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第48期棋王戦第4局(渡辺明棋王八段VS藤井聡太竜王) [将棋]

渡辺棋王の1勝2敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

渡辺棋王は1勝を上げたものの、角番と追い込まれています。
38歳の渡辺棋王と20歳の藤井竜王との年齢差は18歳です。
平成の王者、羽生善治は52歳なので、渡辺棋王からすると14歳上と18歳下にスーパースターがいることになります。
普通、これだけの年齢差があれば、一時代を築けそうなものですが、羽生善治が四十代を迎えても棋力を維持していたため、明確な渡辺時代を作れないまま藤井竜王に追いつかれた不幸な世代かもしれません。
とはいえ通算タイトル数31期で第4位、一般棋戦の優勝回数も含めると42期で谷川浩司49期に続く第5位はやはり抜群の棋歴です。
令和のスーパースター藤井竜王は本局に勝利すると史上最年少の6冠となります。
渡辺棋王はいままで藤井竜王相手にタイトル戦2連続でスイープを食らうなど、いままでの実績を思うと信じられないほど苦戦しています。
後がない渡辺棋王ですが、令和のスーパースター藤井竜王の勢いを止めることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202303190101.html

ということで将棋です。
渡辺棋王の先手ですが、徹底的に角換わりです。
藤井竜王が角換わりを避けることは考えられないので、最新PCを駆使した研究量で勝負するつもりなのかなと思います。
渡辺棋王の作戦は、4七銀と引いて銀矢倉を作ってからの4五桂跳ねでした。
あまり見ない形ですが、18局の前例があります。これで仕掛けが成立するなら、5六銀より玉が堅いので得した感があります。
48手目で前例がなくなりますが、お互いの研究範囲なのか時間を使わずに進みます。
おそらく研究から外れたのは63手目、異筋の8三桂です。これを見て藤井竜王は長考に沈みます。
評価値的にはやや後手側に振れましたが互角の範囲。相手の研究を外して自分の土俵に引きずり込む作戦かと思いますが、対する6五歩を見て渡辺棋王も長考に沈みます。
事前研究から外れて、意表を突かれたのかもしれません。
長考の末に渡辺棋王は桂馬で香車を取ってからあえて角銀交換の駒損をしての攻めにかけますが、この手を境に評価値は後手有利から優勢へと振れていきます。
AI的には素直に同桂が優っていたようです。
渡辺棋王は駒損ながらも小駒でじわりと藤井玉に迫ります。いつしか評価値も互角近くまで戻ります。
しかし、渡辺棋王には時間との勝負もありました。
1分将棋に入ってからも粘っていましたが、たらした2三の歩を払われると藤井玉の懐が広く、駒損の先手は追撃が効きません。
渡辺棋王は角の王手に金駒を節約して7七桂と勝負の合駒を放ちますが、7五桂打ちと切り返されてこれでノックアウトです。
最後は次の1手問題のような6八金のただ捨てという奇麗な決め手が出たとことで渡辺棋王は投了しました。
これで藤井竜王の3勝1敗となり、棋王を奪取、ついに6冠となりました。

破れた渡辺名人ですが藤井竜王の先手番連勝記録を止め、本局でも中盤で互角に戻すなど見せ場は十分にあったと思います。
藤井棋王&最年少6冠達成おめでとうございます!
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