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第3期大成建設杯清麗戦第5局(里見香奈清麗VS加藤桃子女流三段) [将棋]

里見清麗の2勝2敗で迎えた最終局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/index.html

里見清麗は本棋戦も含めて57回ものタイトル戦に登場していますが、いまだにストレート負けがありません。
そもそも57回もタイトル戦に登場するだけでも難易度が極めて高いのに、さらに女流棋戦には女流王将戦、倉敷藤花戦といった3番勝負のタイトル戦もあるなかでストレート負けがないというのは驚異的な記録だと思います。
しかも体調不良のためタイトルを失った時期も含めてのことです。
西山朋佳女流三冠でさえ、初めてのタイトル戦ではストレート負けを喫しています。
棋力や体調の維持管理だけでなく、性格や気力といった、そういったメンタル面も大きいのかもしれません。
連敗スタートから連勝して追いついた第5局です。
さあ、最終戦も勝利して女流五冠を維持することはできるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/3/seirei202111170101.html

ということで、将棋です。
最終局なので改めて振りごまが行われ、先手を引いたのは里見清麗でした。
すると当然のように先手ゴキ中となり、加藤女流三段は左美濃に玉を囲います。
積極的に仕掛けたのは先手です。3八銀としまらないまま7五歩と仕掛け、早々に中盤戦に突入です。
玉形に差があるので、先手は終盤戦に入る前に戦果を上げないと苦しくなります。
勝負を分けたのは、5筋を巡る攻防だったと思います。
加藤女流三段の4六銀という強い受けに、里見清麗は角切りから入りましたが、後手を歩切れに追い込んだものの銀と角桂の交換で大きな駒損となってしまいました。
里見清麗は苦しいながらも玉を固め、後手人に嫌味を付けていきますが、固い指し回しになかなか差が縮まりません。
116手目から加藤女流三段は満を持して反撃に転じます。
ここまで力を蓄えらえっると、さすがの里見清麗でも受けきることはできませんでした。
134手まで加藤桃子女流三段が勝利し、清麗を奪取、約4年ぶりの無冠返上となりました。
二強に番勝負で勝ったことは、今後に向けて大きな自信になったと思います。

加藤新清麗おめでとうございます!
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