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第80期順位戦展望【C級2組・序盤戦】 [将棋]

おおむね4戦まで終了です。

〔対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2021/80c2/index.html

トップ集団を走るのはいつものように若手で服部慎一郎四段、斎藤明日斗四段、本田奎五段、西田拓也五段です。
このうち直接対決があるのが本田五段と西田五段だけですが、斎藤四段は池永天志五段、佐々木大地五段戦が残っておりなかなか厳しめです。
順位の良い服部四段が有利ですが、まだまだ分かりません。
実力あるのに、いつまでたってもC級2組竜王戦6組が抜けられない佐々木大五段ですが、今年も早々に2敗してしまい、昇級は厳しそうです。
ベテラン勢では、その佐々木大五段を破った島朗九段が3勝1敗と元気です。
今期は降級点2つ持ちが3名です。
大ベテランの田中虎彦九段は4連敗と最下位に沈んでいます。この先の対戦相手を見ても、なかなか厳しそうです。
中田功八段は1勝3敗と降級点ラインすれすれです。次から若手3連戦んですが、ここで1つでも白星を挙げることができたら、セーフの可能性があるのかなと思います。
佐藤慎一五段は2勝2敗と五分の星。
いままでギリギリで助かってきましたが、ことしもその残留力を見せられるかどうかです。
C級2組は人数が多いだけに、順位の差が重要になってきます。
悲喜こもごもの戦いが、これからも続きそうです!

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第29期大山名人杯倉敷藤花戦挑戦者決定戦(加藤桃子女流三段VS野原未蘭女流初段) [将棋]

野原女流初段が初タイトル戦を狙います。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/

野原女流初段は学生アマチュア界で活躍を続けてきました。
中1にして女流アマ王位戦で優勝し、翌年にも連破。さらに女流アマ名人も獲得して2冠達成。
さらに翌年の中3では女流の枠を飛び出して第43回中学生将棋名人戦でも優勝しています。
プロ入り2年目となる今年度の成績は7勝8敗と、アマチュア時代の活躍を比べると物足りなく思う部分もありますが、本棋戦で決勝まで進出して、いよいよ本領発揮の時期かもしれません。
相手はタイトル戦の常連である加藤桃子女流三段です。
さあ、野原女流初段は実績のある一流女流棋士の壁を乗り越え、初のタイトル戦挑戦を勝ち取ることはできるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/kifu/29/kurashikitouka202109270101.html

ということで、将棋です。
野原女流初段は鈴木英春の教えを受けてきましたが、本局では居飛車を採用し、相掛かりとなります。
序盤で加藤女流三段が雁木の銀を前進させ、やや欲張ったところ、隙ありとして野原女流初段が銀を突進させます。
すぐにつかまってしまう銀ですが、そこから歩のくさびを2本打ち込み、端桂で飛車を追い払うと、銀損ながら飛車を成りこむことに成功します。
あとは駒損を回復できれば優勢です。
途中まで調子が良かったですが、69手目の7五歩から流れがおかしくなります。
桂頭を攻める手ですが、歩が伸びたすきにふんどしの桂を打たれて、目標とした桂にもはねられては変調です。
評価値としては五分ですが、捻りあいの馬力の勝負となれば、加藤女流三段が上でした。
徐々に先手は守勢に回るようになり、後手は確実にリードを広げていきます。
不安点は時間切迫だけでしたが、そのまま乗り切り、132手まで後手加藤女流三段が勝ち切りました。
野原女流初段はタイトル初挑戦まであと一歩のところで涙をのみました。

大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局は11月1日(月)に関西将棋会館で行われます!
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