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第93期ヒューリック杯棋聖戦第3局(藤井棋聖VS永瀬拓矢王座) [将棋]

藤井棋聖の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/

藤井棋聖のことを良く知る永瀬王座は、藤井棋聖について「99勝より1敗を考える」という主旨のことを話しています。
いくら勝っても反省することを忘れず、さらに力を伸ばしていく。そういう藤井棋聖のストイックさが浮かび上がっています。
自作PCを組み立てることでも有名で、最強スペックのマシンでさらに研究を深めていく。
ただ、棋譜を見ると序盤研究で勝つというより、ねじり合いこそ本領発揮のように見えます。AI式の大局観が優れているように見えます。
永瀬王座も研究家ですが、VSも重視しています。
その結果、藤井棋聖はまっすぐに勝ちを目指すのに対し、永瀬王座は回り道でも負けない将棋になったのかなと思います。
将棋の真理を求める藤井棋聖と、対人戦で鍛えた負けない将棋の永瀬王座との対決は、どうなったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/93/kisei202207040101.html

ということで、将棋です。
第1局と同じく角換わり腰掛け銀となりますが、先に手を変えたのは勝った永瀬王座です。
4五桂馬に2二銀ではなく、4四銀と出ます。
「この手順も研究していますよ」との宣言ですが、そこは藤井棋聖も同じで午前中から局面がグイグイ進みます。
特に角を切って8四に金を打つ手など、初見では打てそうにありません。それをノータイムです。
先に長考に入ったのは、永瀬王座でした。73手目の2二歩に手が止まります。
そして、当たりになっている桂馬を3三桂馬とぶつけていきますが、結果的に危険な手だったようです。
そこから藤井棋聖は3連続で慎重に長考すると、ずっと当たりになっていた角をちぎって踏み込んでいきます。
88手目の局面を見ると、8四の金が空を切っており、3筋も壁形で後手が辛いです。
永瀬王座も早逃げで寿命を延ばすと、先手玉に迫ります。しかし、戦力不足で、入玉含みで逃げられるとつかりません。
永瀬王座が形を作ると、最後は藤井棋聖がきっりち後手玉を詰まして、これで白星をひとつ先行させるとともに3連覇まであと1勝と迫りました。

棋聖戦第4局は、7月17日に名古屋市「亀岳林 万松寺」で行われます!
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