【書評】潮谷験『スイッチ』 [書評]
このスイッチを押すとある家族が破滅する、という設定が面白いミステリです。
本作はメィスト賞を受賞しています。
物語は奇妙なバイトから始まります。
心理学の実験なのですが、6人にスイッチのアプリが渡されて、このスイッチを押すとある家族が破滅する。
スイッチを押すことに、被験者にはメリットがない。
それでも被験者は押してしまうのか。純粋なる悪意は存在するのか。
主人公たちはスイッチを押さないために、対象となる家族、それはさえないパン屋なのですが、その家族と仲良くなります。
しかし、最終日に、主人公のスマホが盗まれ、スイッチが押されてしまう。
という感じのミステリです。
この風変わりな設定に、新興宗教、悪意の定義、キャラたちのバックグラウンド等がいろいろ絡みあいます。
さらには本物の殺人事件。
これほど詰め込んで、それでもスッキリ読ませるのは著者の力量だと思います。
ただ、エピローグが長すぎるのと、著者の人生観が強く出すぎているのか少し気にかかりました。
それでも誰がスイッチを押したのかという、単純ながらすっきりとした推理は面白かったです。
殺人事件の真相は……ちょっと無理があるかも。
けど、これぐらい捻らないと、エンタメにはならないかもしれません。
新感覚のミステリとして、楽しんで読める佳作だと思います。
期待の持てる新人作家のデビュー作を読みたいひとのために!
本作はメィスト賞を受賞しています。
物語は奇妙なバイトから始まります。
心理学の実験なのですが、6人にスイッチのアプリが渡されて、このスイッチを押すとある家族が破滅する。
スイッチを押すことに、被験者にはメリットがない。
それでも被験者は押してしまうのか。純粋なる悪意は存在するのか。
主人公たちはスイッチを押さないために、対象となる家族、それはさえないパン屋なのですが、その家族と仲良くなります。
しかし、最終日に、主人公のスマホが盗まれ、スイッチが押されてしまう。
という感じのミステリです。
この風変わりな設定に、新興宗教、悪意の定義、キャラたちのバックグラウンド等がいろいろ絡みあいます。
さらには本物の殺人事件。
これほど詰め込んで、それでもスッキリ読ませるのは著者の力量だと思います。
ただ、エピローグが長すぎるのと、著者の人生観が強く出すぎているのか少し気にかかりました。
それでも誰がスイッチを押したのかという、単純ながらすっきりとした推理は面白かったです。
殺人事件の真相は……ちょっと無理があるかも。
けど、これぐらい捻らないと、エンタメにはならないかもしれません。
新感覚のミステリとして、楽しんで読める佳作だと思います。
期待の持てる新人作家のデビュー作を読みたいひとのために!