【書評】井上ひさし『十二人の手紙』

書簡形式による短編集です。

十二人の手紙 (中公文庫)

• 作者: ひさし, 井上
• 出版社/メーカー: 中央公論新社
• 発売日: 2009/01/25
• メディア: 文庫

題名のとおり、十二人の手紙と、最後にオールキャスト的なまとめ短編をあわせて１３作品で構成されています。
様々なアイデアが盛り込まれています。
届出を並べることで主人公の人生を追ったり、書簡集からの例文だけで作ったりとか、いろいろです。
内容もショートショート的なものあれば、ホラーもありです。
書簡形式の難しさは「なぜ手紙でなくてはならないのか」というところだと思います。
本作品では「耳が聞こえない」「戯曲を読んでほしい」「問い合わせの連絡」など、こちらも作品ごとに考えられています。
この多彩さは、なかなかの佳作だと思います。

書簡形式の短編を読みたいひとのために！