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第92期棋聖戦挑戦者決定戦(渡辺明三冠VS永瀬拓矢王座) [将棋]

四強が順当に勝ち上がってきました。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/


いまの将棋界は、4強が抜けた存在です。
タイトルを四強が独占するだけでなく、タイトル挑戦も四強間での争いとなりつつあります。
王位戦でも豊島竜王と永瀬王座の挑戦者争いに残っていますし、竜王戦でも藤井聡太二冠と永瀬拓矢王座が決勝トーナメント進出を決めています。
藤井棋聖への挑戦権をかけた本局も、四強である渡辺三冠と永瀬王座の対戦となりました。
渡辺三冠と永瀬王座は王将戦でも争いましたが、相性の良さもあり、渡辺三冠が貫禄を見せつけています。
しかし、今回は持ち時間の短い一発勝負です。
さあ、永瀬王座は王将戦の雪辱を晴らし、相性の悪さを跳ね返すことができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/92/kisei202104300101.html

ということで、将棋です。
戦形は流行中の相掛りとなりました。
一時期は寝ても覚めても角換わりでしたが、それがいまは相掛かりになっている感じです。
渡辺三冠は研究済みの局面は早指しなので、始めてした25手目のひとつ前、24手目から研究が外れたものと思われます。
そこから永瀬王座が思い切りよく踏み込み、駒得の上に玉も固いという有利を通り越して優勢な局面になります。
渡辺三冠は苦しいながらも取られそうな駒を活用し、できるだけ駒を清算せずに盤上に残し、少しでも局面を複雑化します。
そして82手目に、攻めあぐねた永瀬王座が馬を天王山にひきつけます。
いかにも永瀬王座らしい手でしたが、ここから攻守が入れ替わります。
我慢を続けてきた渡辺三冠の攻めが永瀬陣に突き刺さり、気が付いたら逆転です。
優勢な将棋を安全に行こうとしたのが、逆に危なかったのかもしれません。
129手まで逆転勝利を収めた渡辺三冠は、昨年とは立場を変えて、藤井棋聖へのリベンジマッチを挑むことになりました。

棋聖戦五番勝負は、6月6日(日)に千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で開幕します!
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創作状況【4月下旬】 [ぼくの公募状況]

ステイホームのGWです。

【サイトーメルマガ第163回の内容紹介】
◆こんな公募に挑戦してきました 第13回YOMEBAショートショート募集
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第73回)
◆公募情報数点
 来月のテーマは「冒頭から作る方法のか、オチから逆算するのか」です。
 次回発行は5月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
 https://www.arasuji.com/mailmagazine.html
 ※ページの下の方に登録フォームがあります。

【ショートショートガーデン】
めずらしく、ほんわか系をUPしてみました。

〔硫黄の石〕
https://short-short.garden/S-uCTpdp

【TO-BE小説工房】
今月用の作品で悪戦苦闘する。
推敲がうまくいかずに何度も書き直し、結局はギリギリでエイヤで出すことになる。
文章そのものというより、文章の構成のどこかがズレているとしかいいようがない。
来月用の作品を書く。
不条理なホラーテイストにしようと思って書いているうちに、なぜか「本当の意味が分かれば怖い」系統の話になるが、なんかポイントがずれている。
そんでもって、5枚中4枚を書き直す。
とりあえず筋はできたので、これからガリガリ校正です。

【SSスタジアム】
入選作の『リズという名の男の宇宙船』を読む。
https://yomeba-web.jp/novel/i/?book=ssn14-lizu

これもショートショートではなく掌編ですね。
古き良き時代のSFテイストで入選しているのが珍しいです。
前半の設定が面白くて、長編にしてもいけそうな気がしますが、結果として前半の設定が後半で活きてきません。
この設定がなくても成立するストーリーですが、最近の傾向として、こういうことはあまり気にされないようですね。
むしろ、こうした無駄な部分というか、遊びの部分が評価されているような気がします。
ややネタバレになってしまいますが、記憶をこれだけ自由にいじれる時代なら、こんなにややこしいことをしなくても、というのが素直な感想だったり。


【星新一賞】
ストックがありすぎるので、気が向いたら新しいアイデアを書きます。
はい。

【創元SF短編賞】
最終選考が発表されましたが、能村さんは受賞に届きませんでした。
毎年最終選考に残られているので、実力は確実にプロレベルです。
とても残念です。

【坊ちゃん文学賞】
受賞作が公開されているので、順番に読みます。

 佳 賞 『海辺のカプセル』霜月透子
http://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/machizukuri/kotoba/bocchan.files/17th-03-umibe.pdf

不思議な話です。おそらく松山の海をイメージしたのかな、と感じました。
お金の代わりに貝殻で払うカプセルトイ。このカプセルトイで病院にいる彼女の一部を引き当てますが、「君をこちらに引き寄せることはできない」と反省し、最期は自らカプセルトイの中に入ります。
本作は幻想的なストーリーに、叙述トリックを組み合わせています。
ここから先はネタバレ。
主人公は病室にいる彼女のことを心配していますが、実は幽霊です。
そして、主人公は彼女を幽霊とするのではなく、自らが新たに生まれることを選択します。
と、読み取ったのですが、正解かどうか自信はありません。
ツボにはまる人は、はまる作品かなと思います。
理屈はともかくとして、個人的には好きです。


【福島正実SF童話賞】
気がむいたら校正します。

【ゆきのまち幻想文学賞】
小冊子が来たら、受賞作の分析をしようと思っているのだが。

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【公募情報】第52回九州芸術祭文学賞(短編・8/31〆) [公募情報]

”芥川賞への近道”とうたう賞です。

〔主催者HP〕
http://www.kyushubunkakyoukai.jp/

九州芸術文学賞を受賞した作家が4人も芥川賞を受賞しています。
第7回、第8回、第27回、第30回とコンスタントとは言い難いですが、それでも4人も輩出しているのは地方文学賞として快挙だと思います。
最終選考委員は五木寛之、村田喜代子、又吉栄喜なので、純文学系なのかなと思います。
制限枚数は55枚~60枚、応募締切は令和3年8月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:小説
テーマ :不問
最優秀作:30万円
制限枚数:原稿用紙55枚~60枚
応募締切:令和3年8月31日
応募方法:郵送
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第79期名人戦第2局(渡辺明名人VS斎藤慎太郎八段) [将棋]

斎藤八段の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://www.meijinsen.jp/

斎藤慎太郎八段の師匠は畠山鎮八段です。
弟子入りしたのは、わずか10歳のときでした。
そのときに2つの約束をして、そのうちのひとつが、「君はこれからどんどん強くなる。私よりも強くなっていくだろう。そして私は衰えていく。それでも、いつまでも私を師として、その言葉を聞けますか」でした。
師弟というと藤井聡太二冠と杉本昌隆八段がよく取り上げられます。
杉本八段は藤井二冠の才能が規格外であることを十分に理解し、基本的には温かく見守る母親目線での師弟関係だったと思います。
斎藤八段と畠山八段の師弟関係は、これとは違うタイプで、どちらかというと父親目線だったように感じます。
斎藤八段は畠山八段の熱さに惹かれて弟子入りを志願したぐらいなので、すぐに多くの対局を重ねるようになり(最初は対局をしない約束でしたが)、実戦的なアドバイスをたくさんしたようです。
さあ斎藤八段は、師匠が見守る中で、勝利を挙げることができるでしょうか!

〔棋譜〕※ロックショウギさんから
https://6shogi.com/79meijinsen2/

ということで将棋です。
戦型は居飛車党で流行中の相掛りとなりました。
定跡が整備されつつあるとはいえ、まだまだ力戦の香りが強い形です。
先にしかけたのは後手です。
9筋を突き捨てて9三歩と垂らすという軽い攻めですが、香車を釣り上げて角を打ち込む強手が潜んでいます。
この手にに対し、渡辺名人は飛車で9筋の歩を支えます。
ここからお互いに角を打ち込み、香車を取り合いますが、斎藤八段が飛車を2筋に転回してからは渡辺名人のペースになったように思います。
渡辺名人の攻めに、せっかく転回した飛車を成り込む余裕がなく、最後まで攻めるターンが回ってきませんでした。
そのまま91手までの渡辺名人の完勝となりました。
斎藤八段のどこが悪かったというより、渡辺名人が上手だったという将棋だったと思います。

これで1勝1敗のタイとなりました。
第3局は、愛知県万松寺で、5月4日、5日に行われます!
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第32期女流王位戦第1局(里見香奈女流王位VS山根ことみ女流二段) [将棋]

山根女流二段が初のタイトル挑戦です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

ここ数年は、タイトル挑戦者といえば加藤桃子女流三段か伊藤沙恵女流三段で、そこに中堅の上田初美女流四段、室谷由紀女流三段が食い込んでくる状況でした。
そこに若干23歳の山根ことみ女流二段が初登場です。
棋士と比べると、女流はトップ女流棋士と二番手グループとの棋力差が大きく、なかなか新しい女流棋士がタイトル戦に食い込みにくい状態でした。
山根女流二段は1年で猛烈な勢いで階段を駆け上がり、タイトル戦への登場を果たしました。
ただ、ひのき舞台に登っただけで満足してはいけません。
さあ、女流トップをひた走る里見女流四冠を相手に、山根女流二段は勝利を得ることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/32/joryu-oui202104270101.html

ということで、将棋です。
おたがいに振り飛車党なので、戦型は相振り飛車になりました。
先手の山根女流二段はオールドスタイルの金無双、後手里見女流王位は現代調の美濃囲いです。
後手が足早な陣形を選択したので、先に飛車先の歩を切り、先攻体制を取りますが、そこからはお互いに飛車を大きく展開しての捩じりあいです。
中盤で里見女流王位が抜け出したかと思いましたが、直後の端攻めから逆サイドに眼を向けたのがややちぐはぐで、互角に戻ります。
開幕局から熱戦となります。
勝負を分けたのが、121手~123手です。
この2手が手順前後で、後手の銀が手順に前進したことで攻めが厚くなりました。
最終盤で後手は銀が手に入れば先手玉に必死がかけられるという手順を里見女流王位は冷静に読み、先手を催促させることで銀を手に入れます。
そしてガッチリを必死をかけたところで、山根女流二段が投了しました。
山根女流二段は敗れはしたものの、今後に期待をいただかせる将棋だったと思います。

2局は5月18日(火)に北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」で行われます!

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【書評】戦艦「大和」レイテ沖の七日間 [書評]

戦艦「大和」に乗艦して、レイテ沖海戦に参加した偵察員の体験談です。


戦艦「大和」レイテ沖の七日間―「大和」艦載機偵察員の戦場報告 (光人社NF文庫)

戦艦「大和」レイテ沖の七日間―「大和」艦載機偵察員の戦場報告 (光人社NF文庫)

  • 作者: 岩佐 二郎
  • 出版社/メーカー: 光人社
  • 発売日: 2004/02/01
  • メディア: 文庫



偵察員とは、偵察機に乗って敵情視察をする役割です。
よって偵察機が発射されるまでは手もちぶさたで、戦闘の様子を観察することができました。また控え室が司令部が集まる艦橋の裏側だったため、提督の姿も度々目撃していたそうです。
期せず首脳部の近くにいた貴重な体験談が、本書にはもりだくさんです。
当時の「大和」艦長は森下信衛少将ですが、著者は操艦の見事さに何度も驚嘆の声を上げています。
大艦は舵がきくまで時間がかかりますが、曲がり始まると一気に回転します。
敵の攻撃がいつ、どのタイミングで来るのか見計らって事前に指示を出すのですが、爆弾や魚雷がまるで戦艦を避けていくかのように交わしていったといいます。
また戦場の様子はすさまじく、至近弾でも破片で次々と人間が倒れていきます。
直撃弾に注目しがちですが、機銃掃射やなど先頭に入ると艦は様々な被害を受けていきます。
体験者だからこそ語れる、そうした様子が克明に描かれています。

リアルな戦場の様子を知りたいひとのために!
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【公募情報】第12回連合・ILEC幸せ探し文化展(俳句、川柳・5/31〆) [公募情報]

ILECとは、公益社団法人教育文化協会の略称です。

〔主催者HP〕
https://www.rengo-ilec.or.jp/event/12culture/index.html

基本的には労働組合系ですが、テーマは俳句は自由、川柳は「まぶしい」なので、労働組合活動に結び付けて、というわけではなさそうです。
前回の受賞作品を見ても、一瞬の風景を切り取った作品が多く、組合らしい作品はほんのわずかでした。
賞の数も多いので、力試しに応募するのも良いかもしれません。
応募締切は令和3年5月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:俳句、川柳
大  賞:5万円
応募締切:令和3年5月31日
応募方法:インターネット、郵送
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第4回abemaTVトーナメント【予選Aリーグ】 [将棋]

チーム藤井がトップ通過です。

〔主催者HP〕
https://abema.tv/video/genre/shogi

Aリーグは以下の3チームです。
 チーム藤井:藤井聡太二冠、高見泰地七段、伊藤匠四段
 チーム三浦:三浦弘行九段、高野智史五段、本田奎五段
 チーム稲葉:稲葉陽八段、久保利明九段、船江恒平六段

自分の事前予想のとおり、まずチーム藤井が連勝でトップ通過。
藤井二冠の強さは格別ですが、伊藤匠四段も強いです。なにより粘り強くて、実戦向きだと感じます。高見泰地七段も2回目の出場で慣れたのか、安定していました。

さて、残り1枠をチーム三浦とチーム稲葉が争います。
チーム三浦は前回ベスト4ですが、メンバー的の格としてはチーム稲葉が上です。なにより元A級が2名(稲葉陽八段、久保利明九段)の2枚看板の上に、B級2組への昇級を決めた船江六段の存在も大きいです。
なお、船江六段はチーム藤井戦で藤井二冠を破る金星を上げています。
さて、リーグ戦通過をかけた勝負ですが、先勝したのはチーム稲葉。裏リーダーである久保九段が三浦九段を破りました。
ここからチーム三浦が4連勝と一気にチーム稲葉を土俵際まで追い詰めます。
ここから反撃が始まりますが、大きかったのが第7戦と第8戦です。
久保九段が劣勢に追い込まれながらも、一瞬の隙をついて本田五段をうっちゃりました。
バトンを継いだ船江五段は、三浦九段相手に後手横歩取りの研究手が炸裂しての圧勝。
そして迎えた最終戦でも高野五段に勝利し、大逆転でのリーグ突破を決めました。

前回ベスト4のチーム三浦は予選で敗退です。
来週から予選Bリーグが始まります!
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【公募情報】第1回エアコン早期点検川柳(川柳・5/31〆) [公募情報]

第1回ということにびっくりです。

〔主催者HP〕
https://www.jraia.or.jp/pdf/2021aircon-senryu.pdf

主催者は一般社団法人日本冷凍空調工業会です。
戦後間もなくの昭和24年設立ですから、すでに70年以上経過しています。
このような伝統ある工業会なら、もっと早い時期に川柳募集をしていてもよさそうですが、このタイミングということに驚きです。
「新しい生活様式」で在宅が増えたから、ということのようです。
きっかけはいろいろとあるものです。
応募締切は令和3年5月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
最優秀賞:図書カード3万円
応募締切:令和3年5月31日
応募方法:郵送
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【書評】奥宮正武『提督と参謀』 [書評]

太平洋戦争に従軍した著者から見た貴重な証言です。


提督と参謀

提督と参謀

  • 作者: 奥宮 正武
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 単行本



扱われている提督は25人です。
著者は海軍兵学校を卒業後、航空戦隊参謀を歴任しています。
そのため海軍首脳部とも近く、登場人物のいずれも著者と何らかの接点を持っており、現場感覚からの批評は参考になります。
世間一般の評価と一致している提督もいれば、世間の評価が高い小沢治三郎には辛らつです。
確かにアウトレンジ戦法は、机上では絶妙手ですが、開戦時とは異なり落ちてきた搭乗員の技量を考えると無謀な作戦と言われてもやむを得ないかもしれません。
その逆に、レイテ湾で謎の反転をした栗田健男には好意的です。
軍人には戦力整備等を担う軍政面と、軍事行動を担う軍令面があります。
それぞれの提督には得意不得意があります。特に軍令面を担う提督の人材不足もあり、戦争終盤は悲惨な状態となりました。
人材のミスマッチというか、人材の育て方のミスこそ、悲劇を招いた一因だったかもしれません。
これも歴史の教訓だと思います。

現場視点からの提督評を知りたいひとのために!
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