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【映画】ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦 [映画評]

第二次世界大戦における、ソ連軍とフィンランドで争われた冬戦争を舞台にした映画です。


ウィンター・ウォー 厳寒の攻防戦 オリジナル完全版 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2017/12/20
  • メディア: Blu-ray



主人公は最前線であるカレリア地峡で戦う一兵卒です。
ごく普通の農民の兄弟でしたが、戦争が避けられなくなると招集され、そのまま小銃を片手に最前線に立ちます。
兵士たちは中年兵が多く、雑多な集団です。
武器も兵士もソ連軍と比べると貧弱で、飛行機は一機もありません。
そんな最悪な前線で、雪の中に掘られた塹壕を頼りに戦い続けます。
兵士にはときおり休暇が与えられて、電車で本国へと帰ります。
主人公は悲惨な戦場と銃後の意識の違いを覚えながら(名作『西部戦線異状なし』に通じる描写です)、また悲惨な戦場へと戻っていきます。
ソ連軍の人海戦術の前に、フィンランド軍は壊滅寸前になりながら、休戦協定が結ばれます。
ラストは主人公のアップで終わりますが、その目線は、この戦争の意味を問いかけているかのようです。
という感じの映画です。
何回かマンネルヘイムという名前が登場しますが、冬戦争を知らないと何のことだかわからないと思います。
マンネルヘイムは日本だと東郷平八郎とか山本五十六みたいな感じでしょうか。国家を代表する天才軍略家です。
フィンランドの映画なので、そのあたりは知っている前提で進んでいきます。
ひたすら戦場の描写が続き、これという抑揚がありません。
中隊指揮官と大隊指揮官との軽い軋轢はありますが、これはどの戦場でもある話です。
ラスト近くで、フィンランド軍がソ連軍を撃退するシーンがあります。
ソ連軍はひたすら逃げるのですが、それがジョギングみたいで、追いかけるフィンランド軍も同じ感じで、画面から緊迫感が伝わってこなかったかも。
休戦協定が結ばれたニュースが伝わったとき、フィンランド軍とソ連軍が入り混じってお互いに万歳していますが、ちょっと考えにくいかも。
講和とはいえ、国土の10%を失ったわけですから。お互いの人的損害も大きく、とても平和を祝う気持ちにはならなかったと思います。
ひたすら続く戦闘シーンといい、オリジナルで3時間20分近い上映時間と言い、気合の入った大作だとは思いますが、ちょと平坦すぎるかもしれません。
本作はフィンランドのユッシ賞を6部門獲得し、アカデミー賞の外国語映画賞フィンランド部門に選出です。

日本ではあまり知られていない冬戦争のことを知りたいひとのために!
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