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【映画】アメイジング・スパイダーマン2 [映画評]

敵役との戦いが実にあっさりなスパイダーマンです。


アメイジング・スパイダーマン2TM [Blu-ray]

アメイジング・スパイダーマン2TM [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2015/02/25
  • メディア: Blu-ray



主敵はエレクトロです。
元々は地味な電気技師です。それがオズコープ社が特別に飼育している電気ウナギの入った水槽に落ちたことで電気を自由自在に操れるエレクトロという怪人に変身します。
うん、強引。
エレクトロはだれかに注目されることを願っています。
さてストーリーですが、複数のラインが引かれています。
メインが主人公と恋人との恋です。
前作で恋人の父から「娘には近づくな」と約束したことから、恋人との距離の取り方に悩みます。亡父の意図としては、主人公はこれから危険な目にあうから、娘を危険にさらすなということです。
ですが、主人公は悩みつつも、結局はかなりイチャイチャします。
もうひとつのラインはオズコープ社の2代目です。
彼はピーターとの親友ですが、オズコープ一族に遺伝する奇病にかかっており、スパイダーマンの血で治ると確信しています。
これに両親の失踪の真相がからみます。
両親はオズコープ社が化学兵器に乗り出すことに反対し、研究成果を破壊した上で脱出しますが飛行機事故を装って殺害されます。
主人公をスパイダーマンにしたクモですが、父親のDNAが入っており、本人か血族でなければ研究を進めれません。
オズコープ2代目は、スパイダーマンの血を求めますが、血の秘密を知っているスパイダーマンは拒否します。
そこでオズコープ2代目は、エレクトロを使ってスパイダーマンを呼び寄せ、スパイダーマンの血を獲得しようと試みます。
みたいな流れです。

さて映画ですが、前半は主人公の目的がはっきりしないため、やや迷走気味です。
エレクトロが主敵であるとはっきするのが、だいたい映画が始まってから1時間30分後です。
それまでもエレクトロは暴れますが、注目されるのが目的なので、うーん、主敵という立場にまで至っていません。
それまでは主人公の葛藤がメインで、恋人の父親との約束との関係で悩んでナヨナヨします。
やっぱり小さいです。
脚本としては複数のストーリーラインを最後に統合する奇麗な構成だとは思いますが、主人公の葛藤が小さくて、どうもなあと。
最後は恋人が危険な任務を自らの意思で遂行することで、自らの意思で二人の関係を変えていく決意を見せますが、そもそも出発点が小さいので。
エレクトロとの戦闘も物語中盤の伏線を活かしてはいるのですが、それで失敗して、さらなるどんでん返し……とならず、さらりと勝つのが残念です。
全世界の興行収入は7億1千万ドルと好成績ですが、北米が2億ドルと製作費を下回ったため、3部作+スピンオフ1作の予定が2作で終了となりました。
アンドリュー残念。

スパイダーマンファンのために!
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【書評】マルティナ・ヴィルトナー『飛び込み台の女王』 [書評]

ドイツ児童文学受賞作で、少女の微妙な心理が描かれている佳作だと思います。


飛び込み台の女王 (STAMP BOOKS)

飛び込み台の女王 (STAMP BOOKS)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



設定がちょっと複雑です。
主人公は七年生(日本だと中学生?)の少女で、高飛び込みをしています。
ドイツ在住ですが、母親はロシア人で、父は石油プラントの技師として働いており、ほとんど家にいません。
彼女にはカルラという親友がいて、高飛び込みのエースで、彼女こそタイトルである『飛び込み台の女王』です。
カルラの父は事故でなくなっており、母と二人で暮らしています。
こうした情報が、あまり整理されずに出てくるので、前半はちょっと混乱しました。
しかし、物語に入ってからはさすがです。
主人公はカルラを神のようにあがめています。しかし、カルラの母に恋人ができ、カルラが混乱し、大会でミスをしたことで主人公が優勝してしまいます。
主人公に異性の友人ができて、カルラを傷つけてしまう出来事など、そうした思春期前の少女の気持ちを丁寧にくみ取った佳作かと思います。
傷ついたカルラは飛び込みができなくなり、そして競技から去り、家族で転居します。
日本なら別のラストにするのかな、と思いながら読み終えました。

ドイツ児童文学賞受賞作を読みたいひとのために!
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