【書評】北杜夫『楡家の人びと』 [書評]
著者の家族をモデルとして、明治~大正までのある精神病院の変遷を描きます。
北杜夫の父は大歌人かつ精神科の医師であった斎藤茂吉(婿養子)、祖父は青山脳病院を設立した斎藤紀一、兄は精神科医かつ随筆かの斎藤茂太になります。
北杜夫らしく、愉快な家族や患者、さらには奇妙な病院職員などが勢ぞろいして、ドタバタが繰り広げられます。
しかし時代が流れ、祖父が死に、婿養子の父は家族との関係や病院経営に苦しみ、全盛期を凌ぐほどの規模に回復しながら戦争で全てが無に帰してしまいます。
家族も少女が大人になり、いきなり消息不明になったりして、けっして楽しい話ばかりではありません。
時代背景が多様に盛り込まれており、時代に翻弄される家族を、冷静な目で見ています。
昭和36年から執筆をしているので、戦争時の記憶はかなり生々しいです。
北杜夫の代表作を読みたいひとのために!
北杜夫の父は大歌人かつ精神科の医師であった斎藤茂吉(婿養子)、祖父は青山脳病院を設立した斎藤紀一、兄は精神科医かつ随筆かの斎藤茂太になります。
北杜夫らしく、愉快な家族や患者、さらには奇妙な病院職員などが勢ぞろいして、ドタバタが繰り広げられます。
しかし時代が流れ、祖父が死に、婿養子の父は家族との関係や病院経営に苦しみ、全盛期を凌ぐほどの規模に回復しながら戦争で全てが無に帰してしまいます。
家族も少女が大人になり、いきなり消息不明になったりして、けっして楽しい話ばかりではありません。
時代背景が多様に盛り込まれており、時代に翻弄される家族を、冷静な目で見ています。
昭和36年から執筆をしているので、戦争時の記憶はかなり生々しいです。
北杜夫の代表作を読みたいひとのために!