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【書評】アレホ・カルペンティエル『この世の王国』 [書評]

ハイチ革命を舞台にした著者の代表作です。


この世の王国 (1974年)

この世の王国 (1974年)

  • 出版社/メーカー: 創土社
  • 発売日: 2020/06/07
  • メディア: -



ハイチ革命とはフランスの植民地であったハイチが、アフリカ系奴隷の反乱により独立した革命のことを言います。
著者は魔術的リアリズムの旗手と言われますが、架空の革命指導者を主人公としながら、歴史的事実と幻想的な描写を織り交ぜながら、物語が進んでいきます。
ハイチの初代国王アンリ・クリストフが精鍛込めて建設し、いまは観光名所となっているシタデル・ラフェーリ城や、その城で自殺する最期のシーンも描かれています。
ラテンアメリカ文学に大きな影響を与えた著者ですが、生まれはスイスで、国籍はキューバ、死没はフランスパリと国際的に活躍しています。
不思議な雰囲気を醸し出す作品ですが、個人的には楽しく読みました。


魔術的リアリズムを堪能したいひとのために!
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