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第47期棋王戦挑戦者決定第1局(永瀬拓矢王座VS郷田真隆九段) [将棋]

郷田九段が10年ぶりの挑戦を目指します。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

郷田九段は羽生世代であり現在50歳です。挑戦者決定戦で争った佐藤康光九段はひとつ上ですが、羽生世代に数えられています。
50歳でこの頑張りは驚異的だと思います。
郷田九段と言えば、豪直流とか、正統派とか、美学を強調されることが多いです。
生粋の居飛車党で、妥協せずに、真直ぐな手を指すイメージがあります。序盤からの長考も有名です。
郷田九段の名言に「長考しない棋士は怖くない」というのがあります。
1局だけ見れば、定跡・研究範囲は飛ばして指すのが良いとは思いますが、定跡・研究範囲であっても改めて読み、良い手を探す努力こそが将来の蓄積となり、棋力を伸ばしていくという意味です。
とにかくかっこいい棋士であることは間違いありません。

棋王挑戦には連勝が必要ですが、さあ第1関門となる第1局を白星で飾ることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/47/kiou202112210101.html

本局は平成対令和のような将棋となりました。
先手の郷田九段ががっちりと四枚矢倉に組み、そこから穴熊へと組み替えます。
固さこそ正義の平成の大局観です。
対する永瀬王座はバランス型の中住まいです。薄いだけに攻められると弱いですが、広さが強みです。
じわじわとした駒組が続きますが、序盤戦ですでに評価値は後手に振れ始めます。
近年の将棋の特徴は、「細い攻めを繋ぐ技術の向上」と言われます。
永瀬王座は持ち歩が1枚から、飛車角桂だけで穴熊陣に攻めかかり、駒得した銀を重く5三に打ち付けます。
これで攻めが繋がっています。
郷田九段はなんとか動こうとしますが、その動きを逆用してさらに永瀬王座がリードを広げていきます。
これぞ現代将棋といった指しまわしです。
1局を通じて終始後手がリードする展開となり、そのまま永瀬王座が押し切りました。
郷田九段としては無念の将棋になったと思います。
これで永瀬王座が4期ぶりの棋王挑戦です。
五番勝負第1局は2月6日(日)、静岡県焼津市「焼津グランドホテル」で行われます!


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