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【書評】深井俊之助『戦艦「大和」副砲長が語る真実』 [書評]

レイテ沖海戦時に大和副砲長だった著者が語る真実です。


私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯

私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯

  • 作者: 深井 俊之助
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 単行本



深井俊之助氏は大正3年生まれで、当時大和副砲長という重責を担っていました。
著述は少年時代から始まり、訓練に明け暮れたり、お召艦に乗艦し溥儀の世話をしたりといった日々がつづられます。
戦争に入ると駆逐艦勤務となり、そこから金剛を経て大和乗艦、運命のレイテ沖海戦へと向かいます。
運命の電報ですが、著者は「捏造の可能性が高い」と判断しています。まず他のだれも受信していないこと、様式が異なっていることなど、不審な点はたくさんです。
また、戦艦部隊より優速の機動部隊を追いかけるという命令にも首をひねっています。いま目の前にいる空母部隊を同じ理由で追跡をあきらめたのにも関わらずです。
そうした実体験から、栗田中将への評価は非常に厳しいものがあります。
著者の証言については、高齢のためか記憶違い等を指摘されている部分はありますが、戦争を実体験しているだけに、貴重な証言がたくさんです。

太平洋戦争をより深く知りたいひとのために!
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