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第79期名人戦第3局(渡辺明名人VS斎藤慎太郎八段) [将棋]

渡辺名人の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://www.meijinsen.jp/

都成竜馬六段の実家は乳業会社、永瀬拓矢王座の実家はラーメン屋と実家が事業を営んでいる棋士は多数いますが、斎藤八段の実家はCOCO壱番屋のフランチャイズオーナーです。
この実家の縁で、斎藤八段が獲得した第66期の王座就位式に、COCO壱番屋の創業者である宗次徳二が来賓として祝辞を述べています。
名人戦の主催者は毎日新聞と朝日新聞で、協賛に大和証券グループが加わっています。
棋戦の主催者は、歴史的経緯からほとんどが新聞社です。
ところが各社とも大幅な部数減に苦しみ、リストラが始まるなど経営的に苦境に立たされています。
このご時世の中で、新聞各社がいつまで主催を維持できるのか分かりません。
女流棋戦は様々な業種が主催者として参入しています。
棋士の繋がりを活かし、協賛を増やしてく努力が必要なのかなと思います。

〔棋譜〕※ロック将棋さんより
https://6shogi.com/79meijinsen3/

ということで将棋です。
戦型は矢倉となりますが、先手の斎藤八段は銀を前に繰り出しての急戦策です。
対する後手渡辺名人は金銀3枚でがっちりと矢倉を組みます。
しかし、玉は矢倉城の外です。
一日目は駒組と小競り合いで終わり、本格的な戦いは二日目です。
斎藤八段は2筋の突き捨てから継ぎ歩で味付けをしてから、中央に金銀を集中させて盛り上げていきます。
人間の目には互角に見えますが、60手を越えた辺りから評価値が後手に振れ始めます。
終局時の局面を見ると、先手の金銀が中央で働いていないのに比べて、後手の金2枚はしっかりと玉頭をガードしています。
読みというより、大局観の差が、勝敗を分けたのかもしれません。
じわじわとリードを広げた渡辺名人ですが、最後は飛車を当たりを無視して踏み込み、91手までの完勝となりました。持ち時間を2時間20分も残す夕休前の決着です。

スコアは2―1ですが、先手番を落としたことで斎藤八段は苦しくなってきました。
第4局は5月19、20日に、長野県高山村「緑霞山宿藤井荘」で行われます!
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第31回世界コンピューター将棋選手権 [将棋]

将棋界におけるGWの風物詩です。

〔特設サイト〕
http://drhoshiken.com/wcsc/31/

〔棋譜中継〕
http://drhoshiken.com/wcsc/31/

いつものように1次予選、2次予選、決勝リーグと3日間に渡る戦いです。
1次予選にはネタ勢と呼ばれる風変りなプログラムが登場しますが、今年度も「重力場計算法」という駒の利きを重力の強さに例えた独自のアルゴリズムです。
ですが、残念ながら1次予選敗退です。
注目は「やねうら王」、NHK杯将棋トーナメントで採用されたAI「PAL」でしたが、なんと「やねうら王」が後手番でPALを破りながら後半のマシントラブルで2日目の二次予選敗退の波乱です。
さて、3日目の決勝リーグです。総当たりです。勝ち残った8プログラムによる総当たり戦です。
2次予選でライバルをなぎ倒してきたことで優勝候補筆頭に上がった「白ビール」ですが、決勝では初戦で躓き第5戦で「elmo」にリベンジされて優勝争いから脱落です。
初戦で「elmo」に勝利した「PAL」ですが、「白ビール」に敗れたことで優勝争いは最終戦までもつれ込みます。
そして、「PAL」が最終戦で敗れたことで、「elmo」が逆転で2回目の優勝を飾りました。
同じプログラムなのに、勝ったり負けたりするところが、将棋の奥深さだと思います。

「elmo」の開発者のみなさま、おめでとうございます!
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