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第42回日本将棋シリーズ決勝(豊島将之JT杯覇者VS藤井聡太竜王) [将棋]

豊島JT杯覇者が連覇に挑みます。

〔主催者HP〕
https://www.jti.co.jp/culture/shogi/professional/index.html

大山康晴十五世名人の発案による、ファンの目の前で一流棋士が対局するというコンセプトの本棋戦。
二回戦まではコロナ禍によるインターネット中継でしたが、準決勝からは公開対局と子供大会が復活したのはうれしい限りです。
コロナの状況もありますが、きっと、来年はフルで復活するのではないかと、期待しています。
決勝戦は豊島JT杯覇者と藤井竜王です。
本年度は王位戦、叡王戦、竜王戦とぶつかり、すでに17局目です。
王位戦が始まる前までは豊島JT杯覇者が圧倒していましたが、タイトル戦では3つとも敗れてしまい、対戦成績も逆転してしまいました。現在7連敗中です。
しかし、本棋戦は早指しであり、タイトル戦とは違った雰囲気での対局となります。
さあ豊島JT杯覇者は、前年度覇者として、藤井竜王の進撃を止めることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/jt/kifu/42/jt202111210101.html

といういうことで、将棋です。
先手は豊島JT杯覇者です。今年の藤井竜王は先手で1敗しかせず無双状態なので、連覇を狙う豊島JT杯覇者としては好材料です。
戦型は豊島JT杯覇者が得意とする角換わりとなりますが、後手藤井竜王が7四歩と飛車のコビンを空けたことに反応し、4五桂ポンの速攻をしかけます。
藤井竜王が誘ったとも言えそうです。
先手は攻めの桂馬、後手は攻めの銀を捌いてひと段落ですが、藤井竜王が横歩を取ったことで局面が激しくなります。
豊島JT杯覇者は角打ちから歩で飛車を追い払い、そこから藤井玉の頭から攻めかかります。
藤井竜王は8八歩を利かそうとしますが、無視して踏み込まれると、先手からの攻めがクリーンヒットしてしまいました。
藤井竜王は持ち前の終盤力で先手玉への詰み筋を見つけようとしますが、豊島JT杯覇者が冷静に逃げ切って、これで対藤井戦の連敗を7で止めるとともに、JT杯2連覇を達成しました。
藤井戦において苦しめられた1年だったので、ひときわ嬉しい勝利だと思います。
豊島JT杯覇者おめでとうございます!

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第29期大山名人杯倉敷藤花戦第3局(里見香奈倉敷藤花VS加藤桃子清麗) [将棋]

里見倉敷藤花の1勝1敗で迎えた最終局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/

加藤清麗は第2回女流アベマトーナメントにチームリーダーとして参加していますが、監督は渡辺明名人です。
その渡辺名人からいろいろなアドバイスを受けたことを、清麗奪取のインタビューで答えていました。
内容は企業秘密だそうです。
里見女流四冠は中飛車一本なので、狙い撃ちしやしく、作戦勝ちを狙いやすいと思います。
また、相手にそう思わせることで、無理な動きを誘うなど、様々な効果があると思います。
最終局は先後が振り駒のため先後が分かりませんが、渡辺監督直伝の作戦が成功するでしょうか!

〔棋譜〕
https://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2021/11/post-bb10-2.html

ということで、将棋です。
最終局で貴重な先手を得たのは加藤桃子清麗です。
本局では超速から金を2枚縦に並べて、角筋を通す積極策を取ります。
対する里見倉敷藤花は飛車先が止まりますが5二金と美濃囲いをくみ上げ、飛車を三筋に転回してしかけます。
いつものことならが、評価値は居飛車優勢ですが、45手目の3三飛車が良い辛抱で、加藤清麗が角を捌く間に香損ながらも飛車を成りこむことに成功します。
里見倉敷藤花が反撃に出たのは、72手目からでした。
歩の裏側から香車で本陣を攻め、手厚い銀の受けには今度は下から角の筋で攻めます。
終盤で加藤清麗は玉の早逃げで手数を稼ごうとしますが、底に金をベタって貼られ、やはり後手の攻めが早い情勢です。
最後は竜を切り形を作りますが、後手が一気に先手玉を詰めあげて、苦しみながらも里見倉敷藤花が防衛に成功しました。
これで里見倉敷藤花は7連覇達成とともに、四冠を死守しました。

里見倉敷藤花おめでとうございます!
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