羽生善治が四十代を迎えても棋力を維持していたため、明確な渡辺時代を作れないまま藤井竜王に追いつかれた不幸な世代かもしれません。
とはいえ通算タイトル数31期で第4位、一般棋戦の優勝回数も含めると42期で谷川浩司49期に続く第5位はやはり抜群の棋歴です。
令和のスーパースター藤井竜王は本局に勝利すると史上最年少の6冠となります。
渡辺棋王はいままで藤井竜王相手にタイトル戦2連続でスイープを食らうなど、いままでの実績を思うと信じられないほど苦戦しています。
後がない渡辺棋王ですが、令和のスーパースター藤井竜王の勢いを止めることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202303190101.html

ということで将棋です。
渡辺棋王の先手ですが、徹底的に角換わりです。
藤井竜王が角換わりを避けることは考えられないので、最新PCを駆使した研究量で勝負するつもりなのかなと思います。
渡辺棋王の作戦は、4七銀と引いて銀矢倉を作ってからの4五桂跳ねでした。
あまり見ない形ですが、18局の前例があります。これで仕掛けが成立するなら、5六銀より玉が堅いので得した感があります。
48手目で前例がなくなりますが、お互いの研究範囲なのか時間を使わずに進みます。
おそらく研究から外れたのは63手目、異筋の8三桂です。これを見て藤井竜王は長考に沈みます。
評価値的にはやや後手側に振れましたが互角の範囲。相手の研究を外して自分の土俵に引きずり込む作戦かと思いますが、対する6五歩を見て渡辺棋王も長考に沈みます。
事前研究から外れて、意表を突かれたのかもしれません。
長考の末に渡辺棋王は桂馬で香車を取ってからあえて角銀交換の駒損をしての攻めにかけますが、この手を境に評価値は後手有利から優勢へと振れていきます。
AI的には素直に同桂が優っていたようです。
渡辺棋王は駒損ながらも小駒でじわりと藤井玉に迫ります。いつしか評価値も互角近くまで戻ります。
しかし、渡辺棋王には時間との勝負もありました。
1分将棋に入ってからも粘っていましたが、たらした2三の歩を払われると藤井玉の懐が広く、駒損の先手は追撃が効きません。
渡辺棋王は角の王手に金駒を節約して7七桂と勝負の合駒を放ちますが、7五桂打ちと切り返されてこれでノックアウトです。
最後は次の1手問題のような6八金のただ捨てという奇麗な決め手が出たとことで渡辺棋王は投了しました。
これで藤井竜王の3勝1敗となり、棋王を奪取、ついに6冠となりました。

破れた渡辺名人ですが藤井竜王の先手番連勝記録を止め、本局でも中盤で互角に戻すなど見せ場は十分にあったと思います。
藤井棋王&最年少6冠達成おめでとうございます!
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第72回NHK杯決勝(藤井聡太竜王VS佐々木勇気八段) [将棋]

藤井竜王が一般棋戦全制覇を狙います。

〔主催者HP〕
https://www.nhk.jp/p/goshogi/ts/P84WQ1GW9V/

藤井竜王の進撃はとどまることを知りません。
タイトル戦の活躍もありますが、早指しかつ一発勝負のトーナメント戦でも負けなしで突き進んでいます。
将棋日本シリーズ、銀河戦、朝日杯将棋オープン戦でも優勝し、NHK杯でも優勝すればまさに年間グランドスラムとも言える快挙です。
もちろん史上初です。
対する佐々木勇気八段ですが、16歳1か月という通算でも史上6番目の早さでデビューしましたが、期待ほど成績が伸びず、”元天才”といじられることもあります。
しかし順位戦ではついにA級まで到達し、やはり天才であることを示しました。
藤井聡太の29連勝を止めたのも、佐々木勇気です。
さあNHK杯決勝で、佐々木八段は再び藤井竜王の快進撃を止めることができたでしょうか!

〔棋譜〕※徹底解説!将棋の定跡さんより
https://www.youtube.com/watch?v=OkhmpUtEMzU

ということで、将棋です。
先手佐々木勇八段、後手藤井竜王で戦形は相掛かりとなります。
先後とも3三金と上がる形が珍しいですが、お互いに組み替えていきます。
その後、先手は歩をどんどん伸ばし、後手は金銀を低く構えて待つ姿勢。
評価値が大きく動いたのは71手目です。
藤井竜王の8五歩と合わせたのを無視して、佐々木勇八段は一斉に攻めかかります。
しかし、若干無理だったようです。
銀をボロっと取られて8筋を突破されると、駒損の上にと金の威力が大きく、後手優勢となります。
佐々木勇八段も2枚の飛車で左右から迫りますが、106手目の7三桂馬が決め手です。詰み筋を防ぐ壁を作りつ、これが遠くにいる先手玉への詰めろとなっていました。
詰み筋に入れば、藤井竜王は逃がしません。
5八で清算してから銀捨てで飛車を吊り上げ、7三の桂馬が跳躍しての王手です。
ここから数手で投了し、藤井竜王はNHK杯初優勝とともに、銀河戦、朝日杯、JT杯も制して年間グランドスラムを達成しました。
史上初の快挙です。1発勝負の早指しトーナメントを全て制するとは、恐ろしいほどの強さです。

藤井NHK杯おめでとうございます。
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女流ABEMAトーナメント2023【チーム里見VSチーム加藤】

チーム里見は昨年度と同じメンバーです。

〔番組HP〕
https://abema.tv/video/title/288-36

[チーム里見]
里見香奈 清水市代、川又咲紀
[チーム加藤]
加藤桃子、渡辺愛、中村真梨花

メンバー的にはチーム加藤が上です。その中でどこまでチーム里見が頑張れるかですが、いきなり川又女流初段が中村女流三段を破る健闘を見せます。
中村女流三段は緊張のため指が震えており、いつもの力が出なかったのかもしれません。
そこからチーム加藤が3連勝。
リードを広げたところで清水女流七段が渡辺女流三段相手に、里見女流四冠が中村女流三段相手に勝利して、3-3に戻します。
里見・中村戦では、中村女流三段が王手放置の反則負けという珍しい事件がおきました。いかにもフィッシャーという感じです。
そこから3番勝負。
加藤・清水戦は相掛で清水女流七段の序盤のミスを突いた加藤女流三段が圧勝。追い込まれたチーム里見は川又女流初段に託しますが、中盤優勢になったものの勝ちきれず、終盤で龍取りを見逃してぼろっと取られて勝負あり。
チーム加藤が5-3で決勝進出を決めました。
レーティング的には一番低い川又女流初段ですが、1-2と健闘し、試合を盛り上げてくれた功労者だと思います。
来週はもう決勝です!

後:川又 咲紀 ○-● 中村真梨花:先
先:里見 香奈 ●-○ 加藤 桃子:後
後:清水 市代 ●-○ 渡部 愛 :先
先:川又 咲紀 ●-○ 中村真梨花:後
後:清水 市代 ○-● 渡部 愛 :先
先:里見 香奈 ○-● 中村真梨花:後
後:清水 市代 ●-○ 加藤 桃子:先
先:川又 咲紀 ●-○ 渡部 愛 :後

<チーム里見>
 里見 香奈 1-1
 清水 市代 1-2
 川又 咲紀 1-2

<チーム加藤>
 加藤 桃子 2-0
 渡部 愛  2-1
 中村真梨花 1-2

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