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第11期リコー杯女流王座戦第2局(西山朋佳女流王座VS里見香奈女流五冠) [将棋]

里見香奈女流五冠の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

西山女流王座が奨励会を退会して女流に転身するとき、涙を流しました。
そのことを記者が謝罪しつつ、そのときのことについてインタビューしていました。
西山女流王座の答えは「ふっきれた」とのことです。
奨励会ではいろいろと辛いこともあったようです。
大いなる期待をかけられ、悩みながら対局したこともあったと思います。
奨励会高段になると将棋の作りが変わるといいます。相手の手段をつぶすような辛い手が求められると聞いたことがあります。
西山女流王座には豪快な攻め将棋のイメージがありますが、奨励会ではまた違った将棋が求められていたのかもしれません。それも悩みのひとつだったかもしれません。
さあ、本局ではふっきれた西山女流王座の将棋を見ることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/11/joryu_ouza202111150101.html

さて将棋ですが、いつものように相振り飛車です。
里見女流五冠は対抗形の居飛車も指せますが、タイトル戦はやはり慣れた戦型で、ということかもしれません。
先手西山女流王座は金無双、後手里見女流五冠は高美濃に組み上げ、先攻したのは先手西山女流王座でした。
相振飛車では定番の端攻めですが、里見女流五冠は高美濃を活かして金をぐいっと前に出して受け止めにかかります。
西山女流王座は角を叩ききって迫りますが、結果的には65手目の9五飛が緩手になったのかもしれません。
王手飛車のラインを避けつつ、つぎの9九香打ちの詰めろを狙った手ですが、3五桂馬と攻め合われます。
ここで3九桂と受ければまだ一局でしたが、初志貫徹の9九香打ちの瞬間に攻め込まれてしまいました。
攻め合いになっても5四桂打ちから寄ると判断したのかもしれませんが、里見女流五冠がギリギリの受けを見せます。
そして、王手が途切れた瞬間に、先手玉を長手数の詰みにしとめました。
里見女流五冠の終盤力もありますが、なによりギリギリを踏み込んだ決断の勝利だと思います。

これで対戦成績は里見女流五冠は2連勝となり、女流六冠まであと1勝と迫りました。
第3局は12月7日(火)、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われます!
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