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第6期叡王戦第5局(豊島将之叡王VS藤井聡太二冠) [将棋]

フルセットで迎えた最終局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

挑戦者の藤井二冠は通算勝率が8割を超えています。
勝率8割の棋士が番勝負で負ける可能性は相当に低く、いままでのタイトル戦で
棋聖戦 3-1、王位戦 4-0、棋聖戦 3-0 と圧倒的な成績を残しています。
ところが今回の叡王戦では、対戦成績で分が悪い豊島叡王が相手ということありますが、初めて2-2のフルセットに持ち込まれました。
豊島叡王としても、タイトルを防衛できるかどうかの1戦ですが、それ以上に藤井二冠相手に番勝負で黒星を付けられるかどうかという意味で大きな1戦だと思います。
谷川・羽生のように切磋琢磨する時期が続くのか、それとも藤井二冠が突き抜けてしまうのか、この1戦で将棋界の歴史が変わる可能性があります。
豊島叡王は叡王戦第4局では相掛かりを採用し、深い研究から藤井二冠の反撃を封じ込めて完勝しました。
さあ、トップスターの共演の最終幕は、どのような結末になるでしょうか?

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/6/eiou202109130101.html

ということで将棋です。
大事な1局で先手番を引いたのは藤井二冠でした。
それからまるで事前に申し合わせがあったかのように相掛りへと進みます。
先手は7筋の歩をかすめ取り、歩損の代償として後手は銀を前線に繰り出します。
雁木模様から銀を進出させたのが豊島叡王の工夫です。
しかし、藤井二冠の2九飛車をみていきなり豊島叡王が長考します。
豊島叡王は研究手を出したのに早々と想定局面から外れたのか、不安が残る立ち上がりです。
銀を出したからには攻めないとおかしいのですが、藤井二冠の受けに銀を引かされて、模様としては先手良しです。
その後は藤井二冠の緩急自在の差し回しが冴えまくります。
後手陣を攻めたと思えば受けに回り、豊島叡王の2枚銀を重くします。
終盤の豊島叡王の勝負手にも、飛車切りから金をぐいっと前に出し、後手陣の居玉の薄さを一気に突きます。
そのまま緩むことなく一気に寄せ切り、最後は窒息していた角まで盤面を舞います。
美しい手順だと思います。
素晴らしい将棋で111手まで藤井二冠の完勝で、これで最年少三冠達成です。
まさに藤井1強時代の到来を告げる1局になったと思います。

豊島将之VS藤井聡太との番勝負3連戦は、これで藤井聡太の連勝となりました。
残る竜王戦は、10月8日、9日から開幕です!
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