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【映画】ゼロ・グラビティ [映画評]

科学的考証にこだわった宇宙SFです。


ゼロ・グラビティ [Blu-ray]

ゼロ・グラビティ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: Blu-ray



主人公は女性技術者です。
八ップル望遠鏡の修理のために、宇宙飛行士とともにスペースシャトルで宇宙に派遣されます。
その作業中のシーンから、映画はスタートします。
作業中にロシアが近隣の人工衛星を「処分」したとの連絡があります。静止軌道上に宇宙ゴミが発生し、その宇宙ゴミが他の人工衛星を破壊してさらに宇宙ゴミが発生の連鎖で、主人公たちのスペースシャトルにも襲い掛かります。
必死に退避しようとする主人公たちですが、間に合わず、生き残ったのは主人公と宇宙飛行士のみ。
助かる方法は自力でソユーズまで移動し、そのソユーズから中国の宇宙ステーションまでたどり着き、そこから地上に戻ることのみ。
主人公は次から次へとくるトラブルを乗りこえて……。
というのがだいたいのストーリーです。
科学的考証にはかなりのこだわりを感じます。
空気がなくなると音が伝わらなくなるところ、無重力で不用意に消火器を使ってふきとばされるところ。などなどです。
主人公は娘を事故で亡くしています。それがストーリーに生かされているかというと、微妙かもしれません。
主要登場人物は、主人公と支援者役の宇宙飛行士のみで、しかも宇宙飛行士も早い段階で死亡するため脚本に苦労している印象があります。
そのため、ストーリーのミッドポイントで宇宙飛行士が幽霊として登場します。
サンドラブロックの演技と考証は素晴らしいですが、ストーリーとしては微妙かもしれません。

こだわりを感じる宇宙SFを視聴したいひとのために!
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【書評】菊地ひと美『江戸で部屋探し』 [書評]

江戸のお部屋事情を多彩なイラストで紹介です。


江戸で部屋さがし (The New Fifties)

江戸で部屋さがし (The New Fifties)

  • 作者: 菊地 ひと美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/05/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



本書は物語調になっています。
三味線を教えることで生計を立てようと、伊達藩から江戸に出てきた女性が主人公です。
まずは庶民が住む裏長屋から始まり、表店へと続きます。もちろん、そこに住む庶民たちの姿も描かれています。
時代小説でよく裏長屋がでてきますが、こうしてイラストと地図で示されると分かりやすいです。しかもこのイラストが、江戸時代の絵からの抜出しがメインなのが、よりナイスです。
この本によるよ、四畳半一間で現在換算で2.5万円ほど、六畳一間で3.8万円ほど……と、逆に換算されると分かりにくいかも。
職人給与から1両30万円で換算とのことですが、換算法はいろいろありますので。
商売によい表店は急にランクアップです。
間口2.7m×9mの2階建で14万
間口4m×15m、間口5m×11mで22.5万
間口6m×9mの2階建て蔵付きで34万~45万
という感じみたいです。
後半は武家屋敷ですが、もう面積も広く全然ランクが違います。
書院造りと数奇屋造りの違いの説明が興味深いです。
書院造りは庭側に書院、中央に床の間、逆側に違いだなで、基本的には美術品等のディスプレイ用であり、正式な場なので豪華につくります。
数奇屋造りも似た形式ですが、主人の趣味・センスを前面に出したもので、茶の湯の思想を背景に、わびさびを強調した簡素(かつ極度に洗練された)な建物で、障子の桟を斜めにするなど遊び心が入ることもありました。
なるほどです。勉強になりました。

江戸のお部屋事情を通じて、江戸庶民の生活を知りたいひとのために!
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