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【書評】菊地ひと美『江戸で部屋探し』 [書評]

江戸のお部屋事情を多彩なイラストで紹介です。


江戸で部屋さがし (The New Fifties)

江戸で部屋さがし (The New Fifties)

  • 作者: 菊地 ひと美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/05/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



本書は物語調になっています。
三味線を教えることで生計を立てようと、伊達藩から江戸に出てきた女性が主人公です。
まずは庶民が住む裏長屋から始まり、表店へと続きます。もちろん、そこに住む庶民たちの姿も描かれています。
時代小説でよく裏長屋がでてきますが、こうしてイラストと地図で示されると分かりやすいです。しかもこのイラストが、江戸時代の絵からの抜出しがメインなのが、よりナイスです。
この本によるよ、四畳半一間で現在換算で2.5万円ほど、六畳一間で3.8万円ほど……と、逆に換算されると分かりにくいかも。
職人給与から1両30万円で換算とのことですが、換算法はいろいろありますので。
商売によい表店は急にランクアップです。
間口2.7m×9mの2階建で14万
間口4m×15m、間口5m×11mで22.5万
間口6m×9mの2階建て蔵付きで34万~45万
という感じみたいです。
後半は武家屋敷ですが、もう面積も広く全然ランクが違います。
書院造りと数奇屋造りの違いの説明が興味深いです。
書院造りは庭側に書院、中央に床の間、逆側に違いだなで、基本的には美術品等のディスプレイ用であり、正式な場なので豪華につくります。
数奇屋造りも似た形式ですが、主人の趣味・センスを前面に出したもので、茶の湯の思想を背景に、わびさびを強調した簡素(かつ極度に洗練された)な建物で、障子の桟を斜めにするなど遊び心が入ることもありました。
なるほどです。勉強になりました。

江戸のお部屋事情を通じて、江戸庶民の生活を知りたいひとのために!
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NutritionHelpTar

<a href=https://nutritionhelp.ru/chto-budet-esli-kazhdyi-den-pit-vino/>Что будет если каждый день пить вино?</a>
by NutritionHelpTar (2023-07-23 16:32) 

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