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【書評】越智啓太『犯罪捜査の心理学~凶悪犯の心理と行動に迫るプロファイルリングの最先端~』 [書評]

アカデミックな内容がコンパクトにまとまっています。


犯罪捜査の心理学―凶悪犯の心理と行動に迫るプロファイリングの最先端 (ワードマップ)

犯罪捜査の心理学―凶悪犯の心理と行動に迫るプロファイリングの最先端 (ワードマップ)

  • 作者: 越智 啓太
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2015/12/01
  • メディア: 単行本



学問的な記述に徹している本です。
前半が犯罪捜査の心理学で、プロファイリングにはFBI方式とリバプール方式があり、統計的手法を駆使したリバプール方式が優勢であることが述べられています。
個々の犯罪を深く追うのではなく、多変量解析を用いることで、数学的な答えがでてきます。
例えば人質立てこもり犯の場合ですが、統計的に解決が長引くほど犠牲者が増える傾向にあることが知られています。
ところが、人質や犯人が死亡すると批判にさらされることから、警察は突入をためらい結果として犠牲者が増えてしまいます。
安直な批判が犠牲者を増やすひとつの例で、学問の大事さを感じます。
犯罪者の心理学として犯行を分類し、それぞれの犯罪者の代表的な心理が紹介されています。
事件を考えるうえで、とても有益な本だと思います。

犯罪心理を学問的に知りたいひとのために!
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