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第11期リコー杯女流王座戦第3局(西山朋佳女流王座VS里見香奈女流四冠) [将棋]

里見女流五冠の2連勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

里見香奈女流四冠は渡辺明名人のファンであることを公言しています。
渡辺名人は固い玉形から細い攻めを繋げる居飛車党、里見女流四冠は薄い玉形をいとわず鋭く踏み込む振り飛車党と、棋風はかなり異なります。
というより、真逆に近いと思います。
それでも渡辺名人のユーモア感覚とか、包み隠さず胸の内を晒してくれるところとか、話が論理的なところとか、そうした魅力にひかれているのかなと思います。
年齢的にも少し上なので、この辺りの年齢差も身近に感じているのかもしれません。
渡辺名人はタイトル戦で若い藤井三冠に連敗して危機感を覚えているようです。
里見女流四冠も少し若い西山女流王座にタイトル戦4連敗中と押されていましたが、霧島酒造杯女流王将戦で初めて勝利して、そして女流王座戦でも連勝で第3局を迎えています。
このままストレートで奪取して、反撃することはできたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/11/joryu_ouza202112070101.html

ということで、将棋です。
この2人なので、いつものように相振り飛車ですが、先手の里見女流四冠が左玉と工夫を見せます。
こうなると、感覚的には対抗形に近いかもしれません。
里見女流四冠は4筋から軽快に動いていき、先に敵陣突破が約束されます。反撃とばかりに西山女流王座が2六歩と突きますが、ここで1時間を超える長考となります。
そして、踏み込みます。
実戦的には先手玉が薄くて、里見女流四冠が勝ちにくいかも思いましたが、ここからが力強かったと思います。
西山女流王座の8四桂に8五桂と前に出る受けが好手だったようで、お互いに自然な指し手が続いたように見えて、徐々に先手有利がはっきりします。
終盤は竜を切って一気に寄せに行き、95手目の7三桂とねじ込んだところ西山女流王座が投了しました。
8五桂馬が最後まで光った一局でした。

これで里見女流四冠が3連勝で一気に女流王座を奪取し、これで五冠に復帰。西山は女流三冠は女流二冠に後退しました。
また、里見女流王座は初のクィーン王座も称号も獲得です。

里見女流王座おめでとうございます!
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