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【映画】ダ・ヴィンチ・コード [映画評]

世界的ベストセラーとなったダン・ブラウンの同名小説の映画化です。


ダ・ヴィンチ・コード (1枚組) [AmazonDVDコレクション]

ダ・ヴィンチ・コード (1枚組) [AmazonDVDコレクション]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: DVD



映画はルーブル美術館の館長が脅迫されるシーンから始まります。
館長は秘密を守るため偽を述べますが、殺されます。
その死体が不思議な文様になっていたことから、専門家のラングドン教授が呼ばれます。
ここからはジェットコースターのように映画が展開します。
ラングドンは警察に真犯人と疑われ、補助者役であるフランス警察の暗号解読官ソフィーによって救われます。
ソフィーの祖父は、殺害された館長です。暗号を解読してカギを手に入れます。
ラングドンは旧友のリー教授に助けを求め、意見を聞きます。
そこで聖杯に関する秘密、キリストに関するある説を知ることになります。
次々と襲い掛かる危機から逃れながら、ラングドンはソフィーの祖父が残したカギの秘密を知ろうとします。
この映画ですが、原作が抜群に面白いです。
アクションシーンあり、謎解きがあり、歴史に関する蘊蓄があり、壮大な歴史ミステリーあり、さらには宝探しの要素も詰まっています。
映画も原作の流れに忠実に、これらの要素をグイグイ詰め込んでいます。
評論家の評価は分かれていますが、宗教の微妙な問題を扱っているのと、蘊蓄シーンが長いので、この手の話が苦手なら低評価になると思います。
自分は両方とも問題ありませんし、蘊蓄シーンは大好きなので、小説に劣らず映画も面白いです。
この手の映画は主人公の成長を扱えないので、歴史ミステリとしての面白さが重要です。
そうした中で、キリストの子孫というミステリは日本人的にはとても面白いです。
ミステリとして重要な、黒幕の意外性もきっちり作られています。
主人公を演じたトムハンクスだけでなく、警部役のジャンレノ、リー教授役のイアン・マッケラン(ロードオブザリングのガンダルフ役)と役者陣もそろっています。
製作費1億25百万ドルに対して興行収入7億60百万ドルの大ヒットとなりました。

ダン・ブラウンのファンのために!
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【書評】大川慎太郎『証言 羽生世代』 [書評]

将棋界の伝説ともいえる羽生世代を、16人の棋士へのインタビューで描き出します。


証言 羽生世代 (講談社現代新書)

証言 羽生世代 (講談社現代新書)

  • 作者: 大川 慎太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: 新書



羽生世代はまさに奇跡です。
同学年に二人の永世名人を産み出し、タイトル獲得13期で永世棋聖の佐藤康光、タイトル6期の郷田真隆、竜王3期の藤井猛、名人経験者の丸山忠久と、タイトル獲得だけでも大変なのに、同世代+1年上でこれだけの実績を残しました。
インタビューの相手は多種多彩で、それぞれの人柄がにじみ出ています。
ユーモアあふれるマンモスこと豊川孝弘(羽生と奨励会同期)、大人としてのやさしさにあふれている飯塚祐紀(同左)、どこか達観している森下卓、早々に諦観している島朗、理論的な渡辺明、王道を行く決意あふれる郷田真隆。
著者は棋士たちに「なぜ羽生世代に強い棋士がそろったのか」と聞いています。
子どもが多かった、娯楽も限られていた、などの時代背景もありますが、谷川浩司の登場で世間一般の将棋界に対するイメージが変わったのが大きいのかなと思います。
親として、子どもを将棋界に送り込む下地ができました。
そして、だれもが言及するのが羽生善治の影響です。
羽生世代の少し上の55年組から、将棋は技術という考え方がでてきて、羽生世代が将棋を「盤上のみの勝負」として序盤研究が本格的になります。
まだ定跡が整備されていなく、AIもない時代。
羽生世代たちは、自分の頭でひたすら考え、ひとつづつ道を整備していきます。羽生が技術を全て公開したことで仲間たちを引き上げ、逆にいえば羽生の近くに引き上げられるだけの才能のを持った若者たちがそろっていました。
ひたすら自分の頭で考え続けたことが、棋士としての血となり肉となり、将棋界を席巻していきます。
羽生世代に対する思いはいろいろかと思いますが豊川孝弘の「とにかく感謝、感謝」という言葉に全て表されているような気がします。

羽生世代のことをいろいろ知りたいひとために!
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